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農業をあこがれの仕事に 西日本ファーマーズユニオン セロリ生産者 鳥越農園ネットワーク【セロリ】


福岡県赤村にある鳥越農園ネットワークの副代表、鳥越耕輔さんは30代の農業後継者。魅力ある仕事として農業が社会に広がっていくことをめざす。

鳥越農園ネットワーク代表の鳥越和廣さん「はじめは数字が間違ってるのかと思ったよ」と鳥越農園ネットワーク代表の鳥越和廣さん。
2011年に国の有機農業推進事業の一環で、栽培したセロリの栄養分析を日本冷凍食品検査協会に依頼、結果を目にした時のことだ。ビタミン、ミネラルなどほとんどの栄養素が「日本食品標準成分表」にあるセロリの数値を上回り、ベータカロチンに至っては16倍もの値が報告された。栽培時期のちがいや個体差は、もちろんある。数字だけで評価されることへの疑問もあった。

それでも和廣さんは「努力したことが結果としてどう反映されるか、若い就農者に目に見える形で示せたことがうれしい」と目を細めた。

劇的に変わったセロリ

鳥越農園ネットワーク副代表の鳥越耕輔さん鳥越農園がセロリの栽培を始めたのは10年ほど前。「栽培が難しく最初は失敗ばかりでした」と副代表の鳥越耕輔さんは振り返る。品種は市販によくあるクリーム色のセロリ、においやクセが少なく受け入れられやすい系統だが、病気や虫には弱い。農業技術も未熟だった。「一度病気にかかったらあっという間に広がり、いくら薬を使っても止めようがなかった」と言う。もうやめようと、代表の父・和廣さんと何度も話し合った。その結果、2人は「もう一度土づくりの原点に返り、3年間はやってみよう」との結論に至る。

化学肥料であれば約140キロほどの量を、2時間程度で土壌に施すことができるが、あえて約8トンの有機肥料を2~3日かけて入れ、品種は病気に強いグリーンセロリに変えた。同時期、耕輔さんは熊本県でトマトの有機栽培を成功させた知り合いを訪ね、虫の発生する周期に合わせた防除法や菌を使った防除法、肥料の設計など有機栽培をあらためて学んだ。

3年目、セロリは劇的に変わった。「モノがちがうんですよ。株ががっちり太くなり、これまでの有機栽培では約10アールのハウスで4~5トンしか収穫できなかったのに8トンにもなったんです」。その時の驚きと感動は今も忘れられないと言う。
 

努力した分、成果に

子どものころから農業が嫌で手伝いから逃げていたという耕輔さん。高校卒業後はプロボクサーをめざしテストに合格したものの、農園の転機に際して、悩んだ末に農業を継いだ。当初は「畝」の意味さえわからず、仕事がつらくてしかたがなかったが、徐々に農業の魅力に気付いていったという。

「熊本の知り合いを訪ねたときはカルチャーショックでした。慣行栽培ならマニュアルがあり農薬も使えるけど、有機は自分で考え工夫しなければなりません。でも、努力したらその分、結果が返ってくるのがおもしろいです」と今は農業の醍醐味を語る。父親の和廣さんには反発してしまうが、ほかの農業者の意見は素直に受け入れられるのも新鮮な発見だった。

農業はおもしろい

農業、特に有機農業の世界は、個々の農法へのこだわりが強い。和廣さんによれば「名人芸は名人と共に消えるのが普通」だと言う。しかし、鳥越農園や所属する農業者間のネットワーク「西日本ファーマーズユニオン」では、農法、作業記録をすべてオープンにして学び合う。

今の農業現場では、リタイアしていく側のスピードが圧倒的に早く、新規就農が追いつかない。そうしたなか、素人同然の若者に早く教えるためには、職人の流儀ではとても間に合わないのが現実だという。

「持続可能な農業って、環境や資源もあるけれど、何より人の問題が大きいんですよ」と和廣さん。次世代まで農業を続けていくには、組織的に、体系的に人材を育てるしくみづくりが急務と力説する。それが西日本ファーマーズユニオンを結成した目的のひとつでもある。

「もちろんできる人は個人でやってもいい。でも、僕らは一人で笑うよりみんなで笑ったほうがいいと思った。そのほうが結局は自分もハッピーになれるんだよ」と和廣さんは笑顔を見せた。

今、鳥越農園には、新規就農をめざす3人の若者が働く。雇用という形で畑作業に従事しながら、農園経営も共に学び、農業で生計を立てるための準備に励む。

耕輔さんは「将来、何になりたい?って聞いたとき、農業やりたいという子どもたちをどんどん増やしたいんです」と言う。こんなにおもしろい農業が、事業としてちゃんと成り立ち、もっと稼げるようになれば、おのずと社会に広がるはずだと考えている。


◆食べてよし使ってよしのセロリパワー!

子どもの嫌いな野菜ナンバーワンにあげられるセロリ。だが、鳥越農園ネットワーク代表、鳥越和廣さんは「生のまま食べるイメージが強いけど、セロリにはおいしい食べ方がたくさんある」と言う。甘みとコクがあるのがグリーンセロリの特徴。「うちのセロリはスジがほとんど気にならないから、スジとりの手間はいらないよ」と胸を張る。自らフライパンをふるい、おすすめ3品を紹介してくれた。

★セロリのツナあえ
緑が美しい鳥越農園のグリーンセロリ1. 斜め薄切りにしたセロリを1~2分ゆでる。
2. 水気を拭き取って、マヨネーズ、ツナ、ゆずこしょうであえる。

★セロリの甘酢漬け
1. 斜め薄切りにしたセロリ1キロ(12~15本分)を漬け物容器に入れ、氷砂糖250グラム、酢150cc、白だし150ccを入れる。
2. 重しをのせて一晩おく。お好みで食べるときに赤トウガラシ、ユズの皮などをいれる。

★セロリとベーコンの卵とじ
1. 斜め薄切りにしたセロリ、ベーコン、ミニトマトをさっと炒める。
2. 卵をまわしかけ、塩とこしょうで味を調える。

葉の栄養価も高いので捨てずに食べてほしいと和廣さん。おすすめは、天ぷら、つくだ煮、じゃこ炒めなど。鳥越家では、シュンギクと同じように鍋に入れることもあるという。

消臭に、ストレス解消に

ヨーロッパ原産のセロリは、もともと薬草や消臭剤として使われることが多かった。セロリ特有の香り成分「アピイン」には、神経を安定させる作用があり、不眠や疲労、頭痛にも効果を発揮するといわれる。また、料理のにおい消しの定番として使われ、消臭効果が高い。「セロリは実にいろいろに使える」と和廣さん。本当は食べてほしいけど、面倒ならこんな使い方も、とおすすめを二つ教えてくれた。

★お風呂でリラックス
葉をざく切りにしてガ-ゼの袋などに入れ、浴槽に。セロリの香り成分が神経を鎮め、心身共にリラックス。安眠にも導く。

★玄関やリビングに
葉つき部分を花瓶やコップに挿して玄関などに置けば、香りのリラックス効果と同時に、家の中の消臭効果も期待できる。

セロリ料理各種。ツナあえ(左上)、甘酢漬け(右上)、ベーコンの卵とじ(手前)

『生活と自治』2015年1月号の記事を転載しました。

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