【連載】キタノチカラウシが食卓に届くまで─第2回 飼料をつくり、寝床を整え、ていねいに育てる


生産者の武内創さん。祖父の代から続く牧場を受け継いでいます
生活クラブの牛肉「キタノチカラウシ」は、乳牛(ホルスタイン)から生まれたオス牛を育てた、肉の旨みがギュッと詰まった食べごたえのある赤身の牛肉です。飼育から加工までを提携生産者の北海道チクレン農業協同組合連合会(以下、チクレン)が一貫管理しています。
今回は、北海道豊頃(とよころ)町にある肥育農家の武内牧場で、365日休むことなく牛と向きあっている姿勢やその想いについて紹介します。
撮影:日本大学芸術学部産学連携プロジェクト2025年
牛の食性にあわせた飼料づくり
生活クラブとチクレンでは、牛本来の食性を大切にしながら健康に育てることを重視し、牧草やサイレージ(※)など「粗飼料」を主体にした飼料をあたえることを決めています。粗飼料や飼料用米は100%北海道産です。牛のたい肥を活用しながら飼料を育てる循環の仕組みをつくり、国産飼料の割合を高めています。
※ 牧草やトウモロコシなどの飼料原料を発酵させたもの
※ 牧草やトウモロコシなどの飼料原料を発酵させたもの

飼料をつくり工夫して与える
生まれたばかりの小さな子牛を大きく育てて肉牛として出荷するまでには、1年半以上の時間がかかります。その間、牛のストレスをできるだけ軽減し、健康に育てることが大切です。
肥育農家のひとつである武内牧場では、生後一週間ほどの子牛を購入し、体重800キロ近くになる生後19ヶ月ごろまで育てて出荷しています。粗飼料となる牧草は広大な土地で栽培し、収穫した牧草をそのままロール状にしたり、発酵させたりしたものをストックして、月齢や体調にあわせて牛に与えています。
牧草は、同じものでも収穫時期によって硬さや栄養価が変わってきます。牛によって食べ方や好みに違いがありますが、ずっと同じものでは飽きてしまうことも。そのため、臨機応変に牧草の種類を変えるなど、成長を止めないように、しっかり食べさせるための工夫が欠かせません。
肥育農家のひとつである武内牧場では、生後一週間ほどの子牛を購入し、体重800キロ近くになる生後19ヶ月ごろまで育てて出荷しています。粗飼料となる牧草は広大な土地で栽培し、収穫した牧草をそのままロール状にしたり、発酵させたりしたものをストックして、月齢や体調にあわせて牛に与えています。
牧草は、同じものでも収穫時期によって硬さや栄養価が変わってきます。牛によって食べ方や好みに違いがありますが、ずっと同じものでは飽きてしまうことも。そのため、臨機応変に牧草の種類を変えるなど、成長を止めないように、しっかり食べさせるための工夫が欠かせません。

広大な牧草地から収穫した牧草は、ロール状に加工されストックします

牛の体調や好みにあわせて牧草を与えています
生産者の武内創さんは、「牛たちは子どもと同じ。好き嫌いもするし、牧草をどうにか食べさせたい」と話します。収穫した牧草を無事に食べてくれると、安堵感とともに「来年にどう備えるか」という思いも感じるといいます。

寝床を月齢によってかえる
牛の成長には牛が快適に過ごせる環境整備も欠かせません。武内牧場では、一般的な牛舎よりも広いスペースを確保し、毎日清掃を行なって清潔な状態を保っています。寝床に敷く敷料(しきりょう)は、大きな牛には「戻し堆肥」というリサイクルされた堆肥を、子牛の時期には木の皮を細かく砕いたものやおがくずなどを使用しています。このように、月齢にあわせて環境を変えることで、ストレスをできるだけ軽減しています。
365日の積み重ねがおいしい牛肉につながる
毎日の観察、飼料づくり、牛舎の清掃など、牛たちの世話に終わりはなく、365日休みなく続きます。「大変なことはたくさんありますが、うちの牛肉が届いた人が『いただきます』『おいしい』って言ってくれたらうれしい」と武内さんは語ります。
日々の食卓に届く牛肉の背景には、生産者が牛を想い、365日向きあい続ける積み重ねがあります。飼料や飼育環境、一頭一頭の様子を見て、心を配り、世話をすること。それが牛の健康へとつながり、おいしい牛肉となっているのです。
日々の食卓に届く牛肉の背景には、生産者が牛を想い、365日向きあい続ける積み重ねがあります。飼料や飼育環境、一頭一頭の様子を見て、心を配り、世話をすること。それが牛の健康へとつながり、おいしい牛肉となっているのです。

北海道豊頃町にあるチクレンの肥育牧場。ホルスタインのオス牛を肉牛として育てており、生後一週間の子牛から18ヶ月まで、あらゆる月齢の牛521頭を飼育しています(2025年8月末時点)。牧場には牛の月齢にあわせて環境を整えた7つの牛舎があります。

生活クラブ×日本大学芸術学部
生活クラブでは、2023年から日本大学芸術学部の学生と産学連携プロジェクトを実施しています。2025年のテーマは「国内自給」。生活クラブの牛肉の生産者・北海道チクレンと畜産農家のもと、牛肉づくりの現場について、全4 回でお届けします(学生たちが取材した内容を基に一部編集しています)。
[生活クラブ✕日藝]産学連携プロジェクト
★『生活クラブOPINION 』 2026年9月2回(36週) 掲載記事を転載しました。
生活クラブでは、2023年から日本大学芸術学部の学生と産学連携プロジェクトを実施しています。2025年のテーマは「国内自給」。生活クラブの牛肉の生産者・北海道チクレンと畜産農家のもと、牛肉づくりの現場について、全4 回でお届けします(学生たちが取材した内容を基に一部編集しています)。
[生活クラブ✕日藝]産学連携プロジェクト
★『生活クラブOPINION 』 2026年9月2回(36週) 掲載記事を転載しました。
【2026年8月24日掲載】
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