「未来を明るくミルクビジョン」中間報告会を開催しました
生活クラブは、近年続く飼料の価格や生産コストの高騰により、経営的な困難に直面している酪農家を応援するため、2023年3月から「2円で応援!未来を明るくミルクビジョン」を開始、酪農家が安定的な生産を維持できるよう基金の設立などに取り組んでいます。その活動報告として、6月6日(木)に「未来を明るくミルクビジョン」の中間報告会を開催。生活クラブ連合会の会場だけでなく、オンラインも併せて、組合員や提携生産者など160名以上が参加しました。
はじめに生活クラブから、2023年2月の「酪農応援緊急カンパ※」、同年4月に開始した「酪農応援基金※」へのおおぜいの組合員の参加で合計7,634万円の支援金が集まったこと、ならびに、2024年度も酪農応援基金を継続して実施することを報告しました。この支援金は各酪農組合を通じて生産者に届けています。
※酪農応援緊急カンパとは…飼料などを取り巻く不安定な情勢と生活クラブが提携する酪農3組合からの支援の要請を受け、2023年2月から3月の間、1口500円で行なったカンパです。(期間合計5,487万円)
※酪農応援基金とは…牛乳1品目につき一律2円を共同購入価格にプラスし、提携する酪農家に定期的に寄付しています。(2023年度合計:2,147万円)
★牛乳応援基金について詳しくはこちら
「牛乳応援基金」って一体どんなものなの?(2024年5月13日掲載記事)
はじめに生活クラブから、2023年2月の「酪農応援緊急カンパ※」、同年4月に開始した「酪農応援基金※」へのおおぜいの組合員の参加で合計7,634万円の支援金が集まったこと、ならびに、2024年度も酪農応援基金を継続して実施することを報告しました。この支援金は各酪農組合を通じて生産者に届けています。
※酪農応援緊急カンパとは…飼料などを取り巻く不安定な情勢と生活クラブが提携する酪農3組合からの支援の要請を受け、2023年2月から3月の間、1口500円で行なったカンパです。(期間合計5,487万円)
※酪農応援基金とは…牛乳1品目につき一律2円を共同購入価格にプラスし、提携する酪農家に定期的に寄付しています。(2023年度合計:2,147万円)
★牛乳応援基金について詳しくはこちら
「牛乳応援基金」って一体どんなものなの?(2024年5月13日掲載記事)
登壇者からのコメント
報告会では、生活クラブのパスチャライズド牛乳の生産者団体である新生酪農クラブ(千葉県)、那須箒根酪農協(栃木県)、南信酪農業協同組合(長野県)より、酪農家の現状や、課題を解決するためのチャレンジと、基金に対する感謝のメッセージが語られました。
新生酪農クラブ 大塚優組合長
厳しい情勢の中、酪農を辞めたいという会員の相談を受けることもありますが、生活クラブの組合員のみなさんからの基金の存在に助けられています。おおぜいの組合員が応援してくれているから、もう少し頑張ろうと踏みとどまってくれた若い酪農家や、この取組みがきっかけになり、新たに組合に参加してくれた酪農家の例などもあり、大きな成果だと感じています。今後も円安などにより先行きが不安定となることが予想されますが、牛乳の生産が続けられるよう頑張りたいと思っています。まだまだご支援をいただけると嬉しいです。
那須箒根酪農協 業務課長 渡辺芳信氏
72度15秒間のパスチャライズド殺菌の基準をクリアできる牛乳をつくるためには、衛生管理の徹底が欠かせません。清潔を保つため、牛の乳頭をぬぐう際は組合員のみなさんからいただいたタオルを活用しています。気候変動もあり、牛たちの暑さ対策などのコスト上昇にも苦慮していますが、応援してくださる組合員のみなさんにこの場をお借りして御礼申し上げます。
那須箒根酪農協 乳質委員長 藤田徹副組合長
那須箒根酪農協では、乳質改善の取組みの一環として、原料となる生乳の耐熱性菌を調査する委員会を立ち上げ、それぞれの酪農家にあわせた指導を実施しています。菌数が増加している場合は、原因の特定と解決をめざすとともに、記録を残し組合員内で共有することで、安心して飲めるパスチャライズド牛乳の品質を維持しています。
南信酪農協 指導事業部部長 市岡英昭氏
2022年4月には、生産コストが収益を上回ってしまうという危機的な状況が発生しました。組合員のみなさんからの応援基金をはじめ、行政からの支援なども活用しつないできましたが、現在も行き先が見えない状況が続いております。輸入飼料高騰の対策として飼料の自給もはじめていますが、一方で飼料づくりに使用する機械や資材などの購入費や、機械のメンテナンス費用、担い手となる従業員の雇用も必要となっています。ぜひそういった背景にも想いを馳せていただき、今後も牛乳の利用をお願いします。
南信酪農協 酪農家 佐藤勝彦氏
佐藤牧場では現在、本格的な自給飼料の増産をすすめています。牧場のある長野県松本エリアでは、一次産業の担い手の高齢化により、遊休耕地が増加しています。そういった農地を譲り受け、デントコーンや牧草などの飼料の栽培や、そばの実を収穫した後の空いた畑をお借りしてライ麦の二毛作を行なうことで地域資源の活用につなげています。けっして環境のよい畑ばかりではありませんが、空きになる農地があれば引き受け、地域や行政とも情報交換をすることで、飼料栽培の面積を増やしています。
生活クラブ埼玉 大宮ブロック所属 峰松幸江さん
「牛乳がおいしい!」ということがきっかけで27年前に生活クラブに加入し、牛乳を毎日欠かさず飲んでいます。本日は生産者のみなさんの努力や苦労などを伺って、あらためて牛乳を飲み続けられるありがたさを実感しました。
大宮ブロックでは牛乳を飲む人を増やすため、アンケートやイベントの開催、パスチャライズド牛乳の特徴を知ってもらうためのニュースコラムの定期発信などで利用を呼びかけています。また、地域の幼稚園の給食にパスチャライズド牛乳を利用してもらうことで、牛乳の消費量を増やすと同時に、牛乳を飲んで育った子たちが未来につないでくれることを願っています。
大宮ブロックでは牛乳を飲む人を増やすため、アンケートやイベントの開催、パスチャライズド牛乳の特徴を知ってもらうためのニュースコラムの定期発信などで利用を呼びかけています。また、地域の幼稚園の給食にパスチャライズド牛乳を利用してもらうことで、牛乳の消費量を増やすと同時に、牛乳を飲んで育った子たちが未来につないでくれることを願っています。
生活クラブ連合会 村上彰一会長
牛乳の共同購入の開始以来、酪農を取り巻く環境は常に変化してきました。それぞれの課題に対し、組合員と生産者が話しあい政策を立ち上げ解決をしてきたことで、現在のパスチャライズド牛乳の共同購入が成り立っています。この間、生活クラブでは豚や鶏の飼料の自給化はすすみましたが、世界的な輸入飼料価格の高騰などの状況もあり、牛の飼料の自給化についても喫緊の課題であると捉えています。生活クラブは基金などを通して、飼料の自給化のチャンレジを応援するとともに、酪農家の生産基盤の安定をめざします。生活クラブ連合会 連合消費委員会副委員長 豊崎千津美さん
本日の報告会では、生産者のみなさんの厳しい現状を再確認するとともに、基金によって酪農家が増えた、自給飼料の拡大に挑戦できたというお話を伺い、基金が確実に届いているということを実感する機会になりました。消費材にはそれぞれストーリーがあり、組合員一人ひとりとの出会いがあります。私もパスチャライズド牛乳がきっかけで生活クラブに加入しましたが、そのまま飲むだけではなく、コクや旨みを活かして調理に使うなど、今では食卓に欠かせない、替えの利かない存在となっています。基金などを通じて酪農家を応援できることは、生活クラブが自分たちの工場を持っているからこそできることだとあらためて確認しました。今後もこの牛乳を飲み続けていけるよう、「人に伝える」ということに立ち返り、パスチャライズド牛乳の価値を知ってもらうための活動をすすめていきます。
【2024年6月14日掲載】