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遺伝子組み換えサケの承認と流通に強く反対します 生活クラブ生協連合会とアメリカの市民団体が共同声明を

アメリカ・食品医薬品局(FDA)は11月19日、成長速度が速くなるように遺伝子を操作された遺伝子組み換えサケ(GMサケ)の食品としての流通を承認しました。これに対し生活クラブ生協連合会は、アメリカで遺伝子組み換え食品の問題に長年取り組んできた市民団体「食品安全センター」とともに、GMサケの承認と流通に反対する共同声明を発表しました。

※GM =Genetically Modified 遺伝子組み換えされた


11月19日、アメリカ・食品医薬品局(FDA)は、遺伝子組み換えサケ(GMサケ)の食品としての流通を承認しました。このGMサケは、アメリカのベンチャー企業・アクアバウンティ社が開発したもので、キングサーモンの成長遺伝子と「ゲンゲ」というウナギに似た魚の遺伝物質を組み合わせた遺伝子を、タイセイヨウサケの卵に注入して産み出されます。通常のサケの倍の速度で成長するため効率的な生産が可能になる、とされています。カナダで採卵されパナマの養殖池で生産するとされています。
 FDAはこのGMサケを「食べても安全」として承認しました。FDAによるとGMサケは不妊ということですが、養殖池の外に逃げた場合に在来種のサケとの交雑や生殖活動へのかく乱が懸念されます。アメリカ国内では、市民団体「食品安全センター」が承認の取り消しを求める訴訟を起こす予定です。

日本ではまだ承認申請が出されていませんが、アメリカでの承認を受けて申請が出される可能性があります。生活クラブ連合会は、遺伝子組み換え食品の問題を広くアピールするには、最大の生産国であるアメリカの市民と最大の消費国である日本の市民が協力することが重要と考え、アメリカの市民団体「食品安全センター」との連携を強めてきました。日米の市民の協力で遺伝子組み換えサケの流通を止めることをめざし、共同声明を発表します。
 「食品安全センター」も日本時間の本日、共同声明を発表しました。

 共同声明は以下の通りです。

2015年12月8日、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会とアメリカの市民団体「食品安全センター」は、先ごろアメリカ食品安全医薬品局(FDA)が、遺伝子組み換えサケ=GMサケの食品としての流通を承認したことについて、強く反対することを表明します。

GMサケは、FDAが食品として認めた初の遺伝子組み換え動物であり、人体の健康や環境に与えるリスクについて多くの懸念が残っています。この懸念は、太平洋をはさんで日本とアメリカの合計100万人以上の市民を組織する団体が共有するものです。
このほど、「食品安全センター」の専門家たちが日本を訪れ、遺伝子組み換え食品の表示義務の必要性と、遺伝子組み換え作物の生産によって農薬使用が増大することがもたらす被害について議論を始めています。

生活クラブ連合会の加藤好一会長は「日本の消費者がGMサケの受け入れを拒否することは間違いありません。もちろん私たちの生協がGMサケを供給することはありえません。今後、日本政府がGMサケを承認しないよう働きかけを強めていきます」と話しています。

日本は世界でも最大の魚介類輸入国の一つです。とりわけサケ(サーモン)は日本の消費者が好む食材です。2014年のサケ・マスの輸入額は2,000億円(約20億米ドル)に迫るほどです。仮に、日本政府がGMサケを承認したなら、店頭販売時には遺伝子組み換えの表示義務が生じます。表示されていれば日本の消費者は受け入れることはありません。しかし外食産業での食材向けや加工食品の原料として販売された場合、日本では末端の消費者に対する表示義務は免除されているのです。したがって消費者はGMサケだと知らずに食べさせられることになりかねません。これこそが心配されることなのです。

このほど東京を訪問し遺伝子組み換え食品に反対する日本の市民団体と交流した「食品安全センター」のジョージ・キンブレル上級弁護士は次のように言います。「GMサケを承認したFDAの決定は、環境や人体への責任を放棄し法に反するものです。世界中に影響を与えることになるでしょう」
 「GMの魚とアクアバウンティ社が市場にGMサケを販売しようとしていることについて、強く反対する仲間たちと東京で出会うことができました。たいへん心強く思います。私たちは力を合わせ、世界各地の人々の暮らしを支える従来からの漁業と安全な食品の市場を守るために、GMサケの世界的な流通に歯止めをかけます」

アメリカ国内でもGMサケを拒否する声は根強く広がっています。200万人以上の市民がFDAの承認に反対するパブリックコメントを提出したほどです。これはFDAがこれまでに受けたコメントの最大数です。さらに9,500以上の食品販売店や数多くのレストランがGMの魚を販売しないと表明しています。

GMサケは、環境への弊害をもたらす可能性があり、また人体へのリスクも指摘されています。FDAが承認のために行なったアレルギー誘発性試験は、極めて限定的なものでしかありません。さらにアクアバウンティ社は、GMサケを実験生産しているパナマ国内で、同国の環境規制に従っていないことが強く批判されています。またカナダの環境保護団体は、カナダ政府の承認により同国内でGMサケの卵の生産が可能になり、生態系と生物種(在来種のサケ)に対する潜在的なリスクが高まったとしてカナダ政府に対する訴訟を起こしています。


 【参考】
アメリカの市民団体 食品安全センター Center for Food Safety
ワシントンDC、ポートランド、サンフランシスコ、ハワイに事務所を置く。会員70万人。
http://www.centerforfoodsafety.org/

同センターによる共同声明プレスリリース(英語)
http://www.centerforfoodsafety.org/press-releases/4166/major-japanese-and-american-consumer-groups-oppose-genetically-engineered-salmon

 11月21日、東京で開催された遺伝子組み換え表示を求める国際シンポジウム
「消費者が選べる遺伝子組み換え食品表示をめざして」紹介と案内(生活クラブ連合会)
http://seikatsuclub.coop/coop/news/20151015t.html

(2015年12月9日掲載)

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