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《お米篇②》これからの米づくりを仲間とともに考え、より魅力あるものに。

山形県・遊佐町
三浦広和さん(37歳)

《お米篇①》の動画もあわせてごらんください。

収穫作業を行う広和さん。
●農事組合法人で、地域の未来を支えたい

生産者の高齢化にともない、日本全体の農業もさまざまな変化を見せています。農林水産省では、現在、全国の個人農家に法人化を促し、農業の効率的な経営について積極的に取り組むよう働きかけています。ここ遊佐町でも、この数年で各地区に農事組合法人が設立されました。広和さんも、地元に設立された「農事組合法人アグリ南西部」に所属し、役員にもなっています。

「うちの規模で考えると、地域の農事組合法人に入るメリットはないんです。それでもあえて法人に参加したのは、やはり10年後、20年後の地域を考えて何とかしたいと思ったから。これから先は『農家をやめます』という人たちが、『新しく農業をはじめたい』という人たちよりも増える。そんな時、空いた農地をどうするか。自分たちが『(この農地は)残さない』という選択をしてしまえば、すぐになくなっちゃう。自分たちの田畑以外は、農地ではなくなってしまうような状況は絶対に避けたい。それを地域の法人が受け皿になって支えていければと思っています」(三浦広和さん)

現在、「農事組合法人アグリ南西部」に所属する農家は約120名、平均年齢は65歳を越えており、40代までのメンバーは10名程度という状況。もうすでに地域の農業は高齢化が進んでおり、若い世代にのしかかる課題は山積みです。こうした危機感から、三浦さんは法人の経営に積極的に加わり、少ない人数でも効率よく農業を営む方法を模索しています。現在の農事組合法人アグリ南西部の持ち田は約330ヘクタール。2019年度からは、そのうち2ヘクタール分を法人として堆肥散布から収穫までをメンバーのみんなで分担する計画です。


田んぼでは、トンボやバッタなどの昆虫が飛び交う。


遊佐町の耕作地のほとんどは、田んぼだ。
遊佐で栽培される「共同開発米」には、農薬や化学肥料をできるだけ減らすために、さまざまな独自の取り組みがあります。たとえば、稲の種もみ(お米の種)の「温湯(おんとう)消毒」はそのひとつ。種もみは病気の原因となるカビや細菌に汚染されている可能性があるため、種をまく前に消毒する必要があります。普通はそこで農薬を使ってしまうのですが、その替わりが種もみをお湯に浸す「温湯消毒」です。これによって、手間はかかるけれども農薬の成分をひとつ減らすことができるのです。今では当たり前のように全国で実施されていますが、導入当初は普及するまでに大変な苦労がありました。
 


「温湯消毒」をしている様子。
広和さんが所属する農事組合法人アグリ南西部では、新たに温湯消毒に活用できる共同施設を地区内に建設し、作業するようになりました。このように地域の農事組合法人や勉強会など横のつながりは、日々の農作業に欠かせない大事な要素。米づくりをする上での情報交換はもちろん、問題を共有し、解決策を一緒に考えるようになっています。さらに、来年度からは初めて新規就農者を雇用する予定です。
 
「『農家の長男だから農業を継ぐ』という考え方はもう古い。逆に外から『農業をやりたい』と興味を持って来てくれる人たちがもっと簡単にたずさわることができる仕組みを法人でつくっていければと思っています。農業は頑張れば頑張っただけ収穫の喜びを得られるという面白みをいろんな人に知っていただきたいですね。魅力のある、やりがいのある農家の姿を見せて、就農する人たちをもっともっと増やしていきたいです」(三浦広和さん)


刈り取ったばかりの籾は、水分が多くみずみずしい。


長女の紗和ちゃん(4歳)はお父さんっ子。田んぼや畑で働くお父さんの姿を追って、時々は農作業の真似事もしたくなるお年頃。
●飼料用米が生み出した、地産地消の循環型農業

飼料用米の田んぼ。後は収穫を待つだけだ。
通常の食用米の生産を休耕、またはやめた田んぼで、畜産向けの飼料用米を生産することが国によって推奨されるようになりました。実は、ここ遊佐はそれよりもはるか前、1996年に飼料用米の給餌実験を開始しました。そして、2004年に開始した「飼料用米プロジェクト」に澄雄さんは最初から関わっていました。

「親父は新しいことにチャレンジをするのが好きで、どうやら自分もその気質を受け継いでいるようです。いろいろな栽培方法を実験していますし、新しい品種も率先して植えるようにしています。飼料用米は水田を守る上で、農家に喜ばれる方法です。大豆や他の作物に転作すると土の質もどんどん変わって、それを水田に戻すのはとても難しいのですが、飼料用米は水田のまま活用できる。できた飼料用米は提携先である地元の平田牧場に供給されるので、地産地消の循環型農業としても理想的な状態になっていると思います」(三浦広和さん

 
こうして隣の酒田市にある「平田牧場」の豚は、人間が食べるお米と同じように大切に作られた飼料用米を食べて大きく育っていきます。その豚の排泄物は良質な堆肥へと生まれ変わります。その堆肥がまた地元の農家に提供されることで、昔ながらの循環型農業がもう一度よみがえっているというわけです。

チャレンジ精神旺盛な広和さんは、昨年からビニールハウスでのアスパラガス栽培にもトライしています。そこでは「平田牧場」の堆肥を使っているのだとか。


アスパラガスの収穫は日が昇る前から始まる。


採れたてのアスパラガスは、そのまま選果場へ持ち込む。
●仲間たちとの交流で、新たなトライが生まれる
野菜の栽培について、いろいろとアドバイスしてくれたのは同世代の農家仲間である佐藤勇人さんです。佐藤さんは10ヘクタールの田んぼを管理する一方で、ハウスで野菜を栽培し、大きな成果を出して地域でも注目されている存在です。三浦さんは佐藤さんにさまざまなノウハウを教わりながら、野菜の栽培へと乗り出すことができました。遊佐には、そうした横のつながりが多くあり、お互いに情報交換をしながら助け合う姿が見られます。

遊佐の米づくりを支える同世代の農家仲間と一緒に。(左から)佐藤勇人さん、池田恒紀さん、三浦さん、遠田えんた一成さん、佐藤俊輔さん。

広和さんは最近、上の写真の4人のメンバーと一緒に「農遊会」という新たな担い手グループを立ち上げました。この会では、お米以外にも園芸作物について研究し情報交換をしていこうとしています。代表は先駆者である佐藤勇人さん。佐藤さんに刺激を受け、皆それぞれ成功に導こうと頑張っている仲間たちです。仲間うちでビニールハウスを設置する際には、三浦さんが専門学校時代に取得した重機の資格が役に立っているといいます。そこには、遊佐の農業をともに支えていこうという連帯感が強くありました。


長男の優星くん(7歳)、長女の紗和ちゃん(4歳)と一緒に。三浦さんは毎日、学校に出かける優星くんを見送るのが日課なのだそう。


遊佐町の子どもたちは、いつも田んぼを眺めながら集団登校していく。
「『自分の息子が家を継いでくれる』という考え方はもう古い」と言い切った広和さんですが、将来、お子さんが『農業を継ぎたい』と言った時にはどう答えるつもりなのか、あらためて聞いてみました。

「基本的に、子どもたちには好きなことをして生きてほしいと思っています。それが前提の上で、もしも本人が農業を継ぎたいと言ってきたら、ちゃんとやらせてあげられるだけの基盤づくりをしなくてはいけないと思っています」(三浦広和さん)


農遊会のメンバーと、同世代の農業研修生である國分悠一さん(右端)。山形市からの移住組の國分さんは新規就農を目指して奮闘中。そんな彼を、みんなでサポートしている。


つねに理想の農業を目指し、厳しい現実にも前向きに取り組み、仲間とともに未来を見据える広和さん。その明るくポジティブな姿を見ていると、遊佐、ひいては日本の農業の未来を、ひとりの消費者としてきちんと支えていかなければという、熱い感情がふつふつと湧わきあがってくるのでした。

遊YOU米

山形県庄内の北端に位置する遊佐町、鳥海山から流れ出る月光川からの清流が流れる環境で育ち、農薬や化学肥料を減らした農法でつくられた安心でおいしいお米です。

共同購入をするということは、「私はこれだけお米を買います」と生産者と約束をすること。生産者は食べてくれる人がいるから安心して、お米を作りを続けることができ、またそのことが環境保全型農業へのチャレンジにもつながっていきます。

生活クラブでは、生産調整により食用米が作れなくなった田んぼで、提携生産者が育てる豚の飼料用米を栽培するなど、さまざまな形で、循環型・環境保全型農業の実現にとりくんでいます。


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