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2024年度 子どもの甲状腺検査活動報告会を開催しました

2024年度 子どもの甲状腺検査活動報告会を開催しました

生活クラブでは組合員からのカンパをもとにした「災害復興支援カンパ基金」を通じ、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故(以下、福島第一原発事故)で被災した方々への支援活動を続けています。そのひとつが、2012年度から毎年続けてきた甲状腺検査です。また、被災者の保養活動のサポートなども行なっています。

2024年度の活動内容を共有する報告会を、2025年12月13日に東京都新宿区にて開催し、オンライン参加も含め、組合員49名が参加しました。

市民の立場から続けてきた甲状腺検査活動

福島第一原発事故により放射性物質が拡散されたことから、被ばくによる甲状腺がんの発生が懸念されています。年齢が低いほどリスクが高いとされていますが、医学的にまだわかっていないことが多いのが現状です。

生活クラブの甲状腺検査は、原発事故の時に18歳までの子どもを対象とし、福島県にいた子どもだけでなく、他の地域の子どもも検査の対象としています(※1)。福島県と他地域を比較するとともに、全国各地の実態を把握して、甲状腺がんの早期検診や脱原発活動につなげることをめざしています。

2024年度は、17地域の生活クラブで甲状腺検査を実施。200人の子どもが受診し、活動には34ヶ所の医療機関が協力しました。

※1:事故後に生まれた子どもも希望があれば対象とする

専門医が語る、甲状腺検査の意味

報告会では、生活クラブ連合会から2024年度の検査活動の内容が報告された後、2名の講師が講演しました。
はじめに登壇したのは、生活クラブの甲状腺検査活動が始まった当初から検査を監修する、道北勤労者医療協会・ながやま医院院長の松崎道幸医師です。
道北勤医協・ながやま医院院長の松崎道幸医師
 
松崎さんは、小児甲状腺がんについて「進行がゆっくりで死亡率は低いものの、再発や治療による生活への影響にも目を向ける必要がある」と述べ、甲状腺検査による早期発見・早期治療の重要性を強調しました。

ほかにも、松崎さんは甲状腺検査をはじめとしたがん検診をめぐる「過剰診断」に対する議論について、科学的に慎重な検討が必要だと説明しました。
過剰診断とは、生涯にわたって症状を引き起こさず、命に関わることのない病変を発見し、本来であれば不要な精密検査や治療を行なってしまうことを指します。
「早期に見つけることで、手術の範囲や治療の負担を抑えられる可能性があること、そして何より、検査を“受ける・受けない”を本人や家族が選択するためには、正確な情報提供が欠かせません」

当事者とともに考える支援のあり方

続いて登壇したのは、「3.11甲状腺がん子ども基金」代表の崎山比早子(ひさこ)さんです。崎山さんは、これまでに多くの甲状腺がんの当事者や家族と向きあってきた立場から、現場から見える課題を報告しました。
3.11甲状腺がん子ども基金代表理事の崎山比早子さん
 
崎山さんは、甲状腺がんと診断された子どもや若者が、治療だけでなく、その後の生活や将来に対しても大きな不安を抱えている現状を紹介しました。病気そのものに加え、周囲に理解されにくい苦しさや孤立感が、当事者をさらに追い込んでいるといいます。

また、「過剰診断」という言葉が一人歩きすることで、検査を受けることや声を上げること自体が否定され、当事者や家族が傷つくケースもあると指摘しました。検査や情報を求めることは、不安をあおる行為ではなく、自分自身の健康と向きあうための大切な手段であると語りました。
「知ること、選べることは、当事者にとって大きな支えになります。検査や治療について正しい情報が共有され、誰もが孤立せずに相談できる社会が必要です」

組合員の活動から広がる学び

報告会の後半では、生活クラブ各地で取り組まれているリフレッシュツアーの活動について、組合員から報告がありました。リフレッシュツアーは、放射能の影響を心配せずに過ごせる環境で、子どもや家族が心身を休めることを目的として実施してきました。

受け入れ側として参加した生活クラブ愛知と神奈川の組合員からは、「原発事故から時間が経っても、不安がなくなったわけではない」「交流を通して、子どもたちの健康や原発の問題を自分ごととして考え続けることが大切だ」といった声が寄せられ、参加者同士が顔をあわせ、思いを共有すること自体が、活動を続ける力になっていることが伝えられました。
 
生活クラブ愛知の伊藤哲世さん(左)、生活クラブ神奈川の森洋子さん(右)
一方、送り出し側として参加した生活クラブふくしまと栃木の組合員からは、支援への感謝とともに、暮らしのなかで感じている変化や思いが語られました。「震災から時間が経ち環境も変化してきた中で、これまでの支援には本当に感謝している」「子どもたちの将来を考えながら、私たちにできることを続けていきたい」といった声が共有されました。
 
生活クラブふくしまの佐藤美智子さん(左)、生活クラブ栃木の永森隆子さん(右)

活動の区切りと、これから

生活クラブでは、甲状腺検査やリフレッシュツアーを通じて、放射能による影響や子どもたちの健康について、市民の立場から見守り続けてきました。検査結果や活動の積み重ねは、数字としてだけでなく、「知ること」「考えること」「声をあげること」の大切さを組合員に問いかけてきました。

報告会の最後にあいさつに立った生活クラブ東京理事長の加瀬和美さんは、今回の報告会を通して、「あらためて放射線被ばくの問題を事実として受け止める時間になった」と振り返りました。
生活クラブ東京理事長の加瀬和美さん
「2025年は戦後80年の節目にあたり、広島や長崎からも多くの発信が続いています。そうした歴史を重ねあわせながら、原発の再稼働が次々とすすめられている状況のなかで、なぜ反対の声がもっと大きくならないのか、不思議に感じる気持ちが強まりました」と語りました。

 
13年間続けてきた生活クラブ連合会主導の甲状腺検査活動は、2025年度をもって一区切りとなります。今後は、継続を希望する各地域の生活クラブが、それぞれの判断で検査活動を続けるとともに、現状に沿った支援の在り方を検討していきます。

これまでの検査活動は、市民による健康の見守りとして大きな役割を果たしてきました。原発事故による影響が続く限り、そして原発に依存する社会が続く限り、子どもたちの健康を気にかけ、声をあげ続けることの大切さは変わりません。
生活クラブはこれからも、組合員とともに健康と安心を支える取組みを続けていきます。
【2026年1月20日掲載】

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