遺伝子組み換え原材料を使わない製品・メーカーを応援しよう! ビール・飲料メーカーに組合員が電話で質問
遺伝子組み換え由来の原材料はビールには使われていませんが、多くの発泡酒ほか清涼飲料水等には使われていることが確認できました。
2015年3月、各地の生活クラブ生協の組合員が手分けして、大手ビールメーカー4社と複数の飲料メーカーに電話で問い合わせを行ない、遺伝子組み換え作物(GMトウモロコシ)由来の原材料使用状況について質問しました。その結果、全てのビール製品については、従来どおりGMトウモロコシは使われていないという回答が得られました。その一方、発泡酒・新ジャンル(「第3のビール」)・清涼飲料水などの多くに、GMトウモロコシ由来の原材料が使われていることが明確になりました。
(2015年7月16日掲載)
285件の電話で64品目について聞き取り
生活クラブは「遺伝子組み換え(GM)の作物、食品は扱わない」ことを基本としています。生活クラブが供給している食肉(豚・牛・鶏)についても、飼料は遺伝子組み換えでない(NON-GM)トウモロコシを使っています。
しかし米国では、GMトウモロコシの作付が広がり、2014年には全体の93%に上りました。厳しい状況のなか、NON-GMトウモロコシの重要な市場となり、その生産を支えてきたのが日本の大手ビールメーカーです。日本のビールには、副原料としてNON-GMトウモロコシから製造される「スターチ(コーンスターチ)」を使った製品が多いのです。
2014年、市民団体がビールメーカー4社にあててNON-GM原材料の使用を継続する予定かどうかをたずねる公開質問状を提出したところ、「GMに切り替えるかどうかは検討中」「決まっていない」など、各メーカーとも明確な回答はありませんでした。
【参考】市民団体による公開質問状とビールメーカーからの回答はこちら
「大手ビール会社4社から回答がとどきました 2014年12月6日 たねと食とひと@フォーラム」
「コーンスターチに関するビール会社からの回答 2014年8月19日 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」
(いずれも生活クラブ連合会のサイト外に移動します)
この回答に不安を覚えた全国の生活クラブの組合員のべ285人が、ビール・飲料メーカーの消費者窓口(「お客様相談室」など)に電話をかけ、合計64品目について聞き取りを行ないました。
ビール・発泡酒・清涼飲料などの製品ごとに、GMトウモロコシ由来の原材料が使われているかどうか、今後使う予定があるかを質問しました。また、質問するだけではなく、原材料にはNON-GMトウモロコシ(由来)の原材料を使い続けてほしいという気持ちを伝えました。
ビールは遺伝子組み換えトウモロコシ不使用
電話質問の回答からは、ビールについては各メーカーとも引き続きGMトウモロコシ由来の原材料を使っていないことが確認できました。
一方で、発泡酒と新ジャンル(「第3のビール」)の多くの銘柄で、原材料の一部(糖類)について「GM不分別」の原料由来であることが確認されました(GMトウモロコシ由来の可能性)。メーカーによっては、個別の製品については説明していただけず、製品全体に対して「主原料」あるいは「表示義務のあるもの」はGM作物由来の原材料を使っていない、という回答だったため、「糖類」「スターチ」がGMトウモロコシ不使用である確認ができなかったケースもあります。
また、複数のメーカーの清涼飲料水についても、GMトウモロコシ由来の原材料を使っていることが確認できました。
生活クラブは今後も引き続き、GMトウモロコシ由来の原材料を使わない製品・メーカーを応援します。また、これからもGM作物由来の原材料を使わないよう、メーカーに働きかけていきます。
GM由来原材料使用についての電話聞き取り調査 実施の概要
【調査時期】 2015年2月~3月
【対象】 大手ビールメーカー、他の飲料メーカー
【調査方法】 製品やHPに記載のある各メーカーの電話窓口(お客様相談室等)へ電話
【調査者概要・のべ人数】 各地の生活クラブ生協の組合員。延べ285人
【電話総件数】 285件
調査に参加した組合員の声から
- ●ビールの原料はすべて、生産・流通・加工の段階で分別管理されているそうで安心しました。
- ●メーカーには、子供が安心して飲むことができる商品を作ってくださいと伝えましたが、子供がふだん飲んでいる飲み物に入っている可能性があるとは思わなかったので、ショックでした。
- ●メーカーによっては、個別の商品についての質問には対応しておらず、ビール・発泡酒・新ジャンル全体の回答とのことでした。なんだかあやふやで、この先心配です。
(2015年7月16日掲載)