みのり藤沢(福祉クラブ生協) 後編:大きな事業を支える、たくさんのワーカーズコレクティブ
【連載】みんなで広げる たすけあい
生活クラブグループの生協や関連団体では、福祉・たすけあいの活動や事業が各地でとても豊かに展開され、さらに広がりをみせています。これらの取組みを紹介します。
【後編】
入居して生活クラブの消費材を楽しむ
まずは、「みのり藤沢」の2階と3階を見てみましょう。
住宅型有料老人ホーム「みのり藤沢」です。ここでは、それぞれの利用者が自分の状況に合わせて、在宅に近い生活ができます。
また、本人や家族の事情で緊急入居に対応できる居室も用意されているなど、さまざまな暮らしの需要に応えることができます。
住宅型有料老人ホーム「みのり藤沢」です。ここでは、それぞれの利用者が自分の状況に合わせて、在宅に近い生活ができます。
また、本人や家族の事情で緊急入居に対応できる居室も用意されているなど、さまざまな暮らしの需要に応えることができます。

住宅型有料老人ホーム「みのり藤沢」
この事業を担うのはワーカーズコレクティブです。
「生活支援W.Coひなた」の菅原寿美子さんは、「その人らしい生活が送れるように支援しています。生活クラブの消費材※で作った食事をしっかり食べているので、皆さんとても元気です。洗濯でも入浴でも、生活クラブのせっけんを使っているのも特徴のひとつです」と話します。長年生活クラブに親しんできた人が、入居後も同様の暮らしを続けられることをとても重視しているのです。
※生活クラブで共同購入する「もの=材」の呼び方。生活クラブでは、市場にあふれる「商品」は必ずしもそれを使用する立場から作られたものではないと考え、「売るためのもの」ではなく「消費するためのもの」を手に入れる取組みを積み重ねてきました。

菅原寿美子さん
「できるだけ」ではなく、「生活クラブで購入できるものであればほとんどすべて」消費材を使っています。

さまざまなワーカーズコレクティブが支える
続いて、1階を見てみましょう。
デイサービス「Day辻堂いちいの木」、配食サービス「クックふじさわ」、ケアマネジャーの事務所、福祉用具事業の事務所、保育室「ほっとすぺーす」などがあります。これらのすべてをワーカーズコレクティブが担います。
デイサービス「Day辻堂いちいの木」、配食サービス「クックふじさわ」、ケアマネジャーの事務所、福祉用具事業の事務所、保育室「ほっとすぺーす」などがあります。これらのすべてをワーカーズコレクティブが担います。

デイサービス「Day辻堂いちいの木」

配食サービス「クックふじさわ」

さまざまなワーカーズの事務所

保育室「ほっとすぺーす」
1階には他に、地域コミュニティースペースもあり、組合員活動や地域の居場所などに使われています。
1カ所で、利用者の生活全体を支える
これまでに見たように、さまざまなワーカーズコレクティブがみのり藤沢に集まることで、利用者の生活全体を支えることができます。
利用者からみれば、みのり藤沢1か所で普段の生活に必要なことのほとんどを満たすことができます。
利用者からみれば、みのり藤沢1か所で普段の生活に必要なことのほとんどを満たすことができます。

ワーカーズコレクティブどうしのつながり
「みのり藤沢に移転し、ケアマネと情報交換などができるようになり、支援の質が向上しました」。配食サービス「クックふじさわ」で代表理事を務める伊平満寿枝さんは「さまざまなワーカーズコレクティブが1つの建物に集まり、それぞれの支援の様子がお互いにわかることで、支援の質がいっそう深まった」といいます。
石井多恵さん(福祉クラブ理事)も「お互いに連携することで、支援が1+1=3にも、1+1=4にもなっていると思います」といいます。
石井多恵さん(福祉クラブ理事)も「お互いに連携することで、支援が1+1=3にも、1+1=4にもなっていると思います」といいます。

石井多恵さん
伊平さんは、「配食サービスだけでなく、老人ホームへの1日3食の食事提供やデイサービスや保育室の昼食も担うことになりました。食数が増え、365日稼働となりましたが、楽しく働いています。『お弁当がおいしかったから、みのり藤沢への入居を決めた』と言われた時はうれしかったですね」と話します。
たくさんのワーカーズコレクティブを生み出してきた福祉クラブ
福祉クラブ生協は、「市民参加型の福祉社会」をめざし、日本初の福祉専門生協として1989年に横浜市港北区でスタートしました。
以来、福祉クラブは、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられるように、数々のワーカーズコレクティブ※を組合員とともに生み出し、ともに歩み続けています。
※働く人の協同組合。働く人全員が出資し、経営に責任をもち、労働を分担します。
これまでの長い間、それぞれの地域で必要とされることに対し、さまざまなワーカーズコレクティブを立ち上げて対応し続けてきた福祉クラブ。
みのり藤沢は福祉クラブの魅力がとても良い形で発揮されている場、といえるでしょう。
以来、福祉クラブは、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられるように、数々のワーカーズコレクティブ※を組合員とともに生み出し、ともに歩み続けています。
※働く人の協同組合。働く人全員が出資し、経営に責任をもち、労働を分担します。
これまでの長い間、それぞれの地域で必要とされることに対し、さまざまなワーカーズコレクティブを立ち上げて対応し続けてきた福祉クラブ。
みのり藤沢は福祉クラブの魅力がとても良い形で発揮されている場、といえるでしょう。
楽しむ場所
最後に、屋上にも上がらせてもらいましょう。
この日の天気は晴れではなかったのですが、それでも周りには高い建物がほとんどないので空がとっても広く感じられ、とっても気持ちの良い場所です。
利用者のみなさんもここへ来て、ベンチに座ってくつろぐのだそうです。
夏の夜に座ると…。
この日の天気は晴れではなかったのですが、それでも周りには高い建物がほとんどないので空がとっても広く感じられ、とっても気持ちの良い場所です。
利用者のみなさんもここへ来て、ベンチに座ってくつろぐのだそうです。
夏の夜に座ると…。

もしもその日が花火大会の日であれば、次々と打ち上げられる花火をゆったりと眺めることのできる特等席になります!

ベンチの正面にも大きな空が広がります
屋上では四季折々の変化を楽しむことができます。
みのり藤沢は、日常生活だけでなくこんな楽しみも満たせる場所なのです。
【2025年7月1日掲載】