「できるだけ大勢に会ってじかに話す」 エッコロたすけあい制度導入(生活クラブ静岡)
【連載】福祉を動かすキーパーソン
エッコロ推進リーダー 平山和美(静岡県)

平山和美さん
――静岡単協で、福祉はどのように進めていますか?
静岡単協としての福祉といえば、2026年10月にスタートする「エッコロたすけあい制度*」です。そこに向けて理解と共感をひろげています。
*生活クラブ生協で各単協ごとに運営する、組合員どうしが日常の困りごとを支え合うための独自のたすけあい制度。加入者が毎月少額の掛金を出し合い、その資金をもとに組合員相互のたすけあいや地域福祉活動を支えています。
―――どんな役割で動いていらっしゃいますか?
福祉たすけあい委員が推進リーダーになって、一緒に、多くの組合員と会う学習会や班会を開いて説明しています 。説明に使う資料の印刷や、推進リーダーの交通費などは共済連からの助成をいただき、応援していただいて感謝しています。
――― この福祉活動に関わるようになったきっかけは何でしたか。
2019年の連合会の福祉事業政策や福祉8原則に沿ってなにかやろうという気運が生まれました。
いま、できることは何だろうと「福祉サロン」で意見を出し合い、まず居場所作りをめざそうということになり、「キープステーション*」にとりくむ支部が複数でてきました。
*配達日にいつでも取りに行ける場所。居場所的に立ち寄れるようにしているところもあります。現在、御殿場、三島、沼津(センター内)が稼働中。
その後、2022年に福祉たすけあい委員会をたちあげて、福祉事業支援の助成金をいただいて、他単協の取り組みを見学しに行きました。生活クラブ長野の岡谷センターのクラブステーションや、生活クラブ山梨の「たねまき基金」、生活クラブ埼玉のTハウスなどです。
そのなかで、私たちにできることは何だろう?と話し合い、地域に貢献する活動よりもまず組合員の中でのたすけあいから始めようということで、エッコロに取り組むことになりました。他単協の制度を参考にして、基本的なたすけあいに加えて静岡では「リフレッシュ」「節目祝い」といったものを入れました。
「リフレッシュ」とは、「子育て中(小学校6年以下)の加入者本人がエッコロ加入者にケアしてもらった時のケア」「加入者本人の子どもへのケア中の家事援助(家事全般・子どもの見守り)」「加入者本人のリフレッシュの際の子どもの見守り(買い物・美容院・映画鑑賞・散歩など)」「障がいを持つ家族や介護を必要とする家族を持つ加入者本人へのケア」などといった事由を想定したものです。また、「節目祝い」とは、「加入者本人の出産時」「加入者本人の子どもの入園、入学時(小学校入学まで)」「加入者本人が誕生日を迎えた時(10歳単位)」といったものへ支払いを行うものです。
24年の総代会で承認されて準備がはじまり、プロジェクトチームが13回会議をかさねて制度案を作りました。25年から26年にかけてできるだけ大勢に会って話すための学習会や班会を重ねてきています。7月現在90班の班会に参加、学習会などあわせて433人の方に会って話ができました。
「困った時に消費材を届けてもらえると助かる」「ワンオペで育児をしているので、具合が悪いときにお願いしたい」「旅行中の犬の世話とか庭の水やりとかで使ってもいいのね!」などさまざまな感想をいただいています。

―――活動の中で、特に大切にしていることは何ですか。
できるだけ多くの組合員にじかに会ってエッコロの意義を共有すること、組合員の意見を拾いながら自分たちが作って利用する制度だと理解し共感してもらうことが大事だと思っています。
―――活動を続ける中で、一番うれしかった場面や心に残っているエピソードは何ですか。
他の地域でエッコロを利用した経験がある方が「やっとできてうれしい!」と言ってくれたことや、自分は実際のケアをする力がないけれど、加入することでどこかの誰かの手助けができるのはうれしい、と言ってもらえたことなどです。
――― 逆に、つらかったり迷ったりした経験はありますか。そのときどのように感じ、どう対処しましたか。
以前エッコロを導入するか話題になった時に見送ったことがあったため、「なぜ今さら、また?」という質問がありました。 当時は、班でうまくいっていてたすけ合えているから不要という意見が多かったけれども、これからは孤立する人が増えて必要になってくることを伝えました。
―――これから、この福祉活動をどのようにしていきたいですか。今後挑戦したいことや、実現したいことは何ですか。
エッコロたすけあい制度が定着し、多くの人に利用してほしいです。その先に、地域で必要なこと、たとえば居場所のような活動が生まれてくることを期待しています。
―――福祉活動に関心を持っている人に、伝えたいメッセージがあれば教えてください。
福祉という言葉から、高齢者や障がいがある人だけのもののように思いがちかもしれませんが、もっと広くとらえて、だれもが暮らしやすい地域を自分たちで作っていきましょう。
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