自然エネルギーによる電気の「FIT」ってなに?
自然エネルギー(再生可能エネルギー)による電気の話題で、よく「FIT」という言葉が出てくるのですが、聞いたことがありますでしょうか?
「FIT制度」「FIT電気」などと使われることがある言葉ですが、その意味はよく知らない…という人も多いかもしれません。
今回は、この「FIT」について探ってみましょう。
再生可能エネルギーによる電気には「FIT」と「FIT以外」がある
生活クラブで共同購入している「生活クラブでんき」では、太陽光や風力など、どんなエネルギーで発電した電気がどれぐらいを占めているか、という「電源構成」の内訳を、月単位・年単位でお知らせしています。
例えば2018年1~12月の実績で言うと、生活クラブでんきのうち、自然エネルギーによる電気は63.9%。そのうち「FIT」とついているものが53%(6.4+5.0+1.0+40.6)で、「FIT以外」とされるものが10.9%となっています。
「FIT」「FIT以外」とは、どんな区別なのでしょうか?
再生可能エネルギーによる発電の普及をめざした「FIT=固定価格買取制度」
「FIT」とは、「Feed-in Tariff」の略で、「固定価格買取制度」のこと。太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの再生可能エネルギー源によって発電された電気を、国が定める価格で一定期間買い取ることを電気事業者に義務付ける制度です。この制度は、日本国内での再生可能エネルギー普及のために、2012年にスタートしました。
過去の記事(「日本は遅れている? 自然エネルギー利用の世界的な傾向」)でも触れたように、日本は諸外国に比べ、再生可能エネルギーによる発電の比率がまだまだ低いという現状があります。しかし、地球温暖化の問題や国内のエネルギー自給率の低さを解決していくためにも、再生可能エネルギーをもっと普及させていくことは必須。
日本は諸外国に比べ、再生可能エネルギーによる発電の比率がまだまだ低い!
過去の記事(「日本は遅れている? 自然エネルギー利用の世界的な傾向」)でも触れたように、日本は諸外国に比べ、再生可能エネルギーによる発電の比率がまだまだ低いという現状があります。しかし、地球温暖化の問題や国内のエネルギー自給率の低さを解決していくためにも、再生可能エネルギーをもっと普及させていくことは必須。
日本は諸外国に比べ、再生可能エネルギーによる発電の比率がまだまだ低い!
資源エネルギー庁「日本のエネルギー エネルギーの今を知る20の質問」より
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2017.pdf
そこで、再生可能エネルギー普及のために、もっとたくさんの人や事業者が積極的に発電事業を行えるよう、一定期間は国が決めた固定価格でその電気を買うことを保証する、これが「FIT=固定価格買取制度」なのです。
例えば個人が自分の家の屋根に太陽光パネルを付けて発電を行うにしても、設置や維持にはお金がかかります。余剰電力を一定の価格で買い取ってくれるFITの制度があれば、多少負担が減り、「再生可能エネルギーによる発電をしよう」という人を増やす後押しになるというわけです。
http://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/pdf/energy_in_japan2017.pdf
そこで、再生可能エネルギー普及のために、もっとたくさんの人や事業者が積極的に発電事業を行えるよう、一定期間は国が決めた固定価格でその電気を買うことを保証する、これが「FIT=固定価格買取制度」なのです。
例えば個人が自分の家の屋根に太陽光パネルを付けて発電を行うにしても、設置や維持にはお金がかかります。余剰電力を一定の価格で買い取ってくれるFITの制度があれば、多少負担が減り、「再生可能エネルギーによる発電をしよう」という人を増やす後押しになるというわけです。
「FIT」と「FIT以外」は区別して表示する必要がある
生活クラブでんきでは、生活クラブが建設した発電所や地域の発電所から電力を調達しているほか、パートナーの電力会社からも、自然エネルギーを優先した電力の供給を受けています。その電力の中に、FIT以外の電気が含まれています(最初の電源構成のグラフの「バイオマスFIT以外」)。
「FIT」と「FIT以外」。どちらも再生可能エネルギーを使って発電した電気。なのに区別しているのはどうしてなのでしょうか?
ちょっと難しくなりますが、FITを利用した電気を買い取るコストは、電気を利用しているすべての人が再エネ賦課金という形で少しずつ負担しています。つまり、FITを利用した電気の「環境価値」は、「コストを払った利用者にすでに配分されている」と考えられます。
そのため、電気事業者が環境価値を利用して「CO2排出の少ない電気」といった表現での販売は「電力小売指針」で禁止されているのです。
ところで、消費者が「どんな電気」を使うのか選ぶためには、本来は「FIT電力」や「FIT値」のようなものでなく、電源構成の開示による再生可能エネルギー比率の表示が重要となります。
電力小売にあたっての電源構成の表示は、義務ではなく推奨とされています。消費者が使う電気を選べるようにするために、電源構成の表示を法的に義務づけることが必要です。
「FIT」と「FIT以外」。どちらも再生可能エネルギーを使って発電した電気。なのに区別しているのはどうしてなのでしょうか?
「FIT」も「FIT以外」も再生可能せネルギーによる電気
実は、FITを利用した電力は、そうでないものと分けて表示する必要があるのです。
FITによって、電気事業者は、一定の価格で再生可能エネルギーによる電気を買い取ることが義務付けられていますが、火力など化石燃料による電気より割高な価格に設定されているため、より費用がかかってしまいます。
そこで、この費用については、「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」という形で、電気利用者、つまり電気を使うすべての人から調達しているのです。どこの電力会社と契約していても、再エネ賦課金は電気料金の中に組み込まれています。この調達費用の違いは、FITを利用した電気と、そうでない電気の大きな違いです。
実は、FITを利用した電力は、そうでないものと分けて表示する必要があるのです。
FITによって、電気事業者は、一定の価格で再生可能エネルギーによる電気を買い取ることが義務付けられていますが、火力など化石燃料による電気より割高な価格に設定されているため、より費用がかかってしまいます。
そこで、この費用については、「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」という形で、電気利用者、つまり電気を使うすべての人から調達しているのです。どこの電力会社と契約していても、再エネ賦課金は電気料金の中に組み込まれています。この調達費用の違いは、FITを利用した電気と、そうでない電気の大きな違いです。
「再エネ賦課金」ばかり負担が高いと報道されがちですが、原発のコストや原発を廃炉にする費用等は、送電線の利用料として「見えない形」で消費者が負担しています。
また、FITを利用した電気は、再生可能エネルギーによる電気ではあるものの、「CO2の排出が少ない」という「環境価値」をウリにした表現はできないことになっています。なぜでしょうか。ちょっと難しくなりますが、FITを利用した電気を買い取るコストは、電気を利用しているすべての人が再エネ賦課金という形で少しずつ負担しています。つまり、FITを利用した電気の「環境価値」は、「コストを払った利用者にすでに配分されている」と考えられます。
そのため、電気事業者が環境価値を利用して「CO2排出の少ない電気」といった表現での販売は「電力小売指針」で禁止されているのです。
ところで、消費者が「どんな電気」を使うのか選ぶためには、本来は「FIT電力」や「FIT値」のようなものでなく、電源構成の開示による再生可能エネルギー比率の表示が重要となります。
電力小売にあたっての電源構成の表示は、義務ではなく推奨とされています。消費者が使う電気を選べるようにするために、電源構成の表示を法的に義務づけることが必要です。
生活クラブでんき「卒FIT」の電力買取サービスを開始
FITに定められた固定価格での買取の期間は10年間ですが、FITの前身となる「余剰電力買取制度」は2009年11月にスタートしているので、2019年の11月から順次、期間満了を迎える人が出てきます。
通常より高い価格での固定価格買取が終わってしまうため、以降の売電に悩む人が多く、「卒FIT」問題とも呼ばれています。
通常より高い価格での固定価格買取が終わってしまうため、以降の売電に悩む人が多く、「卒FIT」問題とも呼ばれています。
そもそもFITは、再生可能エネルギーが広がり、発電コストが下がった段階でいずれなくなるしくみ
生活クラブでは、卒FIT問題への対応をすすめています。FITの買取保証期間が切れる2019年11月より、生活クラブでんきの契約者でFIT期間満了を迎えるところから、太陽光発電による電気を買取るための準備をしています。
卒FIT後の買取りの受け皿になることで、太陽光発電を後押しし、再生可能エネルギー推進に貢献していきます。
生活クラブでは、卒FIT問題への対応をすすめています。FITの買取保証期間が切れる2019年11月より、生活クラブでんきの契約者でFIT期間満了を迎えるところから、太陽光発電による電気を買取るための準備をしています。
卒FIT後の買取りの受け皿になることで、太陽光発電を後押しし、再生可能エネルギー推進に貢献していきます。
生活クラブでは今後も自然エネルギー発電の輪を広げていきます
再生可能エネルギーの普及にはさまざまな問題もあり遠い道のりですが、世界的に見ても、再生可能エネルギーによる発電の重要性はますます高まっています。
日本でも「長期エネルギー需給見通し」(経済産業省・2015年公表)で発表したように、2030年に向けて再生可能エネルギーによる発電を増やしていく方向性には変わりありません。
生活クラブではこのような現状を見据えながら、今後も自然エネルギーによる電気の利用者・生産者の輪を広げ、自然エネルギー100%の未来をめざしていきます。
日本でも「長期エネルギー需給見通し」(経済産業省・2015年公表)で発表したように、2030年に向けて再生可能エネルギーによる発電を増やしていく方向性には変わりありません。
生活クラブではこのような現状を見据えながら、今後も自然エネルギーによる電気の利用者・生産者の輪を広げ、自然エネルギー100%の未来をめざしていきます。
生活クラブでんき Web契約申込ができるようになりました。
【2019年7月31日掲載】