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【日藝×生活クラブ 産学連携プロジェクト 成果発表会開催】生活クラブが推進する『せっけん運動』を約6ヶ月にわたって学生が取材し、「水は借り物」ということに気づく

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(本部:東京都新宿区、会長 村上彰一、以下生活クラブ)は 、2023年7月より日本大学芸術学部(以下、日藝)との産学連携プロジェクトに取り組んできました。本プロジェクトでは、生活クラブが提携生産者とともに実践してきた「せっけん運動」を日藝の学生13名が取材し、学んだ内容を基に水を切り口とした作品づくりに挑戦しました。そしてこの度、学生による成果発表会を2023年11月30日(木)に新宿区の生活クラブ連合会にて開催しました。

当日は、生活クラブ組合員や取材先となった生産者などオンラインを含めて100名超が参加しました。約半年に及ぶ生活クラブのせっけん運動の取材を通して学んだことや気づきを発表し、世代を超えた交流が生まれました。そして映像作品については生活クラブ公式YouTubeチャンネルで本日公開しました。

日藝の学生、教員、生産者、生活クラブの組合員・職員

プロジェクトテーマ、生活クラブの「水を守るせっけん運動」とは?

合成洗剤の多くは石油が原料となっており、水中での分解にとても長い時間がかかります。また、汚れを落とす成分のほかに、香料や洗濯物を白く見せる蛍光増白剤などが含まれています。それらの刺激が赤ちゃんや敏感肌の方のアレルギーなどを引き起こす原因になるともいわれており、魚などの水棲動物の生態系への影響も心配されています。

合成洗剤ではなく、天然由来で身体にも環境にもやさしいせっけんの使用を推進するための取組みが「せっけん運動」です。生活クラブにおいても1968年の設立当時は合成洗剤を取り扱っていましたが、環境と人体に与える影響への問題意識から1977年には取組みを中止し、合成洗剤は取り扱っていません。山形県の庄内地域や岩手県の重茂地区をはじめとした提携生産者のいる各地でせっけん運動に賛同し、ともに活動をすすめています。

今回の産学連携プロジェクトでは、生活クラブと日藝で話し合いを重ね、この「水を守るせっけん運動」が生活クラブを象徴する活動の一つであり、日藝の学生から次世代に繋がることを願い、テーマに設定しました。

つながるローカルSDGs「水を守るせっけん運動」特設ページ
 

学生によるプレゼンテーション(発表内容より抜粋)

■山形県庄内地域での取材を通して

鳥海山から湧き出る伏流水はおいしい米づくりに欠かせません。「上流で水を汚してしまうと下流に流れる川の水すべてに影響する。少しでも使用する農薬を少なくできないか日々試行錯誤しています」と語ったのはJA庄内みどり遊佐町共同開発米部会・池田恒紀さん。鳥海山の水質を守り、米づくりが続けられる環境を次世代へつなげるため、栽培方法の研究や新技術の導入に取り組んでいます。

1980年代後半、採石事業者が鳥海山を削る大規模な採石を行なっていました。鳥海山の環境や地下水脈を守ろうと、事業の中断を求める署名活動には、地域に住む住民の約半数が参加したといいます。

私たちが普段当たり前に使用している水に対して、自信と誇りを持っている庄内地域の方々は素敵だと思いました。鳥海山の伏流水が町中の至るところに流れ、水を身近に感じているからこそ、次に使う人のためにせっけんを利用してきれいな水を守ろうとする意志を感じました。
■岩手県宮古市 重茂地区での取材を通して

肉厚なわかめを試食し、わかめの茎取りを体験しました。わかめに切り込みを入れて茎から外す作業があることを初めて知りました。一つ一つの形や大きさが違うため、すべて手作業で慣れるまで苦戦しました。

豊かな海産物が獲れる岩手県宮古市重茂地区は、住民の約8割が漁業に関わる水に所縁の深い地域です。「水といえば海。重茂地区に暮らす私たちにとって、海から獲れる資源は生活に関わる大切なものだから、できるだけ環境に影響を与えるものは使わないよう、せっけんの使用を呼びかけています」と語ったのは重茂漁業組合の斎藤義治さん。

生活クラブの組合員との交流の中で合成洗剤が環境や水棲動物に与える影響について知り、重茂地区でもせっけん運動がはじまりました。すると、年々減少していたあわびの漁獲量が回復傾向になりました。
そして、重茂の海の美しさを再認識するきっかけとなったのは東日本大震災で重茂地区を襲った「青い津波」でした。約40年地域をあげたせっけん運動で海を守ってきた結果を、皮肉にも津波という形で知ったのでした。

自分たちが使って、流した水のその先を考える機会が今までありませんでした。しかし、水は確かに下水管を通り処理されて川に流れ、海に放たれます。その海で育った海産物を私たちは食べています。自分たちがやったことが自分たちに返ってくることを重茂地区の透き通った青い海が教えてくれました。

 
■ヱスケー石鹸株式会社を通して

せっけんをつくっている工場を見学しました。工場内の一部は真夏の暑さの方が涼しいと感じるほど高い室温。滑りやすくなっている床。ゴウゴウと唸りをあげる機械。そんな大変な環境で整然とせっけんづくりをしている従業員の「真剣さ」に感動しました。

「現在は下水処理機能が向上したことで目に見えづらくはなっていますが、生活排水による合成洗剤の環境への影響は今も存在しています。生活クラブの組合員は、未来を担う子どもたちのためにも環境負荷の低いせっけんを使う運動をはじめました」と語ったのはヱスケー石鹸の木曽基之さん。

私たち学生が考えるせっけんの魅力の1つ目は、物を選ぶストレスがなくなることです。せっけん1つで手や体、髪を洗ったり、食器を洗ったり、換気扇の油汚れなど掃除にも使えます。どこにどの洗剤を使うか迷うことがありません。2つ目は、肌にやさしいこと。肌が弱いアトピーの方にもおすすめです。家中のどこにでも使える万能選手で且つ、余計なものが入っていないから安心して使える。もう使わない選択肢はありません。

■まとめ

約半年にわたる各生産者の取材を通して学生の私たちが気づいたことは「水は借り物」ということです。図書館の本のように次に使う人のために大切に使わなければならないと学びました。生活クラブの取組みを取材する道のりはまさしく、「水をめぐる旅」でした。日本有数の米どころ山形県庄内地域では、水とともに生き、水資源を守りながら農作物をつくる人々に出会いました。東北屈指の海産物の産地である岩手県重茂地区では、漁業に携わる人々の海への想いと誇りを学びました。環境に負荷の少ない洗浄剤として「せっけん」の可能性を探るため、ヱスケー石鹸株式会社を訪ねました。安心・安全でおいしいものをつくる生産者の情熱と、生活クラブの活動全般に通じる持続可能性への強い意志が伝わりました。それらを具現化したものが「水を守るせっけん運動」だと改めて感じました。

便利なもので溢れる世の中だけれど、取材後の今でもせっけんを使い続けている学生はいます。若者にもせっけんは魅力的に感じることはもちろん、この取材を通して水を大切にしてせっけんを使う人々をたくさん目の当たりにしたからだと考えます。せっけんを使い続ける姿を身近な人に見せることで、せっけんを使うことが当たり前だと思えるようになります。まずは家の中でせっけんを使い続けること。小さなことですが、そうすることで身近な人や若者にもせっけんを広げることができると思います。私たちが制作した成果物がその一助になれば幸いです。

日本大学芸術学部による作品

本プロジェクトの成果物として、参加学生が今回の取材を通して学んだこと/感じたことを基に制作した冊子やポスター、映像作品が発表されました。これらは生活クラブの「水を守るせっけん運動」の更なる推進のために今後組合員活動で活用されます。


冊子「水をめぐる旅」
映像作品①
【生活クラブ×日藝】産学連携プロジェクト 「水は借り物」

 
映像作品②
メイキング動画~水は借り物~

ポスター
発表をする学生
 
ヱスケー石鹸㈱のせっけんのパッケージをモチーフにしたネイルアートをして発表会に臨んだ学生

生活クラブの組合員・取材先の提携生産者からのコメント

■生活クラブの組合員より

「学生のみなさんが生産者と直接ふれあって水の大切さを学び、感動したことに私も感動しました。『水は借り物』という言葉が印象的で、これからのせっけん運動にこの言葉を使っていきたいです」、「長年せっけん運動を続けていますが、若い世代に魅力が伝わらないことが課題でした。手荒れしない、アトピーにも使える、環境にもいいことを理解してもらうまでが大変です。私たち組合員も本日学んだことを伝えていくので、学生のみなさんも学んだことを多くの方に広げていってもらえたら」などコメントがありました。
 
■ヱスケー石鹸株式会社 代表取締役社長 倉橋和良 様

自分の子どもと同世代のみなさんがせっけんについて学び、今も使い続けているという声が聞けて嬉しいです。せっけんのパッケージのネイルアートも素敵ですね。冊子に記載の「せっけんは時間が経つと黄変したり、劣化する」ということが、かえって長所なのではと気づきました。余計なものが入っていないということだからです。若い世代に向けてSNSウケするパッケージデザインなどを検討し、次の一手を考えていきたいです。
 
■庄内みどり農業協同組合 遊佐町共同開発米部会 池田恒紀 様

組合員の声から無農薬のお米の栽培をはじめました。長年、無農薬栽培をしていると、田んぼは雑草だらけで畑のような風貌です。今年の夏は暑くて水の循環について考える1年でした。他の生産者の水についての取組みも今回知ることができて良い機会でした。『水は借り物』という言葉が象徴するように普段考えているつもりでしたが改めて学生のみなさんに教えてもらいました。
 
【2024年1月10日掲載】
 

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