会って話せば世界が広がる みんなでつくる生活クラブ
年に一度、2月末から3月にかけて各地の生活クラブ生協では、組合員活動の単位ごとに総会(大会)が開かれる。生活クラブ東京は「まち大会・総会」、神奈川では「コモンズ大会」「デポー大会」、他府県では多くが「支部大会」という。地域ごとに名称は異なるが、1年間の組合員活動の振り返りと活動費の決算、次年度の方針と予算案が運営委員会から提案され、話し合い、決定する場だ。その地域にいる多世代の組合員が互いに顔を合わせ、話し合う貴重な機会となっている。
98人の出席を目指して

栄コモンズの2024年度のコモンズ大会
生活協同組合は、組合員が出資、運営、利用する自主運営組織だ。「大会」はその在り方を決める場なので、民主的に運営するには組合員の参加が欠かせない。大会の成立要件は地域によって異なるが、横浜みなみ生活クラブ(神奈川県横浜市)では、「コモンズ大会」「デポー大会」の成立に必要な人数を組合員数の10分の1と定めている。2025年の中期計画の策定において、大会は運営委員の思いをおおぜいの組合員に直接伝え、共に活動をすすめるための大切な決定の場ということで、10分の1の定足数の維持を確認した。
横浜みなみ生活クラブを構成する「栄コモンズ」は横浜市栄区にある。977人(25年12月末時点)の組合員がいるのでコモンズ大会に必要な人数は98人だ。会場の確保から組合員への出席の呼びかけまで、栄コモンズの運営委員会が中心に行う。運営委員会では、新しい組合員も消費材を使いこなせるよう、組合員にレシピを掲載した公式LINEを送信している。企画や集会、機関誌やコモンズ大会のお知らせも、そこに載せている。
栄コモンズの運営委員長の柳原(やなぎはら)友梨奈さんは、現在9歳と4歳の子育て中で、仕事をしながら組合員活動をしている。
「公式LINEによるレシピは週に3回程度配信しています。運営委員だけでなく料理好きなグループもあり、みんなでレシピを出し合っています」
自分に呼びかけられているように意識され、LINEで出席の返信が出せることで、参加しやすい状況をつくっている。
横浜みなみ生活クラブ理事長の競(きそう)啓子さんは言う。
「おおぜいの組合員と集まれて良かったという声を聞きます。コロナ禍でいったん途切れてしまってから、会って伝える大切さを再確認しました。なぜ今、組合員を増やすことや、消費材を利用することが、必要なのかなど、自分たちの思いを自分の言葉で伝え、『そうだよね!』と共感できた時の喜びを感じ、自分ごととして考え活動する仲間づくりにつながっています」
運営委員から伝えるだけでなく、参加者からの意見やそれに応える人もいて、組合員同士の学び合いの場にもなっている。
夏場に野菜が傷んでしまうことへの改善要望に対して、猛暑の中で配達する配達員や生産者への思いを話す人もいた。異常気象が原因であることから「生活クラブでんき」のことまで話し合えたという。
参加することで変わっていく
栄コモンズではかつて大会成立人数に達せず、流会し、再度大会を開催したことがある。組合員活動は、運営委員だけではなく、組合員一人一人が参加しておおぜいの力となって共にすすめることを決めていく場なのだと再確認できたという。
「『自分が行くことが大事なんだ』と皆に気づいてほしいですね。運営委員と他の参加者と地域で起きていることを一緒に考え、思い描く未来に向けてどのようにすすめるか意見交換ができることを知ってほしいです。年に一度の大会を同窓会のように楽しんで参加している組合員もいます。人とのつながりが希薄になりつつある世の中で、食べることさえも関心を持たなくなってしまうのは本当にもったいないと思います。また、自分たちで参加して自分たちで決め、実践できるのが組合員活動です。この経験から政治も身近に感じて、投票に行ったり、政策提案などの活動にもつながっていきます」と競さんは言う。
こうした大会に、自分が参加するものだと思っていない組合員も多い。消費材について利用方法がわからずやめてしまう人もいる。柳原さんも運営委員になる前は身近に組合員の知り合いもおらず消費材への理解もあまりなかったが、参加することで変わったという。
「生活クラブでは自分の食だけでなく、環境や地域のことなどを学べて、他にはない生協だと思っています。同世代の知り合いからは、手軽に食べられるものが少ないと言われることもありますが、生活クラブでもなんとかなるよって伝えたいです。消費材についてカタログの一歩先を知っている人は組合員を続けています。だからまず参加して興味を持ってもらいたいですね」
「『自分が行くことが大事なんだ』と皆に気づいてほしいですね。運営委員と他の参加者と地域で起きていることを一緒に考え、思い描く未来に向けてどのようにすすめるか意見交換ができることを知ってほしいです。年に一度の大会を同窓会のように楽しんで参加している組合員もいます。人とのつながりが希薄になりつつある世の中で、食べることさえも関心を持たなくなってしまうのは本当にもったいないと思います。また、自分たちで参加して自分たちで決め、実践できるのが組合員活動です。この経験から政治も身近に感じて、投票に行ったり、政策提案などの活動にもつながっていきます」と競さんは言う。
こうした大会に、自分が参加するものだと思っていない組合員も多い。消費材について利用方法がわからずやめてしまう人もいる。柳原さんも運営委員になる前は身近に組合員の知り合いもおらず消費材への理解もあまりなかったが、参加することで変わったという。
「生活クラブでは自分の食だけでなく、環境や地域のことなどを学べて、他にはない生協だと思っています。同世代の知り合いからは、手軽に食べられるものが少ないと言われることもありますが、生活クラブでもなんとかなるよって伝えたいです。消費材についてカタログの一歩先を知っている人は組合員を続けています。だからまず参加して興味を持ってもらいたいですね」

栄コモンズの年末試食会の様子。25年度は5回開催した
写真提供/栄コモンズ
文/本紙・佐々木和子
文/本紙・佐々木和子
★『生活と自治』2026年3月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2026年3月20日掲載】