エネルギーの自治をめざして生活クラブが電力小売会社の設立を決定
私たちの暮らしはもちろん、生産や物流などに電気は欠かすことができません。
生活クラブでは、原子力発電のように人々の暮らしを危険にさらすことによってエネルギーを得るのではなく、太陽や風、水や森などの地域にある資源からエネルギーをつくる仕組みづくりを生産者とともに模索してきました。
いよいよ今年度、電力小売会社「株式会社 生活クラブエナジー」の設立、太陽光発電所2か所(群馬県・栃木県)の立ち上げ、そして、風力発電所(北海道)1か所の建設に参画することを、6月23日に開催した第25回通常総会で決定しました。エネルギーの自給をめざした歩みをすすめます。
▼電力小売会社(株)生活クラブエナジーを設立
今年10月に設立を予定する(株)生活クラブエナジーでは、再生可能エネルギーが生み出す電力を購入し、需給バランスを調整したうえで、生活クラブの事業所や提携生産者の一部施設へ電力を供給する事業の開始にむけ準備をすすめています。また、電力の小売全面自由化を視野にいれ、組合員宅へ電気を届けるとともに、組合員宅に設置された太陽光発電から電力を買い取るしくみの準備をすすめます。
▼太陽光と風力の発電所を建設
今年度は、鶏卵の生産者である(株)生活クラブたまごの遊休地を活用し、群馬県と栃木県の2か所に太陽光発電所をつくります。その建設資金は、各地域の生活クラブ・生活クラブ連合会、地元の提携生産者からの出資や融資でまかないます。また、市民団体と連携して、北海道に風力発電所を建設します。
この取組みを通じて、再生可能エネルギーの産地と消費地がつながり、エネルギーの産地の地域経済や雇用促進への寄与をめざします。
【2014年度に建設する再生可能エネルギー発電所】
・生活クラブSOLAR 群馬発電所(群馬県前橋市 1,460kW)
・生活クラブSOLAR 栃木発電所(栃木県那須塩原市 1,600kW)
・厚田「風力協同計画」(北海道石狩市 4,000kW)
福島第一原発事故による広範囲に及ぶ放射能汚染や、事故収束の難しさは事故から3年経った今もなお続いており、おおぜいの人の生活基盤を奪いました。私たちは再生可能エネルギーの発電・供給・売電の事業を市民自ら取り組むことで、いまの原発のない社会のあり方をめざし、次世代に負荷をかけない持続可能な社会のモデルを創りだしていきます。