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電力小売全面自由化から10年 持続可能な再エネ社会をめざしシンポジウム開催

電力会社を自由に選んだその先の展望は? 


2026年4月、電力小売全面自由化は10年の節目を迎えました。
生活クラブは、パワーシフト・キャンペーン運営委員会(本部:東京都板橋区、代表:吉田明子)をはじめとする全7団体とともに、4月15日(水)、衆議院第一議員会館にてシンポジウムを開催しました。当日は主催・協力団体など約40人が会場に集い、オンラインでは約220人が視聴しました。

2016年の自由化当初は、消費者が主体的に電気の選択ができる社会や、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及、さらには地域や市民が主体となる電力会社の広がりに、大きな期待が寄せられていました。

しかし、電力システム改革は今、大きな転換点を迎えています。2024年から2025年にかけて行なわれた制度検証では、「安定供給」を担う大規模電源の維持が重視され、再エネのさらなる拡大とは異なる動きも見られます。また、経済合理性がなく商用化には程遠い火力発電の脱炭素化や福島の事故を顧みない原子力の活用を支える制度の整備もすすんでいます。

さらに、再エネを供給する新電力は、この10年の間に市場価格の高騰や自由化以前に戻るような制度変更など、さまざまな課題に直面してきました。加えて、世界情勢も激変し先行きの見通しが難しく、エネルギーを取り巻く状況は依然として不安定です。

こうした中で、「これからの10年に向けて、私たちはどのような展望を描くのか」が問われています。
シンポジウムでは、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長の飯田哲也氏をはじめ、専門家や消費者団体、生協、発電・供給事業者が登壇。それぞれの立場からこの10年を振り返り、今後に向けた提言が共有されました。
 
会場、オンライン視聴あわせて約220人が参加

世界の再エネ推進と日本の現在地

シンポジウムの冒頭では、飯田哲也氏より世界のエネルギー転換の動きと日本の現状について報告がありました。

飯田氏は、世界がエネルギー安全保障への危機意識を強め、再エネへの転換が加速する一方、日本では依然として化石燃料を前提とした政策が続いている現状に触れました。特に、国際情勢の緊張が高まり原油不足の懸念がある中でも、省資源対策ではなくガソリン補助金などの対応が続いていることに対し、危機への向き合い方に課題があると指摘します。

この10年で、エネルギーを取り巻く環境は大きく変化しました。太陽光発電や蓄電池のコストは大幅に下がり、世界では再エネと蓄電池を組み合わせた電力システムが急速に広がっています。国際的にも、再エネの導入を大きく拡大していく目標が掲げられています。

なかでも重要な役割を担うのが蓄電池です。
蓄電池は単に電気をためる装置ではなく、電気の「足りない・余る」を調整し、電力の安定供給を支える存在として位置づけられています。海外では導入がすすみ、電力システムの中での重要性が高まっています。

これらの動きを踏まえ、世界が再エネと蓄電池を軸に大きく転換している一方で、日本の制度や電力のしくみはその変化に十分に追いついていない現状が示されました。

また、蓄電池や再エネのような分散型電源といった新しい技術の重要性が十分に評価されていないことに加え、本来活用できるはずの再エネが十分に生かされていないという課題も明らかになりました。

提言の最後に、飯田氏はこれからの電力のあり方を見直していく必要性を強調するとともに、再エネへの投資は単なるコストではなく、国内に価値を残す「未来への投資」であるとの視点を示しました。そして、世界的なエネルギー革命の潮流に合流できるのか、その選択は市民によってなされるべきだと提言がありました。

「再エネへの投資は、未来への投資である」と語る飯田氏(オンラインにて登壇)

自分たちでつくり、広げる再エネ―生活クラブの実践

「食べものと同じようにエネルギーも由来がわかるものを選びたい」と語る生活クラブ神奈川の佐野めぐみさん

消費者の立場からの実践報告では、生活クラブ神奈川 副理事長の佐野めぐみさんが登壇しました。
佐野さんは、「この10年の間に、生活クラブでは風車2基をはじめとした再エネ発電所を建設しました」ときり出し、組合員主体ですすめてきた再エネ普及の取組みを紹介しました。

その出発点となったのが、2012年に秋田県にかほ市で稼働した風力発電所「夢風(ゆめかぜ)」です。「食べものと同じように、エネルギーも中身がわかり、地域にも還元できるものがいい」という思いから、生活クラブの組合員が主体となって建設に取り組みました。建設費の一部に組合員のカンパが充てられ、その後の「生活クラブでんき」の起点にもなりました。

再エネ普及の取組みにおいて、生活クラブが大切にしているのが学びと共有の積み重ねです。各地の生活クラブでは、エネルギーのしくみや社会の動きを知る学習会を開催。学んだ内容を組合員同士で伝え合うことで、再エネへの共感と理解を広げてきました。「自分たちが使う電気は、自分たちでつくり、使う。その意義を伝えてきた」と佐野さんは話します。

さらに、電源の内訳を明らかにするなど、電気の「見える化」にも取り組み、どのようにつくられた電気なのかを知り、選べるようにすることが、消費者の主体的な選択につながると、生活クラブにおける電気の共同購入の考え方を説明しました。

他にも、参加団体から制度改善を求める働きかけや、パブリックコメントの提出、訴訟など消費者としての多様な関わり方が報告されました。
 
生活クラブが秋田県にかほ市に建設した二基目の風車「 千颯(ちはや)」

日々の選択がつくる、エネルギーの未来

シンポジウム後半では、民間企業やサービスを通じた再エネ支持のあり方にも言及されました。

現在は電力契約に限らず、再エネでつくられた商品やサービス、環境に配慮した企業の取組みを選ぶことも可能になっています。
数ある電力会社の中から、何を優先して選ぶのか? 効率や利便性? それとも脱炭素、脱化石燃料、脱原発? 一人ひとりの暮らしに欠かせない電気だからこそ、将来を見据え、持続可能なエネルギーを選びたい。生活クラブではそのような考えのもと、再エネ中心のでんきの共同購入を始め、さまざまな方法で再エネの普及に取り組んできました。

電力小売全面自由化から10年。
私たちが当初思い描いた「再エネが当たり前の社会」は、まだ実現の途中にあります。

それでも、私たちはすでに「選べる」立場にいます。
一人ひとりの選択は小さく見えても、積み重なれば社会の流れを変える力になります。

「生活クラブでんき」を選ぶことも、その一つです。
生活クラブはこれからも、家族や仲間、生産者とともに、再生可能エネルギーを広げる取組みを続けていきます。
 
▼生活クラブでんきについてはコチラから▼
再生可能エネルギーを「つかう」

プログラム

1.電力小売全面自由化から10年の現在地
・Ei革命-世界のエネルギー転換と日本:飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
・再エネと電力システム改革:工藤美香(自然エネルギー財団主席研究員・弁護士)
・パワーシフトの10年、再エネ新電力をめぐる状況と取り組み:吉田明子(パワーシフト・キャンペーン、FoE Japan)


2.消費者団体、生協、需要家から
村上千里(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会環境委員会副委員長)
中本純子(全国消費者団体連絡会政策担当)
亀山亜土(日本消費者連盟運営委員)
鈴木真奈美(あいコープみやぎ常勤理事)
東原晃一郎(グリーンコープ共同体顧問)
佐野めぐみ(生活クラブ生活協同組合)
奥田健太郎(パルシステム電力 新電力事業部長)
金子貴代(一般社団法人再エネ100宣言REAction協議会事務局長)

3.再エネ事業者の取り組みと展望
大石英司(株式会社UPDATER代表取締役)
小出浩平(陸前高田しみんエネルギー株式会社取締役会長)
長谷川諒(市民電力連絡会再エネいちば事務局)

司会:手塚智子(とっとり市民エネルギー代表)
【2026年5月22日掲載】

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