持続可能なファーム活動に向けて 「にじいろコミュニティファーム」(山梨)【後編】
【連載】つながりづくり助成
地域のつながりや支え合いをつくるための「つながりづくり助成」。
各地で元気に展開している団体の活動をレポートします。
地域のつながりや支え合いをつくるための「つながりづくり助成」。
各地で元気に展開している団体の活動をレポートします。
「にじいろコミュニティファーム」は、生活クラブ甲府センター近くの農地(約400坪)を借りて、無農薬・無化学肥料で野菜を育てるファーム活動です。活動報告の後編をお届けします。
魅力や大切なことをどう伝えるか。“自分たちが経験したこと” は伝えられる
無農薬・無化学肥料の野菜へのこだわりの原点は、生活クラブの理念・ビジョンと食の安全への取組みにあります。安全で美味しいものを食べてほしい。子育て世帯や、お孫さんにちゃんとしたものをと考えている人にとって、農薬を使っていない野菜は、安心してお子さんたちが取りに来くることもできます。畑にバッタがたくさん出たり、耕運機で畑を耕していたら大きなカエルが出てきたり。たんぽぽがたくさん生えるので、たんぽぽを摘んでジャムをつくったりして楽しんでいます。
コミュニティファームの中に、りんごの木があるのですが、最近まで気が付いておらず、「あそこにりんごの木があるよね」と、花が咲いている時期にインストラクターの原田さんからと教えてもらいました。その木から採れたりんごからジャムをつくり、こども食堂の子どもにも食べてもらったりしました。
援農にも行っています。北杜市高根町津金の田んぼに田植えのお手伝いに行って、お米の話を聞いて一杯のごはんのありがたさを体感したり、リンゴ園で収穫のお手伝いに行きながら、そこで取れたリンゴでお茶をするファームカフェをしたりしました。子どもの居場所「WakuWakuの家」に昼食提供の出張食堂をしたときに、援農で伺った際にお聞きした一粒のお米の話(「一粒の籾から一粒の苗をつくる」)を紹介したりして、子どもたちに伝えたり、コミュニティファームの広報活動にも努めています。
コミュニティファームの中に、りんごの木があるのですが、最近まで気が付いておらず、「あそこにりんごの木があるよね」と、花が咲いている時期にインストラクターの原田さんからと教えてもらいました。その木から採れたりんごからジャムをつくり、こども食堂の子どもにも食べてもらったりしました。
援農にも行っています。北杜市高根町津金の田んぼに田植えのお手伝いに行って、お米の話を聞いて一杯のごはんのありがたさを体感したり、リンゴ園で収穫のお手伝いに行きながら、そこで取れたリンゴでお茶をするファームカフェをしたりしました。子どもの居場所「WakuWakuの家」に昼食提供の出張食堂をしたときに、援農で伺った際にお聞きした一粒のお米の話(「一粒の籾から一粒の苗をつくる」)を紹介したりして、子どもたちに伝えたり、コミュニティファームの広報活動にも努めています。

リンゴ園での援農

リンゴを食べながらファームカフェで楽しい時間を過ごしました

コミュニティファームのりんごの木の花

「WakuWakuの家」への出張食堂と一粒のお米の話
農業は、収穫の喜びもありますが、天候や虫などに一喜一憂したり、作業にかかる時間など、本当に大変です。コミュニティファームの農地も、雨で水浸しになって半分が水没したことがあったそうですが、農家の大変さをあらためて実感したそうです。
子どもたちには、農作物をつくることの大変さも知るところまでつなげたいのが理想ですが、まずは、「農薬を使っていないという話や虫の話もしながら、収穫の楽しさから体験してもらっている」とのことです。「自分たちが食べているものがどういうものか、将来的には、今の子どもたちが農林水産業に興味をもってもらえたらいいなと思っています。食べることは大事なことで、“自分たちが経験したことは伝えられる” ので、自分たちがつくるだけではなく、いろんな人や団体、活動と関わりながら、広げ、子どもたちにも伝えていければ」と話されています。
子どもたちには、農作物をつくることの大変さも知るところまでつなげたいのが理想ですが、まずは、「農薬を使っていないという話や虫の話もしながら、収穫の楽しさから体験してもらっている」とのことです。「自分たちが食べているものがどういうものか、将来的には、今の子どもたちが農林水産業に興味をもってもらえたらいいなと思っています。食べることは大事なことで、“自分たちが経験したことは伝えられる” ので、自分たちがつくるだけではなく、いろんな人や団体、活動と関わりながら、広げ、子どもたちにも伝えていければ」と話されています。
計画的に取り組み、稼ぐ方法を考え、継続的に収入を得ていかないといけない

マルシェに出店し、無農薬・無化学肥料 愛情たっぷりの玉ねぎを販売
いろんなエリアのマルシェで、収穫した野菜等を販売して、種や苗、有機肥料を購入するための財源にしたりしていますが、農地の賃借料やインストラクターの指導料など、コミュニティファームの活動を継続していくためにはいろんな費用がかかります。また、費用としてあらわれてこないさまざまな協力もいただいています。必要な経費を賄えるように、また、活動を継続していくために、収入を継続的に得る方法を考えていく必要があります。
インストラクターの原田さんからは、「(原田さんは)今植えるものは半年よりもっと前に計画を立てている。ちゃんと計画的に植える場所と植えるもの、収入までを考えて植えなさい」「一回そのサイクルができると回していける」というアドバイスをいただいたとのことです。
生活クラブ山梨の理事会で、募金箱を置き、ファームでつくったものを食べてもらって募金をお願いしたりもしましたが、そこから生まれたのが「サポーター制度」です。年間1,000円の会費をいただいた方には、収穫物やその加工品のお裾分けをしたり、コミュニティファームでの活動に参加したりすることができる特典があります。

コミュニティファームのサポーター募集チラシ
人が集まって畑がきれいになってくると関心をもって人も集まってくる
「ファーム活動に参加してくれる人、体験区画を利用してくれる人を増やしていくこと。人が集まって畑がきれいになってくると、『あれ、あそこは何をやっているんだろう』と見てもらえる。そこに取り組んでいきたい」と今後に向けた取組みを教えてくれました。
組合員だけでなく、地域の人の参加につなげるため、住宅地近郊にチラシをポスティングしたり、コミュニティファームの看板の下に「体験区画もあります。やってみませんか」との張り紙の案内を出そうとしているそうです。看板の下にはチューリップを植えて、目が行くような工夫もされています。看板もとてもかわいいデザインですが、実は組合員でデザインが得意な人がつくってくれたそうです。
組合員だけでなく、地域の人の参加につなげるため、住宅地近郊にチラシをポスティングしたり、コミュニティファームの看板の下に「体験区画もあります。やってみませんか」との張り紙の案内を出そうとしているそうです。看板の下にはチューリップを植えて、目が行くような工夫もされています。看板もとてもかわいいデザインですが、実は組合員でデザインが得意な人がつくってくれたそうです。

コミュニティファームの看板とメンバーの皆さん

看板の下に植えたチューリップ
「収穫は一時期に大量になることもあります。体験区画を利用している人たちにも、コミュニティファームの子ども食堂やフードドライブへの寄付の取組みを知ってもらい、つくった野菜を子ども食堂につなぐことができると良いですね」「子どもたちのためになると思ったら、嬉しいと思います」。顔の見える関係をつくりながら、関わりを深めていけたら。そんな夢も教えてくれました。
今後に向けて
「いろんな人がファーム活動の農作業やイベント、体験区画等に参加したり、人が集まってくれること、いろんな世代に関わってもらうことが、コミュニティファームの活動をつなげていくことになります。そのためには、いろんな人にその人ができることをお願いしたり、大変さよりも楽しさを伝えること。組合員だけでなく地域の人にも参加してもらうには、ファームをきれいにし、やっている活動がわかるようにしたい」と語ります。
農作物をつくることと子ども食堂への援助が両輪として回っていくように、楽しく、コミュニティファームに関わるいろんな人の参加・協力を得ながらメンバーのチャレンジは続きます。
農作物をつくることと子ども食堂への援助が両輪として回っていくように、楽しく、コミュニティファームに関わるいろんな人の参加・協力を得ながらメンバーのチャレンジは続きます。
【2025年6月16日掲載】