生活クラブ生協連合会は、石けん原料についてパブリックコメントを提出しました
石けん原料(脂肪酸塩)を「化管法(PRTR法)」の第一種指定化学物質として管理する必要はありません
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令案」が国で検討されています。 この改正案は、 石けんの主成分をいわゆる合成洗剤の主成分と同列に管理する旨の内容だったため、 生活クラブ連合会はこの案に対してパブリックコメントを提出しました。
生活クラブは、 石けんの優れた性質(生分解性の良さ、 環境水系で生態毒性は発現しないなど)を評価します。 今後も取組品目として石けんを扱い、 いわゆる合成洗剤は扱いません。
厚生労働省・経済産業省・環境省は、 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律*施行令の一部を改正する政令案」についてのパブリックコメントを2020年12月4日~2021年1月4日に実施しました。
*通称「化管法」または「PRTR法」
化管法では従来、 藻類・魚類などの水生生物の生存・生育等に一定濃度以上で影響を及ぼす化学物質として、 いわゆる合成洗剤の主成分である「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)」や「ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(AE)」などの界面活性剤を第一種指定化学物質として指定し、 指定物質の環境等への排出量・移動量を把握して都道府県に報告することを事業者に対して求めています。 各事業者より報告された数量は国が集計し、 毎年公表されています。
今回の施行令改正案は、 石けんの主成分である界面活性剤の脂肪酸塩(「脂肪酸カリウム」と「脂肪酸ナトリウム」*)も、 同様の理由から化管法の第一種指定化学物質として新たに指定するという内容です。
----改正案の新旧対照表より該当物質を抜粋----
飽和脂肪酸のカリウム塩(アルキル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルキル基の炭素数が八から十八までのもの及びその混合物に限る。 )及び不飽和脂肪酸のカリウム塩(アルケニル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルケニル基の炭素数が十八のものに限る。 )の混合物
飽和脂肪酸のナトリウム塩(アルキル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルキル基の炭素数が八から十八までのもの及びその混合物に限る。 )及び不飽和脂肪酸のナトリウム塩(アルケニル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルケニル基の炭素数が十六から十八までのもの及びその混合物に限る。 )の混合物
----抜粋ここまで----
パブリックコメント後、 改正施行令が2021年1月中に公布され、 2022年4月1日より施行される予定です。
生活クラブ連合会は、 この改正案に対するパブリックコメントを以下の通り提出しました。
理由:純水での試験データに基づく改正案ですが、 水系環境(河川・湖沼・海)にはカルシウム等が豊富に存在しており、 石けん成分(脂肪酸塩)は環境放出後速やかに金属石けん(脂肪酸カルシウム等)になり生態毒性は発現しないため、 指定から外すべきです。 前回(2011年)の見直しでも、 指定する案を退けた経緯があります。
改正施行令によって、 いわゆる合成洗剤と石けんそれぞれの主成分が同列に管理される扱いとなりますが、 生活クラブは、 石けんの優れた性質(生分解性の良さ、 環境水系で生態毒性は発現しないなど)を評価します。 今後も取組品目として石けんを扱い、 いわゆる合成洗剤は扱いません。
生活クラブは、 石けんの優れた性質(生分解性の良さ、 環境水系で生態毒性は発現しないなど)を評価します。 今後も取組品目として石けんを扱い、 いわゆる合成洗剤は扱いません。
厚生労働省・経済産業省・環境省は、 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律*施行令の一部を改正する政令案」についてのパブリックコメントを2020年12月4日~2021年1月4日に実施しました。
*通称「化管法」または「PRTR法」
化管法では従来、 藻類・魚類などの水生生物の生存・生育等に一定濃度以上で影響を及ぼす化学物質として、 いわゆる合成洗剤の主成分である「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)」や「ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(AE)」などの界面活性剤を第一種指定化学物質として指定し、 指定物質の環境等への排出量・移動量を把握して都道府県に報告することを事業者に対して求めています。 各事業者より報告された数量は国が集計し、 毎年公表されています。
今回の施行令改正案は、 石けんの主成分である界面活性剤の脂肪酸塩(「脂肪酸カリウム」と「脂肪酸ナトリウム」*)も、 同様の理由から化管法の第一種指定化学物質として新たに指定するという内容です。
----改正案の新旧対照表より該当物質を抜粋----
飽和脂肪酸のカリウム塩(アルキル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルキル基の炭素数が八から十八までのもの及びその混合物に限る。 )及び不飽和脂肪酸のカリウム塩(アルケニル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルケニル基の炭素数が十八のものに限る。 )の混合物
飽和脂肪酸のナトリウム塩(アルキル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルキル基の炭素数が八から十八までのもの及びその混合物に限る。 )及び不飽和脂肪酸のナトリウム塩(アルケニル基の構造が直鎖であり、 かつ、 当該アルケニル基の炭素数が十六から十八までのもの及びその混合物に限る。 )の混合物
----抜粋ここまで----
パブリックコメント後、 改正施行令が2021年1月中に公布され、 2022年4月1日より施行される予定です。
生活クラブ連合会は、 この改正案に対するパブリックコメントを以下の通り提出しました。
【生活クラブ連合会が提出したパブリックコメント】
意見:脂肪酸塩を第一種指定化学物質として管理する必要はありません。理由:純水での試験データに基づく改正案ですが、 水系環境(河川・湖沼・海)にはカルシウム等が豊富に存在しており、 石けん成分(脂肪酸塩)は環境放出後速やかに金属石けん(脂肪酸カルシウム等)になり生態毒性は発現しないため、 指定から外すべきです。 前回(2011年)の見直しでも、 指定する案を退けた経緯があります。
改正施行令によって、 いわゆる合成洗剤と石けんそれぞれの主成分が同列に管理される扱いとなりますが、 生活クラブは、 石けんの優れた性質(生分解性の良さ、 環境水系で生態毒性は発現しないなど)を評価します。 今後も取組品目として石けんを扱い、 いわゆる合成洗剤は扱いません。
【2021年1月21日掲載】