時代のニーズに合わせて生まれた「骨取り消費材」~お魚をもっと身近に感じるための長崎県漁連の新たなチャレンジとは~
やさしく、手軽に、食卓にお魚を
近年、共働き世帯やコロナ禍での自炊機会の増加などにより、調理や食事に対して、より「簡単」「便利」が求められるようになりました。加工品も、温めるだけ、和えるだけ、のせるだけ、など、より加工度の高いものが時代のニーズだといえます。
長崎県漁連では、これまで骨付きの消費材を中心に製造してきました。これは「魚は生き物で骨がある」ということを理解して食べてもらいたいという思いからです。
そのような思いがある一方、魚食の普及には新たな需要に柔軟に対応することも必要だと考え骨取り消費材(※)の開発をスタートしました。
※生活クラブでは、消費生活に必要な「材料」としての質を第一に考え、「商品」ではなく「消費材」と呼んでいます。
長崎県漁連では、これまで骨付きの消費材を中心に製造してきました。これは「魚は生き物で骨がある」ということを理解して食べてもらいたいという思いからです。
そのような思いがある一方、魚食の普及には新たな需要に柔軟に対応することも必要だと考え骨取り消費材(※)の開発をスタートしました。
※生活クラブでは、消費生活に必要な「材料」としての質を第一に考え、「商品」ではなく「消費材」と呼んでいます。
骨取りは一本一本手作業で
骨取り作業は専門性が高く、また、1本でも骨が残ってしまうと消費材に対する信頼を失いかねないものです。そこで長崎県漁連の会員漁協であり、骨取り作業の実績がある「長崎市みなと漁協神ノ島支所」(以下みなと漁協)にて消費材を開発することになりました。
港のすぐ隣が工場です
周辺は美しく豊かな自然
みなと漁協の骨取り消費材は、作業の確実性を高めるため熟練した作業員が1本1本手作業で骨を除去しています。近年は加工機器の技術の向上により、骨取りを行なう製造機器もありますが、みなと漁協では手作業により確実に取り除くことを大切にしています。手作業で骨取りを行なうことにより、常に検品ができることから、骨の抜き残し防止に努めています。
従業員は地域の漁業者の女性部を中心に構成されていましたが、現在は高齢化が進み人材の確保が課題となっています。
従業員は地域の漁業者の女性部を中心に構成されていましたが、現在は高齢化が進み人材の確保が課題となっています。
加工前の原料魚
3枚おろしにします
1本1本丁寧な骨取り作業
工場内の様子
資源の有効活用にもなる長崎県漁連の骨取り消費材
みなと漁協では2つの骨取り消費材の取組みをしています。
「長崎県の真鯛切り身(骨・ウロコ取り)」
2022年9月に新規消費材としてデビュー。長崎県の真鯛の最盛期である3~5月に水揚げされた1kg前後の真鯛を原料に使用した消費材で、約50~80gの肉厚な骨取り切り身です。
「長崎県の真鯛切り身(骨・ウロコ取り)」
2022年9月に新規消費材としてデビュー。長崎県の真鯛の最盛期である3~5月に水揚げされた1kg前後の真鯛を原料に使用した消費材で、約50~80gの肉厚な骨取り切り身です。
「長崎産いさき切り身(骨・ウロコ取り)」
2023年1月に新規消費材としてデビュー。旬の時期のいさきは脂がのっていて、柔らかい身質が特徴です。特に皮と身の間にある甘味のある脂は旨味が強く上品な味わいです。おいしさをそのまま味わえる刺身や塩焼きが人気ですが、くせのない魚なので煮付けやムニエル、から揚げなど、どんな料理にもよく合います。イサキは他魚種と比較して、サイズのバラつきが多い傾向にあります。そのため、既存消費材「いさき(エラ・内臓抜き)」の規格では使用できない原料を余らせてしまうことが課題となっています。そこで、骨取り切り身という製品にすることで、食品ロスの軽減へ。骨取り製品への需要へ対応しながら、イサキ特有の課題を解決できる消費材として開発しました。
長崎県漁連から組合員へのメッセージ
組合員の皆様、いつも長崎県漁連の消費材をご利用いただきありがとうございます。今後も皆様からのお声を消費材に反映させながら、美味しくて安心して食べていただける消費材の製造に努めていきます。
右:長崎県漁連 池田弘聡さん
左:みなと漁協神の島支所 支所長 鶴巻康博さん
左:みなと漁協神の島支所 支所長 鶴巻康博さん
みなと漁協神の島支所のみなさん
●長崎県漁連について
長崎県漁業協同組合連合会(以下長崎県漁連)は、長崎県内の64漁業協同組合(以下漁協)を会員とする協同組合です。漁協と協同して事業を行ない、漁業生産能力の向上と漁業者の経済的社会的地位を高めることを目的に、水産業協同組合法に基づく事業を展開しています。
全国2位の海岸線の長さを持つ長崎県は多くの島々や半島・岬・湾を有しており、天然の良港と好漁場を形成しています。県内各地の漁港に水揚げされる天然魚介類は250種類を超えると言われており、四季折々の豊かな海の幸を美味しく食べられるよう県下の漁協や近隣の水産加工場と連携して日々製造しています。
生活クラブでは1981年に「煮干し」の取り組みをきっかけに提携を開始し、今では約50品目の消費材を取組んでいます。
この間、水産業のおかれている状況、問題点について情報を共有した上で開発した消費材も数多くあります。市場では知名度がないため人気が無く、値段が付きにくい大きさの魚を詰め合わせた「長崎パック」や、磯焼け対策のために採取、駆除しているムラサキウニを利用した「長崎産冷凍むらさきうに」(WEB数量限定品)などを開発してきました。
長崎県漁業協同組合連合会(以下長崎県漁連)は、長崎県内の64漁業協同組合(以下漁協)を会員とする協同組合です。漁協と協同して事業を行ない、漁業生産能力の向上と漁業者の経済的社会的地位を高めることを目的に、水産業協同組合法に基づく事業を展開しています。
全国2位の海岸線の長さを持つ長崎県は多くの島々や半島・岬・湾を有しており、天然の良港と好漁場を形成しています。県内各地の漁港に水揚げされる天然魚介類は250種類を超えると言われており、四季折々の豊かな海の幸を美味しく食べられるよう県下の漁協や近隣の水産加工場と連携して日々製造しています。
生活クラブでは1981年に「煮干し」の取り組みをきっかけに提携を開始し、今では約50品目の消費材を取組んでいます。
この間、水産業のおかれている状況、問題点について情報を共有した上で開発した消費材も数多くあります。市場では知名度がないため人気が無く、値段が付きにくい大きさの魚を詰め合わせた「長崎パック」や、磯焼け対策のために採取、駆除しているムラサキウニを利用した「長崎産冷凍むらさきうに」(WEB数量限定品)などを開発してきました。
【2023年1月9日掲載】