酪農を未来へつなぐ 外国産に頼らない飼料づくり


飼料作物の収穫
生活クラブのパスチャライズド牛乳や乳製品用の生乳をつくってきた千葉県の指定酪農家の団体は1月に合併し、千葉北部酪農農業協同組合(以下、千葉北部酪農協)となりました。持続可能な酪農をめざし、地域で飼料を生産する活動を始めました。
田んぼを活用 飼料自給への挑戦
「いすみ市には田んぼがたくさんあります。そこで飼料用の米やトウモロコシをつくれば飼料の自給率が高まり、将来も酪農を続けられると思うのです」と、千葉北部酪農協・組合長の髙橋憲二さんは語ります。

出典:農畜産業振興機構 2025年
牛乳・乳製品の国内自給率は63%ですが、飼料の自給率を考慮すると29%と低いのが実情です(農畜産業振興機構 2025年)。円安も進み、輸入に頼る飼料をいかに自給するかが酪農の大きな課題となっています。
千葉北部酪農協は米農家と提携して飼料用米を作ってもらうほか、収穫後の田んぼを借りてトウモロコシを栽培しています。また稲を発酵させた粗飼料の生産など、飼料づくりを進めています。いすみ市では高齢で後継者がいない米農家が増えているため、田んぼでの飼料づくりは地域の環境保全にもつながっています。
千葉北部酪農協は米農家と提携して飼料用米を作ってもらうほか、収穫後の田んぼを借りてトウモロコシを栽培しています。また稲を発酵させた粗飼料の生産など、飼料づくりを進めています。いすみ市では高齢で後継者がいない米農家が増えているため、田んぼでの飼料づくりは地域の環境保全にもつながっています。

髙橋 憲二さん

髙橋憲二さんの牧場では、近郊の酒造会社から出る酒粕やビール粕なども飼料に利用。飼料の約8割を地域でまかなっている

飼料用米はもみを取り、粉砕して牛に与える
「令和の酪農危機」合併で力を結集

54頭の乳牛の世話を毎日行なう伊藤さん
2022年、ウクライナ戦争の影響などで飼料が高騰し、「令和の酪農危機」とも言える状況となりました。高齢化の影響もあり、千葉県の指定酪農家の団体「新生酪農クラブ」は、ピーク時の約60戸から7 戸に減りました。
そこで同じように遺伝子組み換えの混入を防ぐために分別した飼料を使い、他生協向けのパスチャライズド牛乳用の生乳をつくってきた千葉北部酪農協の6 戸と合併。13戸で新たな千葉北部酪農協を結成しました。伊藤裕介さんは「年齢が近い仲間ができた。悩んだ時などはわかり合える仲間と話すことが重要」と期待を寄せます。
生産された生乳は新生酪農(株)千葉工場に届けられ、消費材のヨーグルトやアイスクリームになります。
生産された生乳は新生酪農(株)千葉工場に届けられ、消費材のヨーグルトやアイスクリームになります。

伊藤 裕介さん
新鮮な生乳からつくられる組合員に人気の乳製品
生乳100%ヨーグルトは、eくらぶ・アプリのクチコミで「風味豊かでまろやかな口当たり」などと好評です。バニラアイスは「このアイスを食べるために生活クラブを続けている」などのクチコミも。千葉北部酪農協の各酪農家は工場から30km以内にあり、工場は毎日集乳して新鮮な生乳を原料に製造しています。髙橋憲二さんは「責任重大だが、つくりがいがある」と語ります。
生乳をおいしく食べていくことも酪農の未来につながるのです。
生乳をおいしく食べていくことも酪農の未来につながるのです。

バニラアイス

生乳100%ヨーグルト

千葉北部酪農協のみなさん。左から伊藤裕介さん、大塚優(まさる)さん、髙橋憲二さん、髙橋大地さん
提携生産者とつくりあげた、安心とおいしさのパスチャライズド牛乳と乳製品
提携生産者と牛乳工場を設立し、独自の厳しい基準に沿った生乳を72℃ 15秒間殺菌したパスチャライズド牛乳。同じ生乳をもとに乳製品をつくって食べることで、余さずに活用しています
提携生産者と牛乳工場を設立し、独自の厳しい基準に沿った生乳を72℃ 15秒間殺菌したパスチャライズド牛乳。同じ生乳をもとに乳製品をつくって食べることで、余さずに活用しています

★生活クラブ食べるカタログ 2026年7月2回(27週)より転載しました。
【2026年6月22日掲載】