本文へジャンプする。
本ウェブサイトを利用するには、JavaScriptおよびスタイルシートを有効にする必要があります。
生協の食材宅配【生活クラブ】
国産中心・添加物削減・減農薬
安心食材をお届けします
ここからサイト内共通メニューです。

「協同組合」の価値、再発見。アメリカの協同組合を訪ねて

2025年は国連が「国際協同組合年」と定めている。生活クラブ連合会は、アメリカ・カリフォルニア州で開催された「女性と協同組合」をテーマとする国際イベントに企画の段階から参加。次世代育成の視点で職員を代表派遣し、各国の協同組合、市民活動の仲間と交流を深めるとともに、現地の協同組合の視察も行った。
 
イベント二日目、大学の講義の一環で協同組合をテーマに生活クラブとSEWAが発表した後の記念撮影。左から3番目が田中入馬さん、4番目が永田紘子さん、右から2番目が清水亮子さん 
写真提供:スティーブ・カーツさん

持続可能な社会を目指して

「ライトライブリフッド賞」は、平和や環境、人権問題などの課題解決のために活動した人や団体に贈られる賞で、1989年には生活クラブも受賞している。受賞者たちの知識と経験を生かそうと世界各地に設立されたライトライブリフッドカレッジの一つ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の「ライトライブリフッドセンター」では、今年4月、歴代の受賞者を招き交流するイベントを開催した。生活クラブ連合会は、これへの参加を「国際協同組合年」を記念するよい機会と捉え、生活クラブ神奈川から田中入馬さん、生活クラブ千葉から永田紘子さん、連合会企画部の清水亮子さんを派遣した。

イベントでは「女性の活動、原住民の権利、環境」をテーマにパネルディスカッションが行われ、インドの女性団体SEWA(セワ)代表のリーマ・ナナヴァティさん、フィリピンの原住民人権活動家ジョアン・カーリングさんとともに清水さんが登壇した。「SEWAは女性を中心とする自営業の労働者による協同組合で、インドの18州に290万人の組合員がいます。女性の労働を支え、権利を主張する人たちとつながれて本当によかったです」と清水さんは話す。

田中さんは参加した学生たちとの交流の中で、自分たちと共通する問題意識を感じたと振り返った。
「学生たちは今の経済や政治などが持続可能ではないと考えていて、それに対し、人と人とのつながりによって、どうその課題を乗り越えていけるかを模索していました。自分たちができる範囲で、どのように持続可能な社会をつくっていくのか、悩みながら進んでいるところが生活クラブの組合員、職員にも共通すると感じました」

サンフランシスコは多様な人の住む都市で、ファストフード店での買い物やタクシー手配などは翻訳アプリを通じてやり取りをするため、英語が話せない人も働き、暮らしている。田中さんは、異なる人種の人たちが互いにリスペクトしあっている様子を見て、アジア人としてその場にいて居心地がよかったという。

協同組合の価値を示す

アリスメンディ・ベーカリー・レイクショアにて 
写真提供:田中入馬さん

 
イベントの参加以外に、サンフランシスコ各地の協同組合も視察した。永田さんは生活クラブ千葉で農園を立ち上げる準備に携わっているが、「プランティング・ジャスティス」という元受刑者たちの働く農場に衝撃を受けたという。失業者や低所得の人が多く住む地域で、野菜や果物の苗の栽培を教え、地域全体で農場の立ち上げを支援している。

「農業の懐の深さ、食べ物の力を感じました。これから造っていく千葉の農園では組合員だけではなく、地域の多様な人を受け入れていきたいです。それによって地域も豊かになっていくと思うのでとてもいい学びになりました」

永田さんは過去に配送や組合員活動のサポートの仕事を行っていた。「農園を造るという大きな目標があることで、たくさんの組合員や、普段出会えないような人とも会えることがあります。これからも多様な人に関わってもらい、これが協同することなんだと感じたいと思っています」

「アリスメンディ・ベーカリー・レイクショア」というパンやピザを販売する労働者協同組合の視察にも発見があった。販売しているピザの箱には、そこで働く人のストーリーや、協同組合の価値などが書いてあり、購入する地域の人にこの店が提供する価値が、ピザだけではないことを伝えている。協同組合では多様な背景の人たちに雇用の場を提供するなど地域に貢献し、そのことを発信することで、地域の人たちは大手チェーン店ではなくこの店で購入し支えるという相互関係ができていた。

田中さんは、生活クラブ神奈川からワーカーズ・コレクティブなどの中間支援団体である「市民連帯経済つながるかながわ」へ出向し事務局を担っている。このような工夫は、これらの業務にも生かせるのではないかと考えている。

「消費材の魅力だけでなく、さまざまな形での組合員の関わりがあって、生活クラブは50年以上続いてきました。そこが非常に大きな価値だとあらためて実感したので、もっと広くそれを発信することで、組合員だけでなく広い層の人たちに、生活クラブやワーカーズ・コレクティブの価値が理解され、参加や応援につながるのではないでしょうか

文/本紙・佐々木和子

★『生活と自治』2025年8月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2025年8月22日掲載】
 

生活クラブをはじめませんか?

42万人が選ぶ安心食材の宅配生協です

生活クラブ連合会のSNS公式アカウント
本文ここまで。
ここから共通フッターメニューです。
共通フッターメニューここまで。