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多様な人たちが集まるパン屋さんを、多様な人たちが経営する 「みんなのかまど」(長野県)【前編】

【連載】みんなで広げる たすけあい


生活クラブグループの生協や関連団体では、福祉・たすけあいの活動や事業が各地でとても豊かに展開され、さらに広がりをみせています。これらの取組みを紹介します。
 

長野県岡谷市にあるパン屋さん「みんなのかまど」。いまでは、多様な人たちが集まる「居場所」にもなっています。しかし、一朝一夕でここまで来たわけではありません。さまざまな課題に直面し、その都度乗り越えてきました。

【前編】

おいしいパン

私は「ごはん派」を自認しているのですが、あまりのおいしさにパンをたくさん買って帰ることになりました。
朝のパン作りの撮影を終えた後、お昼に食べたパンが本当においしかったからです。
 
お店には美味しいパンがたくさん並びます

みんなのかまど

そのパン屋さんは「みんなのかまど」。
生活クラブ生協長野の本部センター(長野県岡谷市)の1階にあります。
国産小麦粉や天然酵母、そして生活クラブの材料もできるだけ使います。
おいしいパンを、地域の人や生活クラブの組合員のために作っています。
 

パンの作り手は「ワーカーズ・コレクティブ地域のかまど」のメンバーたち。
働きづらさを抱えた人も含めて、お互いの状況を認め合いながら一緒に働いています。
※働く人の協同組合。働く人全員が出資し、経営に責任をもち、労働を分担します。

この日のパン作りの様子を、朝の6時から見学させてもらいました。
2月の朝6時ですから、お店の前の通りはまだこんな感じです。

まだ雪が残ります

さっそく工房におじゃましてみましょう。

パンを作る

作業は6時に始まります。
何をどれだけ作るかは、前日に計画してあります。
この日も20種類以上のパンを作ります。

前日から仕込んでいた生地を取り出し、それをスケッパーで切ったり、手で小さく分けたり、機械で伸ばしたり。
※薄く平らなカード形の道具で、パン作りやお菓子作りなどに使われる。
 

あるいは、さつまいもを蒸かしたり、トッピングの材料を並べたり。
 

さらには、生地を成形して、トレーに並べて、窯に入れたり。
 

やることはとてもたくさんです。
10時半の開店に向けて焼き上げなければなりませんので、みんなの協力が必要です。
 

個性豊かな作り手たち

「ワーカーズ・コレクティブ地域のかまど」の代表・岡澤三保子さんは大黒柱のような存在です。
生活クラブ生協長野の理事として、「就労支援プロジェクト」で「みんなのかまど」の立上げを構想しました。
※生活クラブ長野が「誰もがつながりを持って、安心して暮らせる地域」をつくることを目的に2019年に立ち上げたプロジェクト。議論をする中で、障がいを持つ人をだけではなくさまざまな人が「共に働く」場づくりを目ざすことになった。

構想したのは良いのですが、具体的な担い手は見つかりません。
「誰がやるの?」という問いに、「私がやります」と手を挙げたのが岡澤さんです。
 
岡澤三保子さん

その岡澤さんに対して、ときには「ツッコミ」を入れながら、ときには技術指導をしながら、楽しそうにパン作りに励むのは清水颯斗さん。
ムードメーカーといった感じの清水さんは、「計量の清水」という異名を持ちます。
 
清水颯斗さん

篠原圭司さんは、黙々と仕事に集中しながら、手際よく作業をすすめます。
パンづくりだけではなく、事業に関する提案にも積極的で、「地域のかまど」に欠かせない存在です。
早朝からお昼頃までここで働き、それ以降の時間を小さなお子さんとともに過ごすことができます (現在、「みんなのかまど」での仕事を終えると、不登校の子ども達の居場所「ステップ」に関わっています)。
 
篠原圭司さん

上原栄二さんはパン作りの元職人で、作業の最中は真剣そのものです。
「みんなのかまど」のおいしさの元を辿っていくと、上原さんの技術に行きつきます。
 
上原栄二さん

8時頃になると小倉佳美さんと松本ゆかりさんが加わります。
6時から作業を続けてきた人たちにとって、このタイミングで仲間が加わることは、大きな力となるようで、さらに活気が溢れます。

 
この日はお休みでしたが、「地域のかまど」の大切な仲間はあと2人います。
いろいろな出会いがあり、現在8人で「みんなのかまど」を運営しています。

そして、この8人のメンバーだけではなく、「みんなのかまど」にはさらにさまざまな人たちがやって来ます。

「みんなのかまど」に集う人たち

児童養護施設の子どもたちの自立前の就労体験「ミニバイト」(長野県の社会福祉協議会の事業)の登録事業者として市内の子どもの受け入れをしました。
「体験終了後、『お世話になった人へのお礼に、パンをあげたい』と買いに来てくれました。うれしいです」と岡澤さん。

地域の中学校の職場体験では、支援学級の生徒を受け入れたこともあります(その生徒は3月に中学を卒業し、5月からみんなのかまどで一緒に働くことになりました)。

有償ボランティアとして登録している人たちも、スタッフの手が回らない時の助っ人として支えてくれます。

そして、お店は地域の「居場所」にもなっています。
お店の向かいの団地にお住まいの高齢者、地域で子育てをしている親、生活クラブの組合員などさまざまな人たちがやってきます。

 
棚貸しの商品を補充に来た「社会福祉法人つばさ福祉会」のメンバー

仲間をもっと迎えるために

いまでこそ8人の仲間で運営し、さまざまな人たちが集う場になった「みんなのかまど」ですが、じつは以前はたくさんのパンを作ることができず、働く仲間を増やすのが難しい状況にありました。

2台の窯のうち、1台が老朽化のため壊れていて、十分な量を焼くことができなかったからです。

仲間を増やすには事業を広げなければなりません。
事業を広げるには、設備を充実させなければなりません。

岡澤さんたちは、その方法に頭を悩ませます…。


※後編に続きます。
【2025年5月14日掲載】
 

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