非化石燃料市場の取引について、生活クラブ生協連合会が意見書を提出しました
2016年4月1日より電力の全面自由化が開始され、「電力の小売営業に関する指針」の改訂案で、2017年度に非化石価値取引市場を開始することを踏まえた提案が出されています。
非化石燃料市場の新しい点は、自然エネルギーの利用が非化石証書の取引という形になることです。2017年度はFIT電源での対応となり、自然エネルギーだけの出発となり、2019年度に原子力、大規模ダム等の非化石証書の参入が予定されています。その電源別表示について、事業者の実施に任せるという提案は問題です。今後とも、自然エネルギーと原子力を分けること、自然エネルギーの中でも電源を分けて表示することを要求していく必要があります。
生活クラブ連合会は、この改定案に対する意見書を提出します。
電力の小売営業に関する指針(22ページ、非化石価値取引市場について)への意見
意見内容
1.今年度開始される非化石価値取引市場では、再生可能エネルギーによる電力のみを取り扱うこととし、原子力発電の電力については対象としないことを要望します。
2.また、再生可能エネルギーについては電源種別ごとの区分けを行なうことを求めます。
3.小売した電気の電源構成開示を義務付けにすることと、その際の電源構成開示の算出根拠を統一することを改めて要望します。
4.市場への参入条件について開示してください。
理由
本来、再生可能エネルギーと原子力との非化石価値は全く異なるものであり、市場設計においては自然エネルギーへの転換を促すものであるべきです。
また、原子力発電所は発電時にCO2を比較的排出しない電源ではありますが、それ以外に日々の運転において有害な放射性廃棄物を生み出し続けます。さらに事故時には、大量の放射性物質を放出するとともに、周辺環境に甚大かつ半永久的な影響を与えます。上記のことから原子力の非化石価値を認めるべきではないと考えます。
また電源別表示については事業者の実施に任せるあり方は消費者の選択ができないので義務付けとすべきです。
(以上)
【2017年4月27日掲載】