東京、神奈川、千葉の生活クラブが「終活イベント」
東京、神奈川、千葉の告生活クラブ生協が、生活クラブ共済連と生活クラブ・スピリッツの共催で、「終活」をテーマにしたイベントを開催した。
提携先の会館を使用
生前に葬儀について語ることは縁起が悪いとする人は少なくない。ところが、昨今はいささか事情が変わり、生きているうちに自分の人生の終わりを見据えた「終活」に取り組む人が増えている。
終活は、死後の葬儀や墓の購入、財産相続の計画などを、生前に自らアレンジしておく一連の活動だ。それは自らの人生を振り返り、どんな終わりを迎えるかを問う機会となり、自分の葬儀の仕方や相続の意向を家族に伝えて身内のトラブルを未然に防ぐための一助にもなる。
こうした視点から、生活グラブ生協東京(東京都世田谷区)と生活クラブ共済連(東京都新宿区)、生活クラブの関連会社の生活クラブ・スピリッツ(東京都新宿区)は、2017年12月4日に「終活セミナーin五反田~私の老い支度を考える~」を共催。同セミナーの会場には、生活クラブ・スピリッツの「エンデイングサポート事業」を通して提携する葬祭業者の「セレモニーホール大成 五反田」が使用され、都内の在住者を中心に約100人の組合員らが参加した。
会場内のホールには、実際に葬儀の際に使用する祭壇や環境に配慮した棺おけ「エコロジー棺」、生活クラブ生協の組合員が共同購入するのりやお茶などの「消費材」を使った返礼品などが展示された。
さらに別室では通夜の席で振る舞う料理の試食、遺影撮影のほか、外部講師を招いての講演や「生活クラブFP(ファイナンシャルプランナー)の会」によるライフプラン講座も開かれた。参加者にとっては、普段はあまり目にすることがない葬儀に必要なもの一式を実際に見られる機会となった。
終活は、死後の葬儀や墓の購入、財産相続の計画などを、生前に自らアレンジしておく一連の活動だ。それは自らの人生を振り返り、どんな終わりを迎えるかを問う機会となり、自分の葬儀の仕方や相続の意向を家族に伝えて身内のトラブルを未然に防ぐための一助にもなる。
こうした視点から、生活グラブ生協東京(東京都世田谷区)と生活クラブ共済連(東京都新宿区)、生活クラブの関連会社の生活クラブ・スピリッツ(東京都新宿区)は、2017年12月4日に「終活セミナーin五反田~私の老い支度を考える~」を共催。同セミナーの会場には、生活クラブ・スピリッツの「エンデイングサポート事業」を通して提携する葬祭業者の「セレモニーホール大成 五反田」が使用され、都内の在住者を中心に約100人の組合員らが参加した。
会場内のホールには、実際に葬儀の際に使用する祭壇や環境に配慮した棺おけ「エコロジー棺」、生活クラブ生協の組合員が共同購入するのりやお茶などの「消費材」を使った返礼品などが展示された。
さらに別室では通夜の席で振る舞う料理の試食、遺影撮影のほか、外部講師を招いての講演や「生活クラブFP(ファイナンシャルプランナー)の会」によるライフプラン講座も開かれた。参加者にとっては、普段はあまり目にすることがない葬儀に必要なもの一式を実際に見られる機会となった。
自分で納得した「葬儀」を
自分の葬儀をイメージしながら、携帯電話のカメラで祭壇を撮影する参加者
終活セミナーの案内チラシを見て、仕事の休みを利用して参加したという北東京生活クラブ生協組合員の松岡桂子さんは、実母を亡くした10年前を振り返りながらこう話す。
「当時は母の死を悼み悲しむ余裕もないまま葬儀の話になり、結局、病院が提携する業者に言われるままに葬儀を終えました。それがきっかけとなり、自分のときはお金をかけず、家族が見守ってくれるなかであの世に行けたらいいなと、終活を意識するようになりました」
インターネット調査会社のマクロミルが16年に60代から70代の男女を対象に実施したアンケート(有効回答数1,000人)調査によれば、現在、終活を行なっている、または行なおうと思っている人が約7割に達した。その理由として最も多かったのが「家族に迷惑をかけたくない」で、70.7%を占めた。
この点について松岡さんは「残された子どもの身になれば、とりわけ葬儀を質素にする決断は容易にはできないもの。だからこそ、親である自分が最低限のラインを決め、段取りをしておくのが大事ではないかと思っています」と言う。
終活セミナーの案内チラシを見て、仕事の休みを利用して参加したという北東京生活クラブ生協組合員の松岡桂子さんは、実母を亡くした10年前を振り返りながらこう話す。
「当時は母の死を悼み悲しむ余裕もないまま葬儀の話になり、結局、病院が提携する業者に言われるままに葬儀を終えました。それがきっかけとなり、自分のときはお金をかけず、家族が見守ってくれるなかであの世に行けたらいいなと、終活を意識するようになりました」
インターネット調査会社のマクロミルが16年に60代から70代の男女を対象に実施したアンケート(有効回答数1,000人)調査によれば、現在、終活を行なっている、または行なおうと思っている人が約7割に達した。その理由として最も多かったのが「家族に迷惑をかけたくない」で、70.7%を占めた。
この点について松岡さんは「残された子どもの身になれば、とりわけ葬儀を質素にする決断は容易にはできないもの。だからこそ、親である自分が最低限のラインを決め、段取りをしておくのが大事ではないかと思っています」と言う。
千葉は実行委員会方式で
神奈川の会場では、通夜ぶるまい、精進落としの料理を立食形式で試食できた。
東京、神奈川、埼玉、千葉の各生活クラブ生協では、組合員を対象に06年から葬儀関連事業を行なっている。同事業は生活クラブ・スピリッツシニア事業部が担当。同事業部では葬儀の生前相談や事後の手続きなどの相談をはじめ、24時間体制で葬儀の受付窓口にもなる「生活クラブ葬祭サービス」を提供している。
今回のイベントは、葬儀関連事業を所管する生活クラブ共済連と生活クラブ・スピリッツが企画し、東京、神奈川、千葉の各生活クラブが主体となって実施、生活クラブ神奈川(本部・横浜市)では昨年10月31日に終活フェアを開催した。
生活クラブ千葉(本部・千葉市)は「終活フェア実行委員会」を結成。同実行委員会には県内で地域福祉事業を実践する生活クラブ千葉福祉委員会、社会福祉法人生活クラブ(風の村)をはじめ、企業組合のW・Co(ワーカーズコレクティブ)葬祭さぽーと千葉、W・Co千葉県連合会などが参加した。
昨年11月4日に「ホテルメイプルイン幕張」で開催された生活クラブ千葉の終活フェアでは、葬儀関連ブースに加え、「試食・販売・相談ブース」などもあり、食材と調味料、レシピがセットになった「ビオサポ食材セット」の試食や弁当やパンの販売なども行なわれた。土曜日の開催とあって、子育て世代の親子の姿も目立ち、終活とはいえ幅広い世代の参加があった。
今回の終活イベントの全体運営に関わった生活クラブ・スピリッツシニア事業部の葉梨晋久さんは、「終活に必要なものが生活クラブのサービスとして、そろっているのを実感してもらえる機会になったはず。また、東京や神奈川のように葬祭業者の会館を利用した開催では施設の見学もでき、実際の『葬儀の場』の雰囲気も感じてもらえたと思う」と話す。
*「生活クラブ葬祭サービス」については、こちらのページをごらんください。
http://www.sclub-service.jp/
撮影/鈴木貫太郎 文/上垣喜寛
東京、神奈川、埼玉、千葉の各生活クラブ生協では、組合員を対象に06年から葬儀関連事業を行なっている。同事業は生活クラブ・スピリッツシニア事業部が担当。同事業部では葬儀の生前相談や事後の手続きなどの相談をはじめ、24時間体制で葬儀の受付窓口にもなる「生活クラブ葬祭サービス」を提供している。
今回のイベントは、葬儀関連事業を所管する生活クラブ共済連と生活クラブ・スピリッツが企画し、東京、神奈川、千葉の各生活クラブが主体となって実施、生活クラブ神奈川(本部・横浜市)では昨年10月31日に終活フェアを開催した。
生活クラブ千葉(本部・千葉市)は「終活フェア実行委員会」を結成。同実行委員会には県内で地域福祉事業を実践する生活クラブ千葉福祉委員会、社会福祉法人生活クラブ(風の村)をはじめ、企業組合のW・Co(ワーカーズコレクティブ)葬祭さぽーと千葉、W・Co千葉県連合会などが参加した。
昨年11月4日に「ホテルメイプルイン幕張」で開催された生活クラブ千葉の終活フェアでは、葬儀関連ブースに加え、「試食・販売・相談ブース」などもあり、食材と調味料、レシピがセットになった「ビオサポ食材セット」の試食や弁当やパンの販売なども行なわれた。土曜日の開催とあって、子育て世代の親子の姿も目立ち、終活とはいえ幅広い世代の参加があった。
今回の終活イベントの全体運営に関わった生活クラブ・スピリッツシニア事業部の葉梨晋久さんは、「終活に必要なものが生活クラブのサービスとして、そろっているのを実感してもらえる機会になったはず。また、東京や神奈川のように葬祭業者の会館を利用した開催では施設の見学もでき、実際の『葬儀の場』の雰囲気も感じてもらえたと思う」と話す。
*「生活クラブ葬祭サービス」については、こちらのページをごらんください。
http://www.sclub-service.jp/
撮影/鈴木貫太郎 文/上垣喜寛
★『生活と自治』2018年2月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2018年2月15日掲載】