2019年５月、生活クラブから「美食百彩(びしょくひゃくさい)」がデビューしました。いくつになっても「長年、親しんできた消費材をずっと食べ続けて健康に私らしく暮らしたい」という組合員の声に応えた消費材シリーズです。

日本人の平均寿命は、2017年の厚生労働省の調査では男性が81.09歳、女性が87.26歳と年々伸び続けています。長生きは喜ばしいことですが、心身ともに健康で自立した生活を営める期間の「健康寿命」との差は男性が約９歳。女性が約12歳ほどの開きがあります。いきいきと健康に生活できる期間をどう延ばすか、平均寿命との差を縮める事に関心が高まっています。

健康寿命を延ばすために欠かせないのが「食事」と「運動」、そして「社会参加」といわれています。
食事の栄養バランスを整え、適度な運動と家族や仲間との交流を楽しむことが、これからも自分らしく健やかにアクティブに暮らしていくためのコツです。今回から３回のシリーズで、いま知っておいきたいことがらを紹介します！
栄養を意識した食事づくりの一助として「美食百彩シリーズ」を取り入れながら、楽しくおおらかに実践していきましょう。

「食べもの半分、食べ方半分」をキーワードに進めてきた生活クラブの健康な食デザイン「ビオサポ」は、生命を意味する「BIO」と「美を」を掛け、生命力にあふれた健康な食生活をサポートしていく、という生活クラブの造語です。この「ビオサポ」の理念のもと、「栄養バランスの良い食事」を摂り続けられるよう、風味がよく、食材の形をしっかり残しながら、程よい柔らかさに仕上げた消費材シリーズ「美食百彩」が開発されました。

食事に気をつけることは大事ですが、メタボリックシンドローム（メタボ）予防のために極端なカロリー制限をしたり、食べる量を減らしたりするのは考えものです。１日に必要な栄養が摂れず、低栄養状態になる恐れがあるからです。

低栄養とは身体に必要なエネルギーや、筋肉をつくるたんぱく質が不足することで、この状態が続くとサルコペニア（※１）やフレイル（※２）の原因にもなります。
年齢が経つにつれて大切なのは、メタボ対策から低栄養対策へのギアチェンジです。栄養バランスの良い食事を過不足なく食べることで丈夫な体がつくられることを知り、日々実践することが健康寿命を延ばすことにつながります。

（※１）加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の筋力低下が起こること
（※２）老化に伴う種々の機能低下を基盤とし、様々な健康障害に対する脆弱性が増加している状態、すなわち健康障害に陥りやすい状態。フレイルには身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的な変化や社会的なものも含まれるが、あきらめずに対策をすれば改善が見込まれる

栄養バランスの良い食事について知りたいときは、厚生労働省と農林水産省が決定した「食事バランスガイド」を、ぜひ参考にしてください。食材の組み合わせとおおよその量がイラストで説明されているので、「何を」、「どれだけ」食べたらよいのかが一目瞭然です。

そして、「食事バランスガイド」で得た知識を１食に置き換えるときに役立つのが、「３・１・２弁当箱法」です。これは弁当箱に主食３・主菜１・副菜２の割合で料理を詰める方法で、普段使っている食器でも対応できるので手軽に実践できます。

　　主食・主菜・副菜とは、次の食材を指します。
　
・主食…ご飯・パン・めん類など
・主菜…魚・肉・卵・大豆・大豆製品などのおかず
・副菜…野菜・いも・海藻・きのこなどのおかず
　
栄養バランスを整えることは大事ですが、忙しくて食材が用意できない、料理をする時間がないなど、「３・１・２弁当箱法」が実践できない日があるかもしれません。そんな時も、心配しないでください。「今夜は肉をたくさん食べたから、明日は野菜を多めにしよう」というように、栄養バランスは１週間のなかで調整すれば大丈夫です。

また、忙しい時やもう一品欲しい時こそ、「美食百彩」がオススメです。
大人から子どもまで幅広い世代に好まれる味付けの惣菜が、温めるだけ、袋から出すだけで準備できます。上手に取り入れながら、楽しくおおらかに、食生活を整えていきましょう。

栄養摂取はサプリより食事が効果的！
手軽に栄養摂取ができると人気のサプリメントですが、あくまでも補助的な存在です。栄養は食事から摂るように心がけましょう。その方が経済的にもやさしいですよ。