【日藝×生活クラブ】今回のテーマは「生活クラブのお米」2026年度の産学連携プロジェクトがスタート

庄内みどり農業協同組合 遊佐町遊佐町共同開発米部会・今野修さんの圃場を見学

2026年度のテーマは「生活クラブのお米」
ジャーナリズム専攻の学生らが生産者を取材
生活クラブ連合会は、日本大学芸術学部(以下、日藝)と2023年より産学連携プロジェクトを実施しています。
4年目となる2026年度のテーマは「生活クラブのお米」。
生活クラブが生産者とともに実施してきた、約50年前から生産者とともに実施してきた「共同開発米※」づくりの取組みを、日藝の学生が取材し、学びを深め、その内容を学生ならではのアイディアで表現します。
近年、消費者の米離れや農家の高齢化がすすみ、米を取り巻く環境が大きく変化しています。気候危機による収量の減少など、さまざまな要因が重なったなかで2025年に発生した「令和の米騒動」は、社会的に関心の高い出来事となり、学生など若い世代にとっても例外ではありません。
未来の食の持続可能性を考える上で、避けて通れない課題として、米づくりの実情について学生自身が学び、さらに多くの人に知ってもらうため、お米をテーマとしました。
本プロジェクトでは、山形県庄内地域の米生産者、JA庄内みどり遊佐町共同開発米部会の協力のもと、「庄内遊YOU米」が育ち、収穫されるまでの過程を数回にわたって取材します。
この記事では、学生たちによる最初の取材の様子をリポートします。
※生活クラブの4つの提携産地(山形・栃木・長野・宮城)と組合員がともにつくっているお米。その土地の気候や土壌にあった品種を選び、一般的な基準よりも厳しい生活クラブ独自の基準で育てています。
4年目となる2026年度のテーマは「生活クラブのお米」。
生活クラブが生産者とともに実施してきた、約50年前から生産者とともに実施してきた「共同開発米※」づくりの取組みを、日藝の学生が取材し、学びを深め、その内容を学生ならではのアイディアで表現します。
近年、消費者の米離れや農家の高齢化がすすみ、米を取り巻く環境が大きく変化しています。気候危機による収量の減少など、さまざまな要因が重なったなかで2025年に発生した「令和の米騒動」は、社会的に関心の高い出来事となり、学生など若い世代にとっても例外ではありません。
未来の食の持続可能性を考える上で、避けて通れない課題として、米づくりの実情について学生自身が学び、さらに多くの人に知ってもらうため、お米をテーマとしました。
本プロジェクトでは、山形県庄内地域の米生産者、JA庄内みどり遊佐町共同開発米部会の協力のもと、「庄内遊YOU米」が育ち、収穫されるまでの過程を数回にわたって取材します。
この記事では、学生たちによる最初の取材の様子をリポートします。
※生活クラブの4つの提携産地(山形・栃木・長野・宮城)と組合員がともにつくっているお米。その土地の気候や土壌にあった品種を選び、一般的な基準よりも厳しい生活クラブ独自の基準で育てています。
産地の取組みから学ぶ
「生活クラブのお米」
「庄内遊YOU米」の圃場取材
5月31日〜6月1日にかけて、日藝の学生4名(文芸学科2名、写真学科2名)が山形県遊佐町を訪問しました。
遊佐町のある山形県庄内地域は、長年にわたり組合員と生産者が交流を重ね、「遊YOU米」や農産物、豚肉などの生活クラブの消費材を生産している重要な産地です。
学生たちは、遊YOU米の生産者である、庄内みどり農業協同組合 遊佐町共同開発米部会 事務局長・池田恒紀さんと、同部会の会長・今野修さんの圃場を訪れ、田植え直後の圃場の様子を見学しました。
事務局長を務める池田さんは、生産者として米づくりをするとともに、生活クラブの生産者交流会などの取組みを通して、生産現場と消費者をつなぐ活動も行なっています。
取材では、遊YOU米の栽培基準や、農薬・化学肥料をできるだけ減らす米づくりの工夫、生産者の高齢化にともなう農地の大規模集約化、中山間地で米づくりを続ける難しさなどについて説明されました。
そして、池田さんは自身の農業への思いを次のように話しました。
「農業は『誰に食べてもらうか』が大きな意味を持っています。生活クラブの組合員のようにしっかりとした意見を持つ消費者と直接交流し、現場を見てもらい、その意見を聞きながら翌年の生産に活かしていく。そうした関係が農業のモチベーションにもつながっているからこそ、単につくって終わりではなく、その後の関係づくりまで含めて農業だと考えています。」
5月31日〜6月1日にかけて、日藝の学生4名(文芸学科2名、写真学科2名)が山形県遊佐町を訪問しました。
遊佐町のある山形県庄内地域は、長年にわたり組合員と生産者が交流を重ね、「遊YOU米」や農産物、豚肉などの生活クラブの消費材を生産している重要な産地です。
学生たちは、遊YOU米の生産者である、庄内みどり農業協同組合 遊佐町共同開発米部会 事務局長・池田恒紀さんと、同部会の会長・今野修さんの圃場を訪れ、田植え直後の圃場の様子を見学しました。
事務局長を務める池田さんは、生産者として米づくりをするとともに、生活クラブの生産者交流会などの取組みを通して、生産現場と消費者をつなぐ活動も行なっています。
取材では、遊YOU米の栽培基準や、農薬・化学肥料をできるだけ減らす米づくりの工夫、生産者の高齢化にともなう農地の大規模集約化、中山間地で米づくりを続ける難しさなどについて説明されました。
そして、池田さんは自身の農業への思いを次のように話しました。
「農業は『誰に食べてもらうか』が大きな意味を持っています。生活クラブの組合員のようにしっかりとした意見を持つ消費者と直接交流し、現場を見てもらい、その意見を聞きながら翌年の生産に活かしていく。そうした関係が農業のモチベーションにもつながっているからこそ、単につくって終わりではなく、その後の関係づくりまで含めて農業だと考えています。」

「それぞれの田んぼに表情(多様性)があるのは、生産者がその土地にあわせようと試行錯誤した結果なのです」と説明する池田さん(右から2番目)。
同部会で会長を務める今野さんは、「庄内遊YOU米」の生産者代表として、米づくりを次の世代につなぐためのしくみづくりに取り組んでいます。アイガモロボなどのICT技術の活用や飼料用米の試験栽培も、その取組みの一環としてすすめています。
取材では、学生たちに平地と中山間地それぞれの圃場を案内しながら、肥沃度や作業のしやすさなど条件の違いによる米づくりの難しさや、地域の米生産を持続可能にするための取組みについて説明されました。
そして、次のように話しました。
「今は、いいものをつくるだけでは成り立たない時代です。農業を続けていくには、農業者である前に経営者である必要があります。でも、一人だけが成功しても意味がありません。地域として米づくりを続けていくためには、“点”ではなく“面”で、地域全体で生き残っていくことが必要だと考え、飼料用米の試験栽培など、実験的な取組みにもチャレンジしています。」
同部会で会長を務める今野さんは、「庄内遊YOU米」の生産者代表として、米づくりを次の世代につなぐためのしくみづくりに取り組んでいます。アイガモロボなどのICT技術の活用や飼料用米の試験栽培も、その取組みの一環としてすすめています。
取材では、学生たちに平地と中山間地それぞれの圃場を案内しながら、肥沃度や作業のしやすさなど条件の違いによる米づくりの難しさや、地域の米生産を持続可能にするための取組みについて説明されました。
そして、次のように話しました。
「今は、いいものをつくるだけでは成り立たない時代です。農業を続けていくには、農業者である前に経営者である必要があります。でも、一人だけが成功しても意味がありません。地域として米づくりを続けていくためには、“点”ではなく“面”で、地域全体で生き残っていくことが必要だと考え、飼料用米の試験栽培など、実験的な取組みにもチャレンジしています。」

「農業を次世代につなげていくため、自分自身も若者世代にも『農家になりたい』と思ってもらえるような農家をめざしています」と語る今野さん。

今野さんの圃場では、庄内自然エネルギー基金の助成を受け、除草用のアイガモロボの実験導入をしています。共同開発米部会では、米づくりを未来につなげるため、ICTなど新しい技術の活用にも挑戦しています。(撮影:日本大学芸術学部写真学科4年・永縄健太)

今野さんの倉庫にて。田植え機の運転席に座った学生たちは、1台約500万円という金額にも驚いていました。
遊佐中央カントリーエレベーターの取材
収穫後の米がどのような過程を経て消費者のもとに届くのかを学ぶため、米の乾燥や出荷までの保管を担う「遊佐中央カントリーエレベーター」を訪れました。
学生たちは、熱風で乾燥させた後、高性能CCDカメラと近赤外線カメラを搭載した色彩選別機で選別された米を見学しました。米が収穫後すぐに精米されるわけではなく、乾燥・選別・貯蔵などの工程を経てから精米されることを学びました。
収穫後の米がどのような過程を経て消費者のもとに届くのかを学ぶため、米の乾燥や出荷までの保管を担う「遊佐中央カントリーエレベーター」を訪れました。
学生たちは、熱風で乾燥させた後、高性能CCDカメラと近赤外線カメラを搭載した色彩選別機で選別された米を見学しました。米が収穫後すぐに精米されるわけではなく、乾燥・選別・貯蔵などの工程を経てから精米されることを学びました。

遊佐中央カントリーエレベーター。圃場で刈り取った稲をもみの状態でこちらに運び、乾燥させ保管しています。

色彩選別機を通った後の米を見学する学生。収穫された米は、色彩選別機によって着色した米や異物などが取り除かれ、出荷に向けて品質が整えられます。

屋根に設置した896枚のソーラーパネルによって、年間約15万6000キロワットの電力を創出。施設内で利用するほか、余剰分は売電しています。
たい肥製造施設の取材
米づくりを支える「土づくり」を学ぶため、学生たちはたい肥製造施設にも足を運びました。
庄内地域では、家畜のふん尿などを堆肥化して農地へ還元する「地域内資源循環」がすすめられ、生活クラブの提携生産者である平田牧場で排出される豚のふん尿も、遊YOU米の圃場で堆肥として活用されています。
学生たちは、米づくりは田んぼだけで完結するのではなく、地域で資源を循環させるしくみによって支えられていることを学びました。
米づくりを支える「土づくり」を学ぶため、学生たちはたい肥製造施設にも足を運びました。
庄内地域では、家畜のふん尿などを堆肥化して農地へ還元する「地域内資源循環」がすすめられ、生活クラブの提携生産者である平田牧場で排出される豚のふん尿も、遊YOU米の圃場で堆肥として活用されています。
学生たちは、米づくりは田んぼだけで完結するのではなく、地域で資源を循環させるしくみによって支えられていることを学びました。

写真左から完熟前の豚糞、豚尿、完熟後のたい肥。化学肥料だけに頼らず有機堆肥を使うことで、圃場の土を健全に保つことができるなど、双方の生産者にメリットのある取組みです。

完熟後のたい肥を手に取り、感触を確かめる学生たち。
生産者の出張授業の様子を取材
6月2日には、生産者が米づくりについてどのように発信しているかを学ぶため、豊島区の小学校で生産者が行なった出張授業を取材しました。
遊佐町と豊島区は、2004年に友好都市協定を締結し、教育をはじめとするさまざまな分野で交流を深めてきました。
遊佐町共同開発米部会では、その交流事業の一環として、次世代を担う子どもたちに米づくりへの関心を高めてもらうことを目的に、豊島区の小学5年生を対象とした体験型授業を実施しています。
池田さんは、子どもたちに苗を見せながら次のように語りかけました。
「これは遊佐町の田んぼに植えるものと同じ苗です。これからみなさんにも田植えをしてもらいます。地域によって成長の仕方が違うので、その違いをよく観察してみてください」
田植えが始まると、子どもたちはためらうことなく田んぼに入っていきました。その様子を見た日藝の学生は、「田んぼに入るのを嫌がる子もいるのかなと思っていましたが、みんな積極的に入っていて、こういう子たちが米づくりについて知ってくれることに、頼もしい印象を受けました」と話しながら、子どもたち一人ひとりにインタビューをしていました。
6月2日には、生産者が米づくりについてどのように発信しているかを学ぶため、豊島区の小学校で生産者が行なった出張授業を取材しました。
遊佐町と豊島区は、2004年に友好都市協定を締結し、教育をはじめとするさまざまな分野で交流を深めてきました。
遊佐町共同開発米部会では、その交流事業の一環として、次世代を担う子どもたちに米づくりへの関心を高めてもらうことを目的に、豊島区の小学5年生を対象とした体験型授業を実施しています。
池田さんは、子どもたちに苗を見せながら次のように語りかけました。
「これは遊佐町の田んぼに植えるものと同じ苗です。これからみなさんにも田植えをしてもらいます。地域によって成長の仕方が違うので、その違いをよく観察してみてください」
田植えが始まると、子どもたちはためらうことなく田んぼに入っていきました。その様子を見た日藝の学生は、「田んぼに入るのを嫌がる子もいるのかなと思っていましたが、みんな積極的に入っていて、こういう子たちが米づくりについて知ってくれることに、頼もしい印象を受けました」と話しながら、子どもたち一人ひとりにインタビューをしていました。

子どもたちを前に、自身が育てた苗を見せながら説明する池田さん。

共同開発米部会・遊佐町地域おこし協力隊・遊佐町役場の職員の指導のもと、生徒たちは田植えを行ないました。

日藝の学生は、田植えを終えた生徒たちに質問を投げかけます。
生産者の取組みを知り、今後の学びへ
取材に参加した学生からコメントが寄せられました。
遊佐の取材に参加
写真学科3年・内田匠優(うちだ なるひろ)さん
「親が生活クラブの組合員で、子どもの頃から『庄内遊YOU米』を食べて育ちました。初めて産地を訪問し、ICTの導入の難しさや高齢化の問題などの話を聞いて、自分がイメージしていた以上に産地は厳しい状況なんだと感じました。米をつくり続けるために生産者のみなさんは大変な労力を払っているのに、世間的に米という作物が身近過ぎてありがたみが失われていて、『つくってくれて、あって当たり前』という風潮があるのではないかと疑問に思いました」
小学校への取材に参加
文芸学科3年・小澤伽奈(おざわ かな)さん
「生活クラブとのプロジェクトに参加したのは、2025年の米騒動がきっかけです。一人暮らしをするなかで、価格が高くて自分では米を買えず、社会的におかしなことが起きているという違和感を持ち、まずは知ることから始めようと思いました。今後の取材を通してお米のことを学んでいきたいです」
2026年の産学連携プロジェクトでは、学生たちが1年を通して、「庄内遊YOU米」の生産者を取材します。今後、学生たちは取材で得た学びを、それぞれの視点から文章や写真などの作品にまとめていきます。2027年3月には、制作物と取材の成果を組合員へ発表する予定です。次回は、プレゼンテーションの様子をレポートします。どうぞご期待ください。
★日藝との産学連携プロジェクトについては、生活クラブ連合会公式SNSでも情報を発信しています。
遊佐の取材に参加
写真学科3年・内田匠優(うちだ なるひろ)さん
「親が生活クラブの組合員で、子どもの頃から『庄内遊YOU米』を食べて育ちました。初めて産地を訪問し、ICTの導入の難しさや高齢化の問題などの話を聞いて、自分がイメージしていた以上に産地は厳しい状況なんだと感じました。米をつくり続けるために生産者のみなさんは大変な労力を払っているのに、世間的に米という作物が身近過ぎてありがたみが失われていて、『つくってくれて、あって当たり前』という風潮があるのではないかと疑問に思いました」
小学校への取材に参加
文芸学科3年・小澤伽奈(おざわ かな)さん
「生活クラブとのプロジェクトに参加したのは、2025年の米騒動がきっかけです。一人暮らしをするなかで、価格が高くて自分では米を買えず、社会的におかしなことが起きているという違和感を持ち、まずは知ることから始めようと思いました。今後の取材を通してお米のことを学んでいきたいです」
2026年の産学連携プロジェクトでは、学生たちが1年を通して、「庄内遊YOU米」の生産者を取材します。今後、学生たちは取材で得た学びを、それぞれの視点から文章や写真などの作品にまとめていきます。2027年3月には、制作物と取材の成果を組合員へ発表する予定です。次回は、プレゼンテーションの様子をレポートします。どうぞご期待ください。
★日藝との産学連携プロジェクトについては、生活クラブ連合会公式SNSでも情報を発信しています。
【2026年7月7日掲載】