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広がる輪、深まる絆 「2024年度庄内豪雨災害復興支援活動報告会」を開催しました


 
2025年2月10日、「2024年度庄内豪雨災害復興支援活動報告会」が山形県遊佐町の鳥海温泉遊楽里「鳥海文化ホール」で開催されました。2024年7月25日の豪雨被害を受け、支援に関わった生産者、遊佐町役場や庄内みどり農業協同組合(以下、JA)の職員など、庄内地域の関係者63人が現地参加。また、生活クラブ組合員を中心に72名がオンラインで参加しました。
遊佐町・JA庄内みどり・生活クラブ連合会が協力しあって、これまでにない規模で行なわれた支援活動。どのような取組みがされたのか、また活動によって得られたものについて、それぞれの立場から共有されました。

すべての農家、町全体の復興をめざして

まずはじめに、生活クラブ連合会鵜澤義宏氏から、支援活動の概要を報告しました。

今回の被害を受け、生活クラブの組合員や職員、TOCHiTOを通じた移住者など延べ256名がボランティアとして参加し、支援活動を行なったこと、また、「庄内豪雨復興支援カンパ」として組合員から約4,700万円ものカンパが寄せられ、遊佐町、酒田市、JA庄内みどりほか庄内の生産者へ届けたことが伝えられました。

鵜澤氏が現地に入ったのは、災害から一週間後のこと。崩れた崖、削れた川岸、土砂や流木が残った田んぼ……そこには目を覆いたくなる光景が広がっていました。どのような形で支援をすすめるべきか、生産者や遊佐町と協議を重ねたといいます。

「生活クラブの米生産者だけではなく、すべての生産農家、また被害を受けた町全体が復興しなければ、持続可能な農業を守ることにはなりません。すべての生産者が可能な限りの米を収穫できたのは、組合員が『自分たちの田んぼ、町なんだ』という思いでかかわった結果です。これが未来の米づくりにつながっていくでしょう」

生活クラブ連合会 鵜澤義宏氏

※TOCHiTO(とちと)…生活クラブと山形県酒田市が連携して建設・運営する、移住者のための住まいと地域の交流拠点。

次は、各団体代表からのメッセージです。
 

■生活クラブ連合会会長 村上彰一氏


「過去の災害時に職員は派遣しましたが、組合員が現地に行くのは今回が初めて。2016年に生活クラブ、遊佐町、JA庄内みどりが「大規模災害時の相互協力協定」を結んでから初の活動でもありました。遊佐は生活クラブの重要な生産地で、組合員にとってもかけがえのない場所。50年にわたり築いてきた関係が今回の活動につながりました。地域農業と日本の食を守り、持続可能な社会をつくる。そんな共同宣言のめざすところを災害への行動でひとつ示せました。今後も長く関係性を深めていければと思います」

生活クラブと遊佐町・JA庄内みどりが「大規模災害時の相互協力協定」を締結しました(2016年5月13日掲載活動レポート)
 

■遊佐町長 松永裕美氏


「復興支援活動にご尽力いただき、深く感謝申し上げます。全国から来てくれた組合員、生活クラブの職員、JA職員、町職員が一丸となって立ち向かい、無事に稲刈りまでたどり着きました。生活クラブからのカンパは、町民の生活再建の一助となります。被災された方々が笑顔あふれる暮らしに戻れるよう、引き続き全力で臨んでまいります」
 

■JA庄内みどり遊佐町共同開発米部会 会長 今野修氏


「当日は消防団として町民の安全を守りながら、自分の圃場が流れていくのを見ていました。駆けつけてくれた生活クラブの職員の『組合員の米を守るために来た』という言葉を聞いて、少しでも多くの米を届けようと気持ちを切り替えました。組合員の方々が暑いなか田んぼから流木や土石を運んでくれたのですが、うれしかったのは、生活クラブの米を育てる田んぼ以外でも作業してくれたこと。遊佐町の生産者にとって生活クラブは大きな存在。先輩たちがつくり上げてきた絆をさらに深め、災害に強いまちづくりにもつなげていきます」

あの日の豪雨がもたらしたもの

後半は、生産者、遊佐町職員、組合員によるパネルディスカッションが行なわれ、それぞれの立場から今回の支援活動を振り返り、思いを語りました。

<ファシリテーター>
生活クラブ連合会 顧問 伊藤由理子氏

<パネリスト>
JA庄内みどり 遊佐支店長 佐藤正氏/遊佐町企画課企画係 主任 高橋愛氏/JA庄内みどり 理事 小野寺一博氏/多摩南生活クラブ 理事長 椿多見子氏/生活クラブ神奈川 副理事長 籠嶋雅代氏/生活クラブ埼玉 共同購入政策担当理事 田邉晶子氏/生活クラブ千葉 理事長 福住洋美氏
 

■JA庄内みどり 遊佐支店長 佐藤正氏


「豪雨後の8月は、稲刈り準備で多忙な時期。多くのボランティアに作業いただき大変助かりました。みなさんの汗の重さを受け止め、一粒でも多くの米を届けようと決意しました。災害ボランティア受け入れは初めてでしたが、JA庄内みどり内で研修を行ない、今回の『生きたマニュアル』をしっかり浸透させて、いざというときに備えたいですね」
 

■遊佐町企画課企画係 主任 高橋愛氏


「遊佐町は、ボランティアの休憩所や宿泊施設の確保、飲料水の運搬など、生活クラブと関係機関をつなぐ役割を担いました。初めて顔を合わせる方々のチームワークのよさに驚きました。今回の支援について、庄内に訪れる生活クラブ組合員のみなさんと共有したり、遊佐の子どもたちにも知ってもらうなど、活動の振り返りをしていきます」

 

■JA庄内みどり 理事 小野寺一博氏

 
 
「杉沢地区では道路が水浸しになり、田んぼには水や流木が押し寄せました。米はダメかなとあきらめかけましたが、東日本大震災のときに生活クラブの人が助けてくれたことを思い出し、希望を持てたんです。農道の整備や砂利をトラックに積む作業を、力をあわせてやってくれました。ボランティアの人同士で、休憩をこまめにとったり水分補給をしようと声をかけあう様子を見て、作業に慣れない人への配慮の仕方を知りました。雨のときはハウスで作業したり、人数が多いときには班分けするなどすすめ方もつかめてきたので、今後にいかしたいですね」

 

■多摩南生活クラブ 理事長 椿多見子氏


「10月上旬、大豆畑に流された砂利を道路に押し上げる作業をしたのですが、みんなで協力していると、きっと乗り越えられる!と力強い気持ちが沸いてきました。東京に住む私たちは、地方のエネルギーに頼るしかありません。『つくり続けてもらうために食べ続ける』とよく言いますが、今回のことで『つくる』ところから積極的にかかわる必要性を感じました」

 

■生活クラブ神奈川 副理事長 籠嶋雅代氏


「9月、10月にボランティアとして3度訪れお手伝いをしました。今野会長の『待っている組合員がいるから絶対につくる』という一言で、思いがひとつになりました。私たちの米を育てる田んぼだけでなく、庄内全体が幸せであってほしい、この場を救いたいと。全国から集まって活動した多くの人に、生産者との距離が縮まった今回の経験を地元で話してもらい、組合員、生産者、遊佐、庄内とさらに連携を強めていきたいですね」

 

■生活クラブ埼玉 共同購入政策担当理事 田邊晶子氏

 
「10月に酒田市で、民家の裏庭から土砂をかき出す作業をしました。通行止めの箇所を迂回しながら酒田に入ったら、まだがれきだらけ。復興は簡単ではありませんが、私たちが来たことで生産者が『今年もお米を収穫してみよう』と思ってくれて、励みになりました。私たちが現地で支援にかかわれたのは、組合員のカンパのおかげ。来られなかった人の思いも背負っていったつもりです。これからもいっしょに、おいしいものをつくって食べ続けていきたいです」
 

■生活クラブ千葉 理事長 福住洋美氏


「9月に、田んぼや鮭の孵化場から流木やゴミの撤去作業をしました。生産者の方が『来てくれて元気が出た、仲間だね』と感謝してくれて、辛いこともシェアできる関係っていいなと。食の未来のために、目の前の現状をどうにかしたいと心がひとつになりました。消費材もそうですが、日々よくしていきたい気持ちがあれば、いろんなことに立ち向かえる気がします。現地へ行けなかった人たちにも、産地とつながっている、貢献していることが確認できるような発信をしていきたいです」

※生活クラブが取り扱う食品や生活用品は、利益を得ることが目的の「商品」ではないという意味を込めて「消費材(しょうひざい)」と呼んでいます。

逆境を力に変えて新たな一歩を

パネルディスカッションの締めくくりとして、ファシリテーターの伊藤顧問が次のように語りました。

「この支援活動が実現できたのは、生活クラブと庄内の50年以上にわたる連携と、人と人との交流があったから。過去にかかわった数えきれないほどおおぜいの組合員や職員たちの積み重ねあってこそです。
約4,700万円にのぼるカンパ金は、直接来られなくても遊佐に思いを馳せている人がたくさんいることの証です。そのおかげで大規模な派遣が可能になりました。この成果を、カンパしてくれた人たちに返さなければなりません。今回の新たな経験を伝える場を積極的につくっていきましょう。災害時などの緊急事態ではなくても、人の力で得たものを伝え、財産にしていく必要があります。
米を取り巻く状況は大変厳しいですが、今回のことが組合員の『食べる力』につながるように、また新しく加わる組合員にも伝えられるように、みなさんそれぞれの場で、枯らすことなくつないでいきましょう」

生活クラブ連合会 顧問 伊藤由理子氏

その後、支援を受けた生産者11名からのビデオレターが上映され、思いのこもった言葉で感謝が伝えられました。
 

最後に、JA庄内みどり代表理事組合長田村久義氏から、閉会のあいさつがありました。

「延べ256名もの方が1ヶ月半にわたって田んぼやハウスに入り、土砂を片づけて稲の手刈りまでしてくれました。また組合員のみなさまから多額のカンパ金をいただき、心から感謝申し上げます。米の新種開発や栽培技術の確立など災害に強い農業をめざしていこうと、思いを新たにしました。
今回のことで、これまで築いてきた絆がさらに強くなり、もっともっと大きい輪になりました。今後ともみなさまにご尽力いただき、この輪を広げていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました」

JA庄内みどり代表理事組合長 田村久義氏

これからも生活クラブは、人と人のかかわりを大切にしながら、産地との絆を深めていきます。
【2024年3月11日掲載】

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