「おふくわけ」でつながりを深める 若者応援プロジェクト奈良(生活クラブ生協奈良)
【連載】みんなで広げる たすけあい
仕事でも、地域の活動でも、「誰かの役に立ちたい」と考える人は多いことでしょう。
ある学生から感謝の言葉とともにこんな想いが寄せられた活動が奈良県にあります。
「来年からは社会人になるので、自分も誰かを助けることができる人になりたいです」。
感謝の言葉
他にもたくさんの想いが届きました。
「心が温まりました。久しぶりにお米を炊きました。大切に食べます」
「たくさんの食料をいただき、不安が少し和らぎました」
「『しんどい時はしんどいって言いや。我慢したらアカンよ』と言われ、気持ちが楽になりました」
これらは「若者応援プロジェクト奈良」の活動に寄せられたものです。
「心が温まりました。久しぶりにお米を炊きました。大切に食べます」
「たくさんの食料をいただき、不安が少し和らぎました」
「『しんどい時はしんどいって言いや。我慢したらアカンよ』と言われ、気持ちが楽になりました」
これらは「若者応援プロジェクト奈良」の活動に寄せられたものです。
奈良県生協連の呼びかけ
コロナ禍中の2021年のこと。奈良県生活協同組合連合会(以下、奈良県生協連)は、当初は学生がどの程度困っているか全くわからなかったのですが、コロナ禍でアルバイト収入が減ったり、一人暮らしで苦労したりしている大学生の存在を他生協連の報告で知りました。
そこで、奈良県でも大学生を支援しようと大学生協に相談しました。
そして、県内の生協や「フードバンク奈良」などに「若者応援プロジェクト奈良」を立ち上げようと呼びかけました。
そこで、奈良県でも大学生を支援しようと大学生協に相談しました。
そして、県内の生協や「フードバンク奈良」などに「若者応援プロジェクト奈良」を立ち上げようと呼びかけました。
生活クラブ奈良の参加
この呼びかけに応えた団体のひとつが、生活クラブ生協奈良です。
その結果、最初の1年だけでのべ2,300人,2022年も継続し2年間でのべ3,500人に近い学生たちにお米や食品、日用品などを無料で手渡すことができました。
2023年、2024年も物価高騰による生活の苦しさを訴える奈良県内の大学生の声に応え続け、のべ5,139人に対して、食料・規格外農産物・日用品の無料配布を38回も実施することができました。
その結果、最初の1年だけでのべ2,300人,2022年も継続し2年間でのべ3,500人に近い学生たちにお米や食品、日用品などを無料で手渡すことができました。
2023年、2024年も物価高騰による生活の苦しさを訴える奈良県内の大学生の声に応え続け、のべ5,139人に対して、食料・規格外農産物・日用品の無料配布を38回も実施することができました。

学生さんに配布
プロジェクトに参加した当時の想いについて甲斐京子さん(生活クラブ奈良前理事長)は振り返ります。
「この活動に参加できてとてもよかったです。現状を知り、笑顔と現実の生活のギャップに心で涙しました。そして、コロナ禍の収束後、変わっていく価値観や暮らし方を見据えて支援はしばらく継続していけたらと思います」。

甲斐京子さん
しかし、徐々に暗雲が立ち込めてきました。
活動を継続するには食品を集め続ける必要があるのですが、コロナ禍への世間の支援も減りつつあったからです。
活動継続を支える「おふくわけ」
そして、この状況を救ったのが生活クラブ奈良でした。
生活クラブフードバンクおふくわけ(以下、おふくわけ)※の話を持ち込んだのです。
※食の支援が必要な人に、組合員が注文した食品を届けるしくみです。2024年度の実験取組を経て、2025年度からは生活クラブグループ全体での取組としています(一部生協を除く)。
2024年、生活クラブ奈良は生活クラブ連合会が実験取組みとして行なったおふくわけに参加することを決め、その食品の提供先を若者応援プロジェクト奈良としました。
おふくわけは多くの組合員から支持をえて、受注数は合計で608口にも上りました。
甲斐さんは「生活クラブ奈良は組合員数が3,200人ほどの小さな生協です。独自の福祉活動・事業を展開するにはまだまだ力が足りないのが現状です。しかし、生活クラブの活動に賛同してカンパなどに参加する組合員は多いです」と話します。
生活クラブフードバンクおふくわけ(以下、おふくわけ)※の話を持ち込んだのです。
※食の支援が必要な人に、組合員が注文した食品を届けるしくみです。2024年度の実験取組を経て、2025年度からは生活クラブグループ全体での取組としています(一部生協を除く)。
2024年、生活クラブ奈良は生活クラブ連合会が実験取組みとして行なったおふくわけに参加することを決め、その食品の提供先を若者応援プロジェクト奈良としました。
おふくわけは多くの組合員から支持をえて、受注数は合計で608口にも上りました。
甲斐さんは「生活クラブ奈良は組合員数が3,200人ほどの小さな生協です。独自の福祉活動・事業を展開するにはまだまだ力が足りないのが現状です。しかし、生活クラブの活動に賛同してカンパなどに参加する組合員は多いです」と話します。
「若者応援プロジェクト奈良」の事務局を担う清水順子さんと伊藤佳世さん(ともに奈良県生協連)は、「おふくわけが私たちの活動継続の大きな支えになっています」と、口を揃えます。

清水順子さん

伊藤佳世さん
清水さんは「コロナがひと段落して助成金なども減り、少し下降気味になっていた活動を盛り返すきっかけになりました。学生さんたちの困った状況は続いていますから」と、おふくわけを高く評価しています。
今年5月に実施した奈良県立大学でのフードパントリーでは、「全国的にお米が手に入りにくく、あっても大変高価で手が届きにくい状況の中、生活クラブ奈良の組合員さんからの『おふくわけ』として寄付してくださった5kgのお米を27袋も下宿生に手渡すことができました」と、清水さん。
今年5月に実施した奈良県立大学でのフードパントリーでは、「全国的にお米が手に入りにくく、あっても大変高価で手が届きにくい状況の中、生活クラブ奈良の組合員さんからの『おふくわけ』として寄付してくださった5kgのお米を27袋も下宿生に手渡すことができました」と、清水さん。
「おふくわけ」から地域につながる
甲斐さんは「おふくわけなどをきっかけに、地域とつながる福祉活動に参加する組合員を増やしていきたいと考えています」と話します。
「おふくわけ」は、地域で食べものを分かち合うしくみです。
生活クラブ奈良の福祉活動は、そこから広がり、支え合いの輪が大きくなっていくことでしょう。
「おふくわけ」は、地域で食べものを分かち合うしくみです。
生活クラブ奈良の福祉活動は、そこから広がり、支え合いの輪が大きくなっていくことでしょう。

【2025年9月30日掲載】