「地域自治と福祉の融合~つながりが生む安心~」第9回 生活クラブ 福祉・たすけあい研究交流集会

第9回 生活クラブ 福祉・たすけあい研究交流集会
3月24日、「第9回 生活クラブ 福祉・たすけあい研究交流集会」を開催しました。地域の参加型福祉に関わる組合員や職員、ワーカーズ、社会福祉法人など約270人が、会場とオンラインで参加しました。テーマは「地域自治と福祉の融合~つながりが生む安心~」。子育てや介護、孤立といった課題に対し、多様な取り組みや連携のあり方について考えました。基調講演では、特定非営利活動法人SEIN(サイン)の湯川まゆみさんが、地域に小さな経済を生み出しながら、持続可能なコミュニティの再構築をめざす実践を紹介。分科会では、「つながりづくり助成」や「おふくわけ」の事例を共有し、2026年に検討プロジェクトがスタートした「終身サポート事業」の課題も提起されました。
基調講演
「役割と稼ぎがめぐりめぐる地域自治をめざして」
講師 湯川まゆみ氏(特定非営利活動法人SEIN代表理事)
湯川さんは自身の体験から、「誰も孤立しない社会・地域をつくる」ことを大切に、地域のしくみづくりや団地の再生に取り組んでいます。大阪府・泉北ニュータウンでは、築40年以上の住宅が多く、高齢化も進んでいました。そこで、集会所を活用した「としょかんづくり」をきっかけに、人が気軽に集まれる場を生み出しました。そこから、週1回の野菜の移動販売や、月1回の持ち寄り晩ごはん会が始まりました。さらに、足を運べない人にも届くよう、空き室を使った惣菜カフェ「やまわけキッチン」も立ち上げています。
講師 湯川まゆみ氏(特定非営利活動法人SEIN代表理事)
湯川さんは自身の体験から、「誰も孤立しない社会・地域をつくる」ことを大切に、地域のしくみづくりや団地の再生に取り組んでいます。大阪府・泉北ニュータウンでは、築40年以上の住宅が多く、高齢化も進んでいました。そこで、集会所を活用した「としょかんづくり」をきっかけに、人が気軽に集まれる場を生み出しました。そこから、週1回の野菜の移動販売や、月1回の持ち寄り晩ごはん会が始まりました。さらに、足を運べない人にも届くよう、空き室を使った惣菜カフェ「やまわけキッチン」も立ち上げています。

湯川まゆみ氏
どの地域でも人材や担い手の不足は共通の課題です。多様な人が暮らすからこその煩わしさもありますが、小さな機会を積み重ねることで、小さなコミュニティが生まれます。やがて人々の関心は地域へと向かい、「関わる人」が少しずつ増えていきます。時間はかかりますが、「つながる」ことの大切さを実感できる取り組みです。地域で見守る人たちと見守られる人たちの「関わる」機会が安心して暮らせる社会の土台になります。SEINの考える「事業の成功」は、地域にお金が回り、多様な価値が提供できることだと考えています。
分科会1
地域でつながる居場所(パネルディスカッション)
2025年度に新設された「つながりづくり助成」は、地域貢献と福祉の日常化をめざし、チャレンジ性のある取組みを支援し、参加型福祉の実践を後押します。
2025年度に新設された「つながりづくり助成」は、地域貢献と福祉の日常化をめざし、チャレンジ性のある取組みを支援し、参加型福祉の実践を後押します。

助成を受けた3団体の報告
●みんなのサロン「輪」(栃木県)
配送ワーカーズが月1回の交流イベントを通じて地域の居場所づくりを実践。助成により活動の充実と継続の仕組みづくりが進みました。
●にじいろコミュニティファーム(山梨県)
野菜づくりを軸にしたコミュニティ活動を展開。地域の子ども食堂やフードドライブへの提供、出張食堂など福祉的な取組みも広がっています。
●ノンナの家(東京都)
親子が安心して集える場を運営。「赤ちゃんと一緒ごはん」を通じて交流や休息の場を提供し、助成により活動の幅を拡大しました。
助成が現場の原動力となっていることが共有され、「つながりづくり助成」の意義が確認されました。
分科会2
「おふくわけ」で地域の課題を解決(パネルディスカッション)
「おふくわけ」は、組合員が申し込んだ食品を、地域のフードバンク団体などを通じて必要な人に届けるしくみです。2025年度は多くの組合員の参加に支えられ、中間支援との連携が広がり、地域の新たなつながりが生まれています。
「おふくわけ」は、組合員が申し込んだ食品を、地域のフードバンク団体などを通じて必要な人に届けるしくみです。2025年度は多くの組合員の参加に支えられ、中間支援との連携が広がり、地域の新たなつながりが生まれています。

4団体の事例報告
●フードバンクTAMA(東京都)
多摩地域を拠点に、困窮家庭や児童施設、子ども食堂へ食品を提供。子ども支援や学習・自立支援団体も応援。
●こども食堂ふくろうはうす(東京都)
子ども食堂を中心に、食料支援や学習・交流の場を提供。安心して立ち寄れる地域の居場所を運営。
●一般社団法人食べる健康プラットフォーム(兵庫県)
シニア世代が余剰食材を集めて子ども食堂へ届ける「つながる便」や食育セミナーを通じ、地域のつながりを育む。
●認定NPO法人東灘地域助け合いネットワーク(兵庫県)
阪神・淡路大震災を機に設立、30年。子ども食堂やサロンなど多世代交流の場を運営し、約100名のボランティアと職員で地域の支え合いを展開。
これからも、地域のフードバンクと連携しながら、さらに多くの組合員の「おふくわけ」への共感を拡げていきたいと感じました。
分科会3
わたしたちの終身サポート
講師 :沢村香苗氏(日本総研シニアスペシャリスト)
講師 :沢村香苗氏(日本総研シニアスペシャリスト)

沢村香苗氏
高齢者の孤立や孤独が社会課題となる中、「人生の最期をどう迎えるか」に社会全体で向き合う時期にきています。高齢期は心身に不安を抱えながらも、医療や介護、生活の手続きなど、多くの判断や対応が求められます。これまでは家族がその多くを担ってきましたが、単身者や未婚者の増加により、支えが得られないケースも広がり、「おひとりさま」のリスクは誰にとっても身近な課題となっています。
一方で、終身サポート事業は制度的な整備が十分とはいえず、実態の把握も難しい状況です。そうした中で、「身寄りの有無」ではなく、人とのつながりを「身寄り力」として捉え、制度だけに頼らない支え合いを地域で育んでいくことも求められます。生活クラブの今後の取り組みの可能性や方向性を考えるうえで、多くの示唆を与えてくれました。
【2026年4月21日掲載】