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「つながりづくり助成」を活用して立ち上げ  「にじいろコミュニティファーム」(山梨)【前編】

【連載】つながりづくり助成

地域のつながりや支え合いをつくるための「つながりづくり助成」。
各地で元気に展開している団体の活動をレポートします。

「にじいろコミュニティファーム」は、生活クラブ甲府センター近くの農地(約400坪)を借りて、無農薬・無化学肥料で野菜を育てるファーム活動です。

生活クラブ山梨は、県内で活動する子ども食堂のネットワーク「やまなし地域こども食堂グループにじいろのわ」(以下、にじいろのわ)に参加し、生活クラブ以外の人たちとも連携しながら、食支援に取り組んできました。コロナ禍では、フードドライブで食品や日用品を集めてフードパントリーとしてひとり親家庭や支援を必要とする人につなぐ活動を行ないましたが、「食材を渡すだけでなく、子どもたちにも作物をつくり収穫することに携わってもらいたい」との思いから、コミュニティファーム構想につながりました。高齢のため農業をやめようと考えていたため耕作放棄地になりそうだった農地を、有効活用してくれるならと貸してくれる人と出会い、インストラクターとして農業指導してくれる専業農家である原田空穂さんの協力を得て、構想の具体化につながりました。

立ち上げの際にリードしていた方から現在のメンバーに引き継がれましたが、「つながりづくり助成」を知り、この機会に「にじいろコミュニティファーム」を団体として新規に立ち上げ、活動に必要な農機具を揃え、みんなが集まれる活動や楽しい場所ができればと申請に至ったそうです。

食材を提供する「つなぐ役割」に方向性を見出す

当初、にじいろコミュニティファームでつくったものを使って自分たちで子ども食堂をやろうという考えもあったそうです。しかし、「たんぽぽ食堂」や「WakuWakuの家(子どもの居場所)」をはじめ、山梨の各地域の子ども食堂では、どこも人手や食材が足りないという話を聞きます。加えて、継続していくには資金の課題もあります。そう考えた時に、子ども食堂に食材を提供するというやり方もあると思い至ったとのことです。

フードバンクでは、乾物や保存食品と比べて、生鮮食品はなかなかなく、ニーズは高いと言われます。実際、畑で収穫した野菜を子ども食堂に持っていくとすごく喜ばれ、子ども食堂のスタッフからも「本当に助かる」「ありがとう!」と感謝され、子どもたちからも「美味しかった!」との声を聞きます。そんなに回数はできないけれど、収穫物があればそういう助けもできる。子ども食堂からのニーズも高く、子どもたちの成長に欠かせないけど、不足しがちな野菜を補ってもらいたい。方向性がやっているうちに見えてきたとのことです。

畑でジャガイモや玉ねぎ、さつまいもなど、野菜を育て、収穫できた野菜は、フードパントリーや子ども食堂に提供しています。また、種や苗、有機肥料を購入するためにマルシェに出店し、野菜等の販売もしています。さつまいもを焼き芋にしたり、さつまいもとかぼちゃのスープを作ったり。また、田んぼやリンゴ園での援農とファームカフェ、子どもの居場所への「出張食堂」なども行なったりしています。
お話を伺った小林さん、石黒さん、長坂さん(左から順に)
 
収穫された玉ねぎをフードパントリーに寄付

 
収穫野菜をお届けしました。WakuWaku食堂で使っていただきます。キッチン担当でファームからも参加しています

インストラクターの存在と協力、組合員も農機具や資材を寄付

インストラクターの原田さんからは、農業のいろんなことを教えてもらっています。無農薬や有機栽培にも取り組まれてきたため理解もあり、ご経験から具体的な助言をいただいたり、種や苗をもらったり、農業初心者のメンバーにとって、頼りになる存在であり、支えていただいています。

組合員にチラシを配布して、農機具や資材の寄付の提供を呼び掛けたところ、なんと、耕運機の寄付があったとのこと。寄付されたものの中には、資料館にあったほうが良いのではないかというものもあったそうですが、農機具や資材を揃えるところからのスタートであり、とても助かっています。
農機具や資材等の寄付をチラシで呼びかけ
 
原田さんにトラクターで畑を整備してもらいました

「つながりづくり助成」がファーム活動の後押しや広がりのきっかけに

「つながりづくり助成」の支援を得たおかげで、農機具や資材の購入だけでなく、コミュニティファームの活動に必要な費用や、参加を後押し広げていくことに活用することができました。夏は雑草取りがとても大変なのですが、刈払機やいろんなものを積んで運べるように一輪車を導入することもできました。“楽しいファーム活動”になればと、ファームでカフェができるよう、テーブルを用意してお茶ができるようにもしています。
「光と風フェア」で、子どもたちと一緒にペイントしながら堆肥を入れる箱をつくってコミュニティファームに設置したりすることもできました。
イベントで子どもたちと一緒に堆肥箱にペイント
 
堆肥箱をファームに設置しています

「ファーム通信」がメンバーをつなぐ

ファーム活動の案内や日々の畑の様子を共有する手段がLINEです。一年に何回かの配信ではなく、「何時から何時まで草取りしています」「こんな野菜の種を撒きました」など、今何をしているかを、参加者が来る来ないに関わらず出し続けています。「これをやめちゃいけない。写真つきで楽しい雰囲気を出しつつ、大変な仕事じゃないというのを伝えている。楽しみがありますよ」とメンバーの皆さんは語ります。

取材で訪問した際に、にじいろコミュニティファームのLINEグループの投稿を見せていただきましたが、種まきや苗植え、収穫された野菜、耕運機を耕していたら出てきたカエルの写真、バッタやてんとう虫など畑で見つけた生き物の写真など、畑での農作業と自然環境の様子、生き物との共生等が写真を通して追体験でき、一緒にファーム活動に参加している気持ちになりました。

にじいろコミュニティファームLINEには、組合員と活動に参加してくれた人とメンバー、職員、組合員などが登録されています。写真を活かしてファーム活動とその魅力をもっと伝えようと、新たにインスタグラムも開設したそうです。

にじいろコミュニティファーム公式インスタグラム
 https://www.instagram.com/nijiiro_comm_farm
LINEで配信される「ファーム通信」
 
写真にコメントをつけて、わかりやすく活動を報告・共有しています

楽しいファーム活動へのさまざまな参加を呼びかけています。

魅力的な活動ですが、まだまだ認知度が低く、たくさんの人が参加するにはどうしたら良いか、難しさを感じています。組合員に向けて、種まきや苗植えなどを一緒にしてくれる人の募集や、ファーム活動への参加を呼び掛けましたが、天候や収穫物の状況、参加者の予定など、うまく合わせるのは難しいものです。たまたま「土日の天気が良く、作物の状態もちょうど良い」という時に、前日に案内を流してもすでに用事があり、参加したかったけどタイミングが合わないということもあります。梅雨に入る前に収穫しなければと考え、日程を決めてジャガイモ堀りの案内を出したことがありました。雨天にも関わらず一組の親子が来ましたが、やはり雨の日に掘ったジャガイモは傷んでしまったそうです。

コミュニティファームには、同じ敷地に8区画(一区画4m×8m)の体験区画があります。無農薬・無化学肥料で野菜を育ててくれる人に、各自作りたい物を育てて収穫してもらう体験エリアです。「光と風フェア」に出店した際に募集チラシを掲示したところ、30代夫婦が興味を持ってくれたり、新しく参加するという人が増えたりしています。ご近所にチラシを配布したら、高齢の方が近所だから参加してみたいと声をかけてくださった方もいらっしゃったそうです。

こうして地道に広報を続け、にじいろコミュニティファームの目的や活動内容と参加方法を伝えていけば、体験区画を利用する人が増えたり、利用している人が、ファームの農作業やイベントにも関心を持ち、みんなでつくったものを一緒に食べたり、子どもたちとつくった堆肥を入れる箱に雑草などを入れてもらって堆肥づくりにも参加していただいたり、活動への参加・協力につなげていけたらと考えています。
「光と風フェア」へのマルシェ出店が関心を持つ人との出会いに
 
楽しいファーム活動への参加呼びかけチラシ
※後編に続きます。

【2025年6月9日掲載】

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