魚がとれないって聞くけど もう、食べられなくなっちゃうの?
鮭やサンマなど、食卓でおなじみの魚の漁獲量減少が続いています。生活クラブではそうした事態を受け、宮城県漁業協同組合(以下、宮城県漁協)の生産者が養殖した「ぎんざけ」の取組みを始めました。養殖魚の取組みを始めた理由を一緒に考えてみましょう。
※ 宮城県漁協は提携生産者の「全国漁業協同組合連合会」を通じてつながりのある漁協
このままだと天然の秋鮭が食べられなくなる!?
地球過熱化など環境の大きな変化により、世界的に水産資源が減っています。とくに天然の秋鮭(シロサケ)の漁獲量は約1/4まで減少。このままでは、当たり前のように食卓に並んでいた鮭が食べられなくなるかもしれません。安定的に鮭を食べ続けるために、大手の水産会社を中心とした「養殖」の取組みが広がっています。その一方で、漁業者が主体となった養殖も進められており、地域の漁業を存続するための新しいチャレンジとして注目されています。
育て方がすべてわかる宮城県産の銀鮭
宮城県は銀鮭の養殖が盛んな地域で、近年では国内生産量の約85%をしめています※。宮城県漁協では、養殖した親の鮭から採卵し受精させる「完全養殖」を行なっています。2019年から2021年にかけて産地視察を重ね、採卵から稚魚の育成、漁獲、消費材の「生ぎんざけ」になるまで育て方がわかり、環境負荷をかけない養殖法であることを確認しました。
※ 2021年度の全国水揚げ高:18,500トン
※ 2021年度の全国水揚げ高:18,500トン
宮城県のリアス式海岸に設置された生け簀
「養殖魚」の選択が持続可能な漁業の地域づくりにつながる
魚が獲れない状況が続けば、漁業の担い手がいなくなる事態になりかねません。宮城県漁協戸倉銀鮭養殖部会は、若手の後継者を中心に養殖にチャレンジしている漁業者です。漁業者同士が一体となり、飼料を統一し、話し合いながら改良を重ねています。
生活クラブでは「ぎんざけ」の取組みを通じて、「おいしい魚を育て続けたい」という生産者の想いと、「安心できる魚を食べ続けたい」という組合員の想いを重ね、持続可能な漁業による地域づくりをめざします。
生活クラブでは「ぎんざけ」の取組みを通じて、「おいしい魚を育て続けたい」という生産者の想いと、「安心できる魚を食べ続けたい」という組合員の想いを重ね、持続可能な漁業による地域づくりをめざします。
\志津川湾で育った自慢の銀鮭をご賞味ください!/
南三陸町では全国に先駆けて養殖銀鮭に取り組んできました。稚魚や育成の改良、出荷価格の低迷などの苦労を乗り越え、今では宮城県が銀鮭の生産量が国内でもっとも多い県となっています。町の三方を北上高地に囲まれ、いくつもの川からの豊富なミネラルが注ぐ志津川湾で育つ銀鮭。私にとって子どもの頃から身近な魚であり、最近は子どもや女性からも多くの支持を受け人気があります。
銀鮭は本当にキレイな銀色で、身はあざやかなオレンジ色です。いろいろな食材と組み合わせて新たなおいしさを味わいながら食卓を明るく彩ってください。
(宮城県漁業協同組合 戸倉銀鮭養殖部会 佐藤 正浩 部会長)
佐藤正浩部会長と戸倉銀鮭養殖部会のみなさん