「計画的労働参加30周年記念集会」を開催しました
 

生活クラブでは、体験型の「援農」ではなく「労働参加」として、組合員やその家族が有償で農作業を行なう「計画的労働参加」に取り組んでいます。「信州トマトジュース」はこの計画的労働参加でつくられており、今年で30年の節目の年を迎えました。そのことを祝い、2024年10月11日（金）に栽培産地である長野県で「計画的労働参加30周年記念集会」を開催。集会には、加工用トマトの生産農家やトマトジュースを製造する生産者などの関係者、組合員ら37人が一堂に会し、計画的労働参加の歴史や意義を振り返ったほか、今後のさらなる展望について確認しました。

「計画的労働参加」は、組合員が無償でお手伝いするのではなく、いち労働力として生産に参加し日当を受け取ります。その費用や必要経費は信州トマトジュースの原価に組み込まれるため、トマトジュースを購入することでも間接的に「計画的労働参加」の活動を応援できるしくみとなっています。

加工用トマトの計画的労働参加がスタートしたのは1995年。高齢化や後継者不足に悩むトマト農家のために、生活クラブと、提携生産者の雪印メグミルク（株）やトマトジュースを製造する長野興農（株）、JAながの飯綱トマト部会、ながの農業協同組合が力をあわせすすめてきました。

集会は信州トマトジュースによる乾杯で始まり、和やかな雰囲気に包まれながら進行しました
 

集会ではこれまでの30年をスライドや映像で振り返り、生産者と組合員が直接かかわりながら、「つくり続ける・飲み続ける」ことができる関係が継続してきたことを確認しました。

加工用トマトを栽培するJAながの飯綱トマト部会長の池田繁則さんは「私たち農家も高齢化し、30年前よりだいぶ軒数が少なくなりました。そんな中でも、計画的労働参加で手伝っていただいてる組合員のみなさんのおかげで継続することができています。今後、次の世代にも参加していただき、交流を深めながら生産量を増やしていけたらと強く思っています」と語りました。

また、当日は30周年を記念してつくられたオリジナルのタオルが参加者に配布されました。タオルを作成した雪印メグミルク（株）の田角英明さんは「これまで30年にわたり、みなさんがつないできた計画的労働参加への思いをなにか形にしたいと考えてつくらせていただきました。トマトの収穫に参加した際には、このタオルを持って汗を拭ってもらえたらうれしいです」と語りました。

オリジナルのタオルを披露する田角さん（左）。「30」の文字をトマトのイラストで表現しています


ほかにも、計画的労働参加で加工用トマトの収穫に参加した組合員からのメッセージ動画が上映され、生産の現場を実際に体験した組合員の声が共有されました。

メッセージ動画はこちら

加工用トマトは地面を這うように広がって育つ露地栽培。日陰のない畑で夏の盛りの1カ月間、次々と色づくトマトに追いかけられるように収穫作業を行なうのは農家にとってかなりの負担です。そんな中でも継続することができているのは、計画的労働参加があるからこそ。組合員の力は何ものにも代えがたいものとなっています。

生活クラブ長野理事長の有沢ひとみさんは「私たちの消費者運動の一番は、やっぱりこの計画的労働参加に代表されるような生産の現場に伺うことだと思っています。今回の集会で30年の歩みを振り返り、みなさんのお話をお聞きしたことで、私たちの取組みが力になっているとあらためて実感しました。そして、この計画的労働参加をもっと広めていきたいと思いました」と語りました。

今回の集会では、これからの30年を見据えて、計画的労働参加を未来につないでいくというお互いの意思もあらためて確認されました。生活クラブでは、これからも組合員と生産者が手を取りあう活動に励んでいきます。
まずはトマトジュースを飲むことから、組合員と生産者の輪に加わってみませんか。

【2024年11月15日掲載】