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「再生可能エネルギー100%の未来をつくる」フォーラムに組合員300人が参加しました

「未来へつなげる♪エネルギーアクション」学習会を開催

2021年4月17日に、「再生可能エネルギー100%の未来をつくる~第6次エネルギー基本計画への意見提出運動へ参加しよう~」をオンラインで開催しました。
(司会:生活クラブ千葉の畔上久美理事)
畔上久美さん

生活クラブでは、今年の秋に改定が予定されている国のエネルギー基本計画に、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の推進などを盛り込むよう国に働きかけを行なう、「未来へつなげる♪エネルギーアクション!」(以下「エネルギーアクション」)を6月末まで展開しています。
想いをともにするおおぜいの仲間と活動を進めていくために、エネルギーアクションの実行委員会が今回のフォーラムを主催。さまざまな知見を持つ講師やパネラーを迎え、オンライン上で300人以上の組合員が参加しました。

再エネ・脱炭素・脱原発をめざす生活クラブのエネルギーアクション

今年の秋に改定が予定されている国のエネルギー基本計画は、エネルギー政策の基本方針で、2030年のエネルギーミックス達成への方針に加え、2050年に向けたエネルギーのあり方について定められています。地球過熱化が進み、気候危機への対策が待ったなしの状態の今、日本のエネルギー政策がどの方向に舵を切るのかとても重要な改定となります。生活クラブでは、この改定に再エネ、脱炭素、脱原発推進するよう国に働きかけを行なっています。

今回のフォーラムは、再生可能エネルギー100%の未来に向けた各国の取り組みや実現に向けて、必要なことなど専門家による基調講演とパネルディスカッションの2部構成で開催されました。開会にあたり、「エネルギーアクション」の実行委員長で生活クラブ連合会の増田和美理事より、次のように挨拶がありました。
増田和美さん
「東日本大震災から10年が経ち新しい町づくりは進んでいるものの、人々の心や故郷、環境はいまだ復興の最中にあります。原発の即廃止と脱炭素社会をめざすには再エネの活用と拡大が必要です。自ら考え、自ら行動する人を集め、おおぜいの人で行動することは社会に影響力を与えます。このアクションは社会を転換するチャンス。活動を一緒に進めていきましょう。」

化石燃料や原子力に頼らない再エネ100%の社会を実現するために

基調講演には公益財団法人自然エネルギー財団(以下、エネルギー財団)の大林ミカさんが登壇しました。自然エネルギー財団は2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故を発端に、再エネ根ざした社会をつくるために設立された団体です。主に再エネの政策研究を行ない、それを提言していく活動をしています。

今回の講演では、「加速するエネルギー転換と脱炭素に進む世界~自然エネルギー100%の社会に向けて~」をテーマに、脱炭素化に向けた世界と日本の状況や、再エネ100%の未来を実現するために必要なステップについてお話しいただきました。
大林ミカさん
2020年に世界で導入された発電容量全体の80%が、再エネによる電力です。特に太陽光発電と風力発電が伸びていて、破壊的とも言える価格低下がこの伸びを支えています。太陽光発電や風力発電は原子力発電と比べると、1/3から1/4ほどの価格帯となっています。しかし日本では、いまだに石炭火力発電がいちばん安価な電力です。日本も世界に追随していかないと、お金をどんどん無駄にしてしまう状況になりかねません。
 
気候危機への対から考えても、再エネを主力の電源にしていくことが重要です。日本では温室効果ガス排出の約90%が二酸化炭素で、その約90%がエネルギー関連で排出されています。政府は昨年末に2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言しました。この目標を実現するためには、2030年の目標を現在の22~24%から45%以上に高めることが必要であるとされています。

また、これから再エネの発電所を増やしていくために、耕作放棄地や使われていないゴルフ場を利用できるのではないかと政府に提案しています。発電所の増設とともに利用する人を増やしていくには、価格も重要です。既存の石炭火力発電の価格と競合できるように、温室効果ガスを出す発電方法には、何らかのペナルティを課す必要があると考えています。たとえば、排出する炭素に価格をつける「カーボンプライシング」などの制度が必要なのではないでしょうか。

世界ではいま、電力の需要側から再生可能エネルギーを推進していく動きが活性化しています。日本国内で再エネを推進していかないと、事業で使用するエネルギーを再エネに転換できず、国際的な競争力も失ってしまうことになるかもしれません。
 
本日のまとめとして、100%の社会を実現するためには次の5つのステップが必要だと考えています。
①2050年、2030年へのエネルギー転換の戦略を明確化する
②再生可能エネルギー導入加速化のための規制改革、送電網の運用改善と強化
③エネルギー需要削減と電化の促進
④水素戦略の見直し
⑤カーボンプライシングの2020年台半ばまでの導入
一つひとつ着実にすすめていくことで、化石燃料や原子力に頼ることのない世界実現していくことができます

制度改革・地域とのつながり・発電所建設・組合員活動 さまざまな角度から再エネ100%の実現を考える

フォーラムの後半では、生活クラブ連合会の半澤彰浩エネルギー政策担当理事をコーディネーターに、4人のパネラーを迎え、パネルディスカッションを行ないました。

1人目のパネラーは都留文科大学教授の高橋洋さん。「再生可能エネルギー主力電源化〜系統・立地・市場制約の解消を〜」をテーマに報告いただきました。

高橋洋さん
「再エネを日本の主力電源にするための課題として、再エネの不安定さと発電所の立地、料金の高さの3つが挙げられます。しかし、こうした課題はすべて規制や制度の改革によってクリアできます。たとえば不安定さは、再エネ事業者が既存の送配電網を公正に利用できるようにするなど、系統制約の解消によって解決可能です。発電所の立地の制約は、耕作放棄地や国有林野を再エネに利用できるようなルールの改正で、料金の高さは公正な競争ができる環境を整えることで解決していけます。」
2人目のパネラーは名古屋大学教授の丸山康司さんです。「再生可能エネルギーを広げるための社会的受容性」をテーマに、再エネ事業に対する各地域の反応を、事例を交えながら説明いただきました。

丸山康司さん
「再生可能エネルギーは持続可能な社会を実現するためには必要不可欠なものですが、全国各地に数多くの発電所が建設されるに伴い、発電所の建つ地域での懸念も増えています。社会全体の利益を強調するだけでは迷惑な存在として扱われてしまいます。地域の人々と早期に情報を共有し、合意形成をはかっていくことが大切です。秋田県にかほ市に建つ生活クラブ風車『夢風』のように、地域住民と交流しさまざまな便益を生み出していくことで、受け入れてもらいやすくなることが分かってきています。」
3人目のパネラーは、「生活クラブでんき」に電力を供給している、福島県の飯舘電力株式会社副社長の千葉訓道さんです。「福島県のご当地エネルギーからの訴え〜脱原発の火を消さないで〜」をテーマに、発電所を建設した想いと、飯舘村の現在の様子についてお話しいただきました。
千葉訓道さん
「飯舘村は福島第一原発事故の影響を受け、2011年4月から6年間にわたり、全村避難の対象地域となりました。放射能は平和な村の暮らしを奪い、若者たちは村に帰ってこない状況が続いています。飯舘電力㈱は2014年に地域の有志によって設立。小規模の太陽光発電所を村全体に点在させ、雇用の創出や交流人口を増加させるなど、さまざまなかたちで地域に貢献することをめざしています。多くの方に再エネの電力を選択してもらい、さらなる普及と脱原発を実現していきたいと思っています。」
4人目のパネラーとして、生活クラブ連合会の木下美由紀理事が登壇。


木下美由紀さん
「サステイナブルな未来をめざして 生活クラブの取組みとエネルギー基本計画改定に向けたアクション」をテーマに、生活クラブの脱原発運動と再エネの取組み、「エネルギーアクション」について報告しました。

市民参加型の小規模の発電所がこれからのエネルギーのカギに

それぞれの報告のあとに、登壇したみなさんからの意見や感想をいただきました。 

自然エネルギー財団の大林さんは「気候変動も原子力も、目に見えない脅威を次世代に渡してしまうものと考えます。こうしたエネルギーに支えられる気候変動対策やエネルギー計画は、私たちが安全、安心に暮らしていくためには選択ができないと改めて感じました」と感想を述べました。

都留文科大学の髙橋さんは「制度改革のキーワードは分散型。小規模でいろいろな人が関わっていくことが社会的な変革になります。それがエネルギー転換の本質なのかなと感じています。地元に根ざした電力会社や、小規模な新規参入者が重要になってくるはずです」と述べました。

名古屋大学の丸山さんは、組合員から挙がった「気候変動緩和策によって再エネを正当化しようとすると、両義的な反応になるということはどういうことでしょうか」という質問に回答しつつ、次のように述べました。「気候変動の対応のため、再エネ推進のために地域の環境が犠牲になっても仕方ないというメッセージが見え隠れすると、地域の反発を生んでしまいます。再エネの導入はもちろん大切ですが、導入することで社会が豊かになり、次世代にツケを送らないことが大切です。生活クラブは発電所の建つ地域と共存する再エネを、はじめからめざしていたのが良かったと感じています。」

飯舘電力㈱の千葉さんは「太陽光や風力、地熱など、さまざまな発電方法に触れていくなかで、原子力発電の対局にある再エネの大切さに気付きました。そして市民活動として『自分の電気は自分でつくる』ことが重要だと分かりました。これから多くのみなさんに、市民運動につなげていく視点を持っていただけたらと思っています」と話しました。

木下美由紀理事は「生活クラブの一番の長所は、ないものをつくり出して共感する仲間を増やし、社会を変えていく力にできることだと感じています。一人ひとりはとても小さな力ですが、仲間が増えれば力になることを実感してきました。今回のエネルギーアクションも、おおぜいの人たちとともに進めていければと思っています」とこれからの決意を語りました。

パネルディスカッションのまとめとして、半澤彰浩エネルギー政策担当理事が次のように述べました。

半澤彰浩さん
「生活クラブでは意見書とともに、おおぜいの賛同のかたちとして署名も国に提出します。今回のディスカッションの中でパネラーのみなさんから、これからのアクションにつながるたくさんのヒントをいただきました。未来の子どもたちに、どんな社会を手渡すのかのキーとして再エネがあり、そこには市民の参加が大切だと分かりました。さらに小規模分散型の発電所がポイントであること、そして再エネの推進で社会の分断を生まないよう透明性を確保し、説明責任を果たすことが大切だと学びました。そして原発はいかなる場合でもダメだということも、改めて多くの人に伝えていければと思っています。」

各地の生活クラブの活動を、未来を変える大きなうねりに

今回のフォーラムの内容を受け、各地域で「エネルギーアクション」をすすめている実行委員を代表し、3名がメッセージを発信しました。
安藤真子さん
23区南生活クラブの安藤真子理事は「講師やパネラーのみなさんのお話から、子どもたちに今と変わらない未来を残すために活動をすすめていくパワーをいただきました。この熱を周囲に伝えていきたいと思っています」と語りました。
山口桂子さん
次にかわさき生活クラブの山口桂子理事から「エネルギーアクション」とともに、地域の方々とともにかわさき生活クラブがすすめている「気候危機アクションかわさき」の活動内容の紹介がありました。
そして「署名の呼びかけから気候危機への気付きをつくり、社会を変えていく仲間を増やしていきます。子どもたちが希望を持って生きていけるように、私たちができることをすすめていきましょう」とアクションへの参加を呼びかけました。
小倉香住さん
続いて生活クラブ大阪の小倉香住理事より「生活クラブの意見を国に提出する運動をすすめ、再生可能エネルギーを推進していく」という、本フォーラムの宣言文の読み上げが行なわれました。
実行委員からのメッセージの最後に登場した、生産者団体「親生会」の宮地本治事務局長は次のように述べました。
宮地本治さん
「近年の台風や洪水などの自然災害や地球過熱化は、農業や漁業をはじめとした生産活動に大きな影響を及ぼしています。自分たちにできることをしていこうと、各生産者は社屋などに太陽光パネルを設置したり、『生活クラブでんき』の利用をすすめたりしています。消費材を組合員のみなさんに安定的に届けること、そして未来の子どもたちにきちんと残していくことが自分たちの役目であると改めて思いました。」
最後にエネルギーアクション副実行委員長で生活クラブ連合会の桜井薫理事から、今回のフォーラムのまとめの挨拶がありました。
桜井薫さん
「さまざまな角度から、最新の情報を含めた提起をいただきました。行き過ぎた資本主義が生み出したといわれる、気候危機とコロナ禍。この2つの危機を本当の意味で乗り越えていくためには、どこかの地域や誰か、そして未来から搾取するような構造を変えていかねばなりません。私たちの選択が大きなカギになることが、本日のフォーラムでよく分かりました。各地域でエネルギーアクションを盛り上げて、大きなうねりをつくっていきましょう。」
生活クラブでは現在、この秋に改定が予定されている国のエネルギー基本計画に、再生可能エネルギーの推進と、原子力発電所の即刻廃止、石炭火力の2050年ゼロなどの政策を盛り込むことを求める、署名活動を展開しています。賛同いただける方はぜひ署名活動へのご協力をお願いします。


今回のフォーラムは、生活クラブ連合会のYouTubeチャンネルでご覧いただけます。
こちらから(公開は2021年6月30日までとなります)
https://youtu.be/wBucOdvCh2g
【2021年5月21日掲載】
 

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