世代をこえ、団体をこえ、ともに社会を動かす――「戦略的非暴力」ワークショップを開催

生活クラブは2026年2月8日(土)に、ワークショップ「人を巻き込み社会を動かす――非暴力アクションの基礎」を生活クラブ連合会(東京都新宿区)で開催しました。草の根活動家であり、戦略的非暴力アカデミーの設立者でもある、ジョー・ワージー氏をファシリテーターに招へい。生活クラブの若手組合員や職員のほか、気候正義や平和活動に取り組む若者の活動家ら32人が参加し、一日をかけて世代をこえた対話の時間をもちました。
「ライト・ライブリフッド賞」がつなぐ縁と活動
今回のワークショップ開催は、1989年に生活クラブが「ライト・ライブリフッド賞」を受賞したことが、そもそものきっかけです。同賞は「もう一つのノーベル賞」と呼ばれ、環境保護や人権など、人類が直面している課題に対して、実践的な解決策を示した個人や団体に贈られます。生活クラブは「先進工業国において、最も成功を収めた持続可能な生産と消費のモデルをつくりだした」ことが評価され受賞しました。
また、同賞を創設したライト・ライブリフッド財団は、受賞後も継続的な支援と交流の機会を提供しており、受賞者同士がつながることで国や地域を越えた国際的な連帯が生まれています。
こうしたつながりの中で、2024年5月から2025年7月にかけて「気候正義と非暴力」をテーマとした国際ワークショップに、組合員4人が参加しました。そこで得た学びをおおぜいの組合員や若い世代へと広げ、生活クラブのさまざまな活動を未来につなげていくため、同ワークショップでファシリテーターを務めたジョー・ワージー氏を招き、今回の開催が実現しました。
気候危機との闘いに非暴力の戦略で取り組むには マレーシアで開催された国際ワークショップに生活クラブが参加(活動レポート 2024年7月)
また、同賞を創設したライト・ライブリフッド財団は、受賞後も継続的な支援と交流の機会を提供しており、受賞者同士がつながることで国や地域を越えた国際的な連帯が生まれています。
こうしたつながりの中で、2024年5月から2025年7月にかけて「気候正義と非暴力」をテーマとした国際ワークショップに、組合員4人が参加しました。そこで得た学びをおおぜいの組合員や若い世代へと広げ、生活クラブのさまざまな活動を未来につなげていくため、同ワークショップでファシリテーターを務めたジョー・ワージー氏を招き、今回の開催が実現しました。
気候危機との闘いに非暴力の戦略で取り組むには マレーシアで開催された国際ワークショップに生活クラブが参加(活動レポート 2024年7月)

ジョー・ワージー氏
3つのプロセスで学ぶ「戦略的非暴力」の基礎
ワージー氏のワークショップは、人を巻き込み社会を動かすために「自分を知る」「戦略を描く」「行動につなげる」という3つのプロセスを体験的に学ぶプログラムです。世界の社会運動で実践されてきた「戦略的非暴力」の考え方を、理論だけでなく、実践に使えるかたちで身につけていきます。
戦略的非暴力とは
権力の構造を分析し、暴力に頼らず社会変革を実現するための実践的な方法論。歴史的な代表例としては、マハトマ・ガンディー のインド独立運動や、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのアメリカの公民権運動などがあります。
戦略的非暴力とは
権力の構造を分析し、暴力に頼らず社会変革を実現するための実践的な方法論。歴史的な代表例としては、マハトマ・ガンディー のインド独立運動や、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのアメリカの公民権運動などがあります。
■自分を知る
運動や活動を続ける土台として、自分はどうありたいのかという志「リーダーシップ・ミッション」を言語化します。言葉にすることで覚悟が定まり、自らの理想像へと成長していく力を引き出します。
同時に、理想に背いたときに現れる自分の影の側面「パーソナルシャドウ・ミッション」も言語化。自らの弱さや傾向を自覚することで、その影響を意識的にコントロールできるようにします。
同時に、理想に背いたときに現れる自分の影の側面「パーソナルシャドウ・ミッション」も言語化。自らの弱さや傾向を自覚することで、その影響を意識的にコントロールできるようにします。


参加者は周囲と相談しながら、自分の考えをまとめていきます。カンボジアで教育支援活動をする、多摩きた生活クラブの組合員家族の矢野優姫さんの「リーダーシップ・ミッション」は、「世界中のすべての人が多種多様な夢や希望を持ち、それを叶えるために生きていける世の中をつくること」。一方の「パーソナルシャドウ・ミッション」は、「子どもたちや貧しい方々を支援することで、夢や希望を叶えるためにはまだ不十分だと教えていること」と発表しました。
■戦略を描く
権力は複数の柱によって成り立っており、その柱を一つずつ揺らし、協力を引きはがしていけば、やがて権力も揺らぐことを理解します。
権力を支える要素を縦横に配置したマトリックスを用意し、そこに具体的な非暴力の手法が書かれたカードを並べ、戦略を支える3つの手法を実践的に学ぶ演習を行ないました。
権力を支える要素を縦横に配置したマトリックスを用意し、そこに具体的な非暴力の手法が書かれたカードを並べ、戦略を支える3つの手法を実践的に学ぶ演習を行ないました。
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3つの手法 ・妨害的手法…相手の活動に圧力をかける方法(例:ボイコット、ストライキ、座り込み など)
・建設的手法…代替となる制度や仕組みをつくる方法(例:協同組合の立ち上げ、独立メディアの創設 など) ・コミュニティ組織化の手法…人と人を結び、運動の力を育てる方法(例:一対一の面談、連合の形成 など) |

グループごとに相談しながら、戦略を練っていきます

模造紙に書かれたマトリックスに、悩みながらカードを並べます
■行動につなげる
最後は、学んだ概念を実際のケースにあてはめます。課題の背景や相手の権力の支柱を整理し、どの手法をどう組み合わせるかをグループで討議・発表。知識を “わかった” で終わらせず、“使える” 状態へと落とし込みました。
生活クラブの組合員、職員のほか、国際環境NGO FoE Japan、Fridays For Future Japan、任意団体 KNOW NUKES TOKYO、一般社団法人 日本若者協議会からの参加者は、それぞれが取り組む運動・活動に引き寄せながら学びを深めました。
生活クラブの組合員、職員のほか、国際環境NGO FoE Japan、Fridays For Future Japan、任意団体 KNOW NUKES TOKYO、一般社団法人 日本若者協議会からの参加者は、それぞれが取り組む運動・活動に引き寄せながら学びを深めました。



学びを力に、次の一歩へ

参加した5団体の代表者が連絡先を交換し、今後の協力について約束を交わしました
参加者からは「たくさんの情報と気づきを得ました。時間をかけて咀嚼していきたいです」、「方法や新たな視点を学んだので、これからどう実践していくか考えていきたいです」といった声が聞かれました。
また、ワージー氏の呼びかけから、参加した5団体の代表者が連絡先を交換。今後の協力の可能性について具体的な対話を重ねていくことになりました。
また、ワージー氏の呼びかけから、参加した5団体の代表者が連絡先を交換。今後の協力の可能性について具体的な対話を重ねていくことになりました。

生活クラブ連合会の山本江理常務理事
最後に生活クラブ連合会の山本江理常務理事はまとめとして、次のように語りました。「日々忙しく過ごしていると、自分の内面を、ましてや影を見つめる時間はなかなかとれません。しかし振り返る時間を持ち、自身の信念を強く持つことの大切さをあらためて実感しました。また、ここで5人のつながりが生まれたように、一人ひとりが考え、言語化し、つながりあって、連帯して発信していく。そうしたプロセスを重ねることで、自分たちがどのような社会で、どんな暮らしをしていきたいのか、自ら選びとっていけると再確認した一日でした」
生活クラブがこれまで積み重ねてきた協同の取組みもまた、暴力に頼らず、対話と連帯によって社会を変えていく「戦略的非暴力」の実践だとワージー氏は評価しています。
今回のワークショップで得た気づきやつながりを一過性の学びにとどめず、それぞれの現場での実践へとつなげながら、持続可能な社会の実現に向けた歩みをこれからもすすめていきます。
今回のワークショップで得た気づきやつながりを一過性の学びにとどめず、それぞれの現場での実践へとつなげながら、持続可能な社会の実現に向けた歩みをこれからもすすめていきます。

ワークショップの参加者全員で
【2026年3月9日掲載】