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生協の食材宅配【生活クラブ】
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長期種子供給の継続をアメリカの生産者に要請 NON-GM飼料を将来にわたり確保します

穀物集荷を担うCGB社を訪問した組合員の代表(左から生活クラブ京都・細谷みつ子さん、北東京生活クラブ・山村真理さん、生活クラブ長野・成田由美子さん、CGB社社長ケヴィン・アダムスさん、生活クラブ神奈川・大久保明美さん、生活クラブ連合会専務福岡良行、全農・住田明子さん)

10月18日~28日の11日間、生活クラブの組合員代表4名がアメリカを訪問し、種子会社社と穀物集荷会社に「長期種子供給協定」の継続を要請しました。

GM = Genetically Modified 遺伝子組み換え
NON-GM = 非遺伝子組み換え(遺伝子組み換えをしていない)

米国の生産者に「消費する意思」を伝えることから始まります

アメリカから多くの人の手を渡って日本へ輸入される飼料用NON-GMトウモロコシ。生活クラブではNON-GMトウモロコシを消費する意思を伝え、米国の種子会社と集荷会社、JA全農で5カ年ごとに「長期種子供給協定」を締結してきました。
 

遺伝子組み換えでない種子が届くまで

2018年、各地域の生活クラブでの討議を行い、同6月に2023~2027年供給分の飼料用NON-GMトウモロコシを継続して利用することを決定。9月に組合員の代表2名がJA全農本所を訪問し、「長期種子供給協定」の継続を要請しています。
※その時のレポートは
遺伝子組み換えでない飼料の畜産品を「食べ続ける」意思を表明 NON-GMトウモロコシ「長期種子供給協定」更新をJA全農へ要請しました(2018年9月27日掲載活動情報)

10月には組合員の代表4名がアメリカへ渡り、パイオニア・ハイブレッド社などの種子会社と穀物集荷会社のCGB社などへ訪問し、飼料用NON-GMトウモロコシの「長期種子供給協定」の継続を要請しました。

今後もNON-GMトウモロコシの供給を続ける姿勢を確認

パイオニア・ハイブレッド社では、生活クラブ京都の細谷みつ子さんが「私たちは身体や環境への影響を考え、GMトウモロコシに対して不安に感じています。これからも安心できるNON-GMトウモロコシの種子を作り続けてください」と伝えています。パイオニア社のマーケティング販売責任者のロジャー・シーセンさんは「種子の開発には時間がかかり、農家への販売に向けては計画的に進める必要があります。こうして毎年エンドユーザーの皆さんが訪問し、需要を示してくれることはありがたく重要なことです」と述べ、NON-GMトウモロコシの種子開発を続ける見解を示しました。
 

左から生活クラブ連合会・福岡専務、ロジャー・シーセンさん、ブライアン・ドーキーさん、細谷さん

農家が栽培した穀物の集荷を担うCGB社では、社長のケヴィン・アダムスさんと面会し、生活クラブ長野の成田由美子さんが、GMトウモロコシに対する懸念とNON-GMトウモロコシを消費し続ける意思を伝えました。アダムスさんからは「近年、食の安全への関心が高まっていることを実感し、その一部に私たちが関われていることを誇りに思います。生活クラブとの信頼関係を大切に考え、これからも安心できる農産物を届けていくことを約束します」という言葉があり、NON-GMトウモロコシの供給に対する前向きな姿勢を確認できました。
 

アダムスさんに直接要請書を手渡す成田さん

いま伝えないと将来的には手に入らなくなる!?

今回訪問したパイオニア・ハイブレッド社などの種子会社では、一般的に毎年さまざまな種類のGMの種子とNON-GMの種子、どちらも開発していますが、現状ではGMを選ぶ農家が多数派です。栽培する農家が減るとNON-GMの種子も減っていきます。一方で、アメリカでは健康志向の若い世代を中心に、NON-GMへの関心が高まる傾向にあります。アメリカ国内でのNON-GM需要が増え栽培が増えなければ、日本へ輸出されなくなり手に入らなくなる可能性も考えられるのです。さらに、種子の開発から輸出までには約10年という長い時間がかかるという説明も受けました。今回の訪米に参加した、生活クラブ神奈川の大久保明美さんは「私たち消費者の意思を種子会社にも伝えることが、5年先・10年先のNON-GMトウモロコシの生産を後押しすると思いました」と述べています。

NON-GMトウモロコシの生産・流通現場も確認

11日間の日程の中では、実際にNON-GMトウモロコシを栽培する農家や集荷場も視察しました。イリノイ州にあるジェイ・タークマイヤーさんの畑では、GPSで管理され無人で稼働する大型の自動収穫機でトウモロコシが効率的に収穫され、トラックでCGB社に運ばれます。
 

8畝(うね)同時に刈取り、芯を取り除く自動収穫機。

イリノイ州のCGB社に運ばれたNON-GMトウモロコシは、まずGMトウモロコシが混入していないか簡易検査を受けます。ここでGMトウモロコシの割合が3%以下であれば、NON-GMトウモロコシとして集荷・保管され、倉庫でも再度NON-GMの検査が行われます。
 

簡易検査の様子。トラックから抽出したサンプルを検査機にかけ、約15分で結果が出ます。

NON-GMトウモロコシは、「はしけ」と呼ばれる動力を持たない舟に積まれてミシシッピ川を通り、約1,200キロ離れたルイジアナ州にある全農グレインまで運ばれます。全農グレインでもNON-GMの検査を受けてから日本へ輸出されるのです。

実際の生産・流通現場を視察した、北東京生活クラブの山村真理さんは「まず第一にアメリカの畑や機械、どれをとっても規模が日本とは桁違いで、アメリカから飼料を輸入する意味を実感しました。NON-GMトウモロコシはアメリカ全体の生産量のたった8%。そのうちの多くは区分管理をしておらず、結果、NON-GMトウモロコシとして流通できるのはわずか2%程度とのこと。その2%のためにここまで手間をかけてくれていることに感謝の気持ちでいっぱいです。これからもNON-GMの認識を広めていくためにも食べる仲間を増やしていきたい」と語りました。

今回の訪米に参加した大久保さん、山村さんは帰国後に開催する「連合消費委員会意見交換会」で、各地域の組合員へ訪米報告を行ないます。大勢の生活クラブ組合員と米国の状況を共有し、NON-GMトウモロコシを大勢で食べ続けていく力としていきます。

【2018年11月27日掲載】
 

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