予約で食べる、野菜をつくるチカラになる
高齢化、気候変動、資材やエネルギーの高騰など、今、野菜農家はさまざまな課題を抱えている。一方、消費者は季節や地域を感じながら野菜を食べることが難しく、市場価格に振り回されることも多い。双方が歩み寄り、生産と消費を持続可能にするには何が必要か。生活クラブ連合会と各地域単協の予約野菜セットの取り組みを紹介する。
みんなでつくる健康な土

「あっぱれ・はればれ野菜6点セット」の一例
生活クラブが取り扱う青果物はすべて「アースメイド野菜」。化学合成農薬、化学肥料の使用を削減し、生産者と一緒に土づくりをすることから「アースメイド」と名付けている。「いつ・誰が・どこでどのように作ったか」、栽培計画と実績の開示を基本とし、残留農薬は国の基準の10分の1以下、放射能は国の基準の4分の1にあたる25ベクレル/キログラム以下だ(※)。現在、国内の提携産地、67団体を中心に、安定した供給を続けている。
アースメイド野菜の中でも明確な栽培基準を持つ野菜が、「あっぱれ育ち」と「はればれ育ち」。栽培期間中、化学合成農薬と化学肥料を使用せずに育てた野菜はあっぱれ育ち、できるだけ使わずに育てた野菜がはればれ育ちだ。
環境負荷を低減して栽培した農産物といえば、有機JAS(オーガニックJAS)マークが思い浮かぶ。全国共通の基準に基づく国家規格で、国の認定した登録認定機関が認めた証しだ。さんぶ野菜ネットワーク(千葉県)などすでに認証を得ている提携団体もあるが、細かな取り決めが多く生産者には負担やコストがかかる仕組みでもある。そこで、2016年、生活クラブは第三者の認証によらない、生産者との二者認証制度の取り決めをした。それが「あっぱれ育ち」と「はればれ育ち」の栽培基準だ。
20年、パートナーである生産者と約束して食べる方法として、予約野菜セット「あっぱれはればれ野菜おまかせ4点セット」が始まった。関東近隣の五つの生産者が「今が食べごろ」という野菜を収穫。葉物、根菜など四つの品目群から1点ずつセットされ、組合員は一定の金額で利用する。生育状況を確認しながら、産地同士の調整を図ることで、新規就農者や少量多品目の生産者も出荷できる仕組みだ。
25年10月からは、既存の「あっぱれ・はればれ野菜6点セット」の予約取り組みも始まった。全国の産地からあっぱれ・はればれ農法の旬の野菜を集め、週によって品目と価格は異なるが、注文の前に何が届くかわかる。4点セットが関東近隣の産地を丸ごと食べる取り組みだとすれば、6点セットは、全国にあっぱれ・はればれ野菜の基盤、健康な土をつくっていく取り組みといえる。
※生シイタケは50ベクレル/キログラム以下
それぞれの努力で
登録期間を決め独自の取り組みを進める地域単協もある。
生活クラブ埼玉は、05年から県内の提携生産者と青果物連絡協議会を開き、農法の研究や情報交換をしてきた。12年、「コア産地野菜セット」の名称で予約取り組みを開始、25年、「予約・地産地消!旬の埼玉野菜セット」と名称を変更した。提携する3生産者の中心的な存在である沃土会(よくどかい)は、連合会のあっぱれ・はればれ予約野菜の提携生産者でもある。組合員に県内の生産者を身近に感じてもらい、計画数量に満たず廃棄される野菜を削減している。
生活クラブ神奈川は、提携生産者に加え、新たな地場生産者との提携を視野に入れる。22年、農業生産法人設立の検討をする中で、地場野菜生産者との連携を強化する必要性を確認。食の自給圏を広げる構想のもと、その第一歩として「神奈川県産地場野菜セット」の予約登録を23年から開始した。23年は、生活クラブ神奈川が運営する「生活クラブみんなの農園」と県内の新たな生産者を含めた6生産者、25年は7生産者の出荷につながっている。
単協間の調整を丁寧に進め、予約野菜セットを開始したのは関西の6生協だ。都市生活、エスコープ大阪の旧生協連合会きらりと、生活クラブ大阪、奈良、滋賀、京都エル・コープの旧WILLネット事業部とでは、野菜の共同購入システムに大きな違いがあった。持続可能な農業の実現、生産者との提携強化、国内自給率の向上を青果物政策の柱として議論を重ね、25年から生産者が旬の野菜を出荷する「よやく・る野菜セット」を開始した。すべて化学合成農薬、合成肥料不使用と生産者にとって栽培のハードルは高いが、予約登録計画数に合わせて生産可能な量を報告し、全量出荷するため、安心して作付けできる。バラエティーに富んだ野菜が届くのも組合員にとっては魅力だ。中には食べ慣れない野菜もあるが、組合員同士で食べ方を共有し、人気野菜になったものもあるという。
生活クラブの野菜には、生産者からのカードやシールが付いている。カードの回収方法は単協や配送センターごとに異なるものの、食べた感想は、必ず生産者に届く。組合員からの小さな反応が、野菜をつくるチカラになる。
生活クラブ埼玉は、05年から県内の提携生産者と青果物連絡協議会を開き、農法の研究や情報交換をしてきた。12年、「コア産地野菜セット」の名称で予約取り組みを開始、25年、「予約・地産地消!旬の埼玉野菜セット」と名称を変更した。提携する3生産者の中心的な存在である沃土会(よくどかい)は、連合会のあっぱれ・はればれ予約野菜の提携生産者でもある。組合員に県内の生産者を身近に感じてもらい、計画数量に満たず廃棄される野菜を削減している。
生活クラブ神奈川は、提携生産者に加え、新たな地場生産者との提携を視野に入れる。22年、農業生産法人設立の検討をする中で、地場野菜生産者との連携を強化する必要性を確認。食の自給圏を広げる構想のもと、その第一歩として「神奈川県産地場野菜セット」の予約登録を23年から開始した。23年は、生活クラブ神奈川が運営する「生活クラブみんなの農園」と県内の新たな生産者を含めた6生産者、25年は7生産者の出荷につながっている。
単協間の調整を丁寧に進め、予約野菜セットを開始したのは関西の6生協だ。都市生活、エスコープ大阪の旧生協連合会きらりと、生活クラブ大阪、奈良、滋賀、京都エル・コープの旧WILLネット事業部とでは、野菜の共同購入システムに大きな違いがあった。持続可能な農業の実現、生産者との提携強化、国内自給率の向上を青果物政策の柱として議論を重ね、25年から生産者が旬の野菜を出荷する「よやく・る野菜セット」を開始した。すべて化学合成農薬、合成肥料不使用と生産者にとって栽培のハードルは高いが、予約登録計画数に合わせて生産可能な量を報告し、全量出荷するため、安心して作付けできる。バラエティーに富んだ野菜が届くのも組合員にとっては魅力だ。中には食べ慣れない野菜もあるが、組合員同士で食べ方を共有し、人気野菜になったものもあるという。
生活クラブの野菜には、生産者からのカードやシールが付いている。カードの回収方法は単協や配送センターごとに異なるものの、食べた感想は、必ず生産者に届く。組合員からの小さな反応が、野菜をつくるチカラになる。
文/本紙・元木知子
★『生活と自治』2026年4月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2026年4月24日掲載】