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原発依存の流れにSTOP!「脱原発・再エネ推進アクション」スタート集会を開催しました
(9月6日 東京・日比谷)

雨の日の東京・日比谷に、原発のない社会を願う人々が集結

 
日比谷の東京電力パワーグリッド前。銀座を経由して宝町まで約3kmをパレードしました。

2026年9月6日、東京・日比谷図書文化館で「脱原発・再エネ推進アクション スタート集会」が開催され、組合員、市民、有識者ら会場参加、オンライン参加合わせて268人が参加しました。

日本の原子力政策は「依存度低減」から「最大限活用」へ転じ、原発への依存を再び強めようとしています。この動きを止め、脱原発と再生可能エネルギー(以下、再エネ)の推進を社会に広く訴えるため、この秋から「脱原発・再エネ推進アクション」を展開します。主催は、この活動にあわせて結成した生活クラブの組合員による実行委員会です。

アクションの幕開けとなるスタート集会では、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんが基調講演を行い、研究者、ジャーナリスト、再エネ発電事業者、市民団体などがメッセージを発信しました。集会後は約300人が、日比谷公園から東京電力本社前と銀座を経由し、鍛冶橋交差点までパレードしました。
 
「原発のない世界」パンフレットを膝に置いている参加者
「原発のない世界」パンフレットを膝に置いている参加者

基調講演「福島原発事故、六ヶ所再処理工場にみる原子力政策の破綻」

小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

■広島の街を壊滅させた、わずか約800グラムのウラン

基調講演の冒頭、小出さんは原爆と原発で核分裂するウランの量を示しました。広島を壊滅させた原爆で核分裂したウランは、わずか約800グラムです。一方、100万キロワット級の原発1基では、1年間に約1トン、広島原爆の約1,250倍ものウランが核分裂します。この差が資料に映し出されると、会場からは驚きの声が上がりました。

続いて小出さんは、1954年7月2日付の新聞記事を紹介しました。記事には、石炭などの資源が減るなか、原子力は「人類生存に不可欠」なエネルギーとなり、電気料金は2,000分の1に下がること、大規模な発電所を造らずとも「ビルディングの地下室が発電所」になることなど、原子力が切り開く未来への期待が記されていました。

当時は、原子力を人々の暮らしを豊かにする優れた新技術とみる風潮がありました。小出さんも、原子力を平和利用すれば人類の役に立つと考え、大学で原子力研究の道に進んだといいます。

しかし研究を始め、広島原爆と原発で使われるウランの量を知ると、その認識は大きく変わりました。原子力は人類の未来を支える技術ではなく、廃止すべきだと考えるようになった小出さんは、以来、その危険性を伝え続けてきました。

■危険を誰かに負わせる、破綻した原子力政策

熱心に耳を傾ける参加者たち

続いて小出さんは、福島第一原発事故と核燃料サイクルに焦点を当て、さまざまなデータを示しながら、原子力政策が破綻している理由を説明しました。

まず取り上げたのは、福島第一原発事故です。事故によって大気中へ放出されたセシウム137の量を広島原爆に換算すると、約168発分に相当すると述べました。

放射性物質は福島県内にとどまらず、東北地方や関東地方の広い範囲へ降り注ぎました。その結果、本来であれば「放射線管理区域」に指定しなければならないほど汚染された地域で、国は年間20ミリシーベルトを避難指示やその解除の基準として用いました。小出さんは、これは放射線業務従事者に初めて認められた被ばく限度を、子どもを含む住民に押し付けたことにほかならないと指摘しました。

また、国内の原発は都市部から離れた地域に建設されてきました。これは、原発が大きな危険を内包する施設だという認識の表れではないかと述べました。電気をつくるための危険を、別の地域で暮らす人たちに負わせる。その不公平な構造も、原子力政策の破綻を示していると話しました。

原発の使用済み核燃料を再処理し、回収したウランやプルトニウムを再び燃料として使う「核燃料サイクル」についても言及しました。

「核燃料サイクル」の中心に位置づけられたのが、使用した以上のプルトニウムを生み出すとされた高速増殖炉です。しかし、実用化計画は繰り返し先送りされ、原型炉「もんじゅ」はほとんど稼働しないまま廃炉となりました。

使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す青森県六ヶ所村の再処理工場も、1993年の着工以降、完成時期の延期を繰り返しています。

小出さんは、こうした不都合な事実を覆い隠そうとする動きが存在するからこそ、主権者である私たち一人ひとりが賢くなることが重要だと話しました。

地域の力でエネルギーの未来を拓く

佐々木寛さん(新潟国際情報大学教授/一般社団法人「おらって」にいがた市民エネルギー協議会代表理事)

基調講演後のリレーメッセージには、研究者やジャーナリスト、再エネ発電事業者、市民団体などから10人が登壇しました。さらに、国会議員や自治体首長など7人から、脱原発と再エネ推進への賛同メッセージが寄せられました。

登壇者の一人で、新潟国際情報大学教授、一般社団法人「おらって」にいがた市民エネルギー協議会代表理事の佐々木寛さんは、国の政策を待つのではなく、地域の人々が声を上げ、自ら地域の未来を決める大切さを訴えました。その実例として、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる新潟県民の活動を紹介しました。

新潟県では、再稼働の是非を県民投票で決める条例の制定を求め、署名活動が行われました。直接請求に必要な約3万6,000筆を大きく超える15万筆以上が集まり、うち14万3,196筆が有効署名として県議会に提出されました。条例案は否決されましたが、再稼働を一部の人だけで決めず、県民自らが考え、意思を示す機会を求める声が地域に広がっていたことを示しました。

2025年11月、花角英世新潟県知事が柏崎刈羽原発の再稼働を容認する考えを表明すると、約1,200人の市民が県庁と県議会を「人間の鎖」で囲み、反対の意思を示しました。県民投票が実現しなかった後も、市民は声を上げ続けました。

一つの地域の声が、同じ課題を抱える別の地域と結びつけば、より大きな力になります。地域で使うエネルギーを地域で生み出し、その選択に市民が関わる。佐々木さんが紹介した新潟の実践は、脱原発と再エネ推進を地域から実現する可能性を示しています。

原発のない未来を、私たちの選択で

原発に頼らず、地域の自然を生かした再エネを広げること。その電気を私たち自身が選ぶこと。日々の選択を積み重ねることも、エネルギー政策や社会のあり方を変える一歩になります。

生活クラブでは一貫して、持続可能な未来のために、原発ではなく再エネを推進し、エネルギーの自給と自治を実現する社会への転換を求めてきました。その意思を、いま改めて政府に届けるため、「持続可能な未来のために、原子力発電の廃止を求める署名」に取り組み、20万筆を目標に全国で活動を広げています。

署名は紙とオンラインのどちらでも参加できます。また、再エネを中心としたでんきの共同購入「生活クラブでんき」を選ぶことも、原発に頼らない社会をつくるために、暮らしのなかでできる行動の一つです。

一人ひとりの選択や声が重なれば、社会を動かす大きな力になります。生活クラブはおおぜいの仲間たちと共に、暮らしのなかでできる行動を積み重ね、原発のない未来をつくっていきます。

「持続可能な未来のために、原子力発電の廃止を求める署名」はこちら
集会後のパレードでは雨が降り続くなか、約300人が参加しました。原発に依存しない社会の実現と、再エネのさらなる普及を訴えました。
 


 
<集会プログラム>※敬称略
総合司会 大池玲奈(実行委員・生活クラブ神奈川副理事長)
●主催者挨拶 守本香(実行委員長・生活クラブ東京副理事長)
●基調講演 小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
「すでに破綻している日本の原子力政策 フクシマ事故、六ヶ所再処理工場」
●メッセージ
進行 須長雅和(生活クラブエナジー代表取締役社長)・半澤彰浩(生活クラブエナジー顧問)
・飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
「ネオ電力独占体制を打ち破る「エネルギー民主主義」の幕開け」
・金子勝(慶應義塾大学名誉教授)
「円安インフレ(通貨危機)を脱する道~エネルギーと食料を自給する町を作る」
・畠山澄子(国際交流NGOピースボート共同代表)
「核と人類は共存できない「過去の戦争をみつめ、未来の平和をつくる」船旅から」
・青木美希(ジャーナリスト)
「それでも日本に原発は必要なのか?」
・轟木典子(国際環境NGO FoE Japan)
「もう、地球を人まかせにしない。~再エネ100%と公正な社会をめざす「ワタシのミライ」~」
・佐々木寛(新潟国際情報大学教授)
「東京電力・柏崎刈羽原発再稼働をめぐる新潟からの連帯のメッセージ」
・鈴木亨(NPO法人北海道グリーンファンド理事長)
「泊原発再稼働をめぐる北海道からの連帯のメッセージ」
・佐藤彌右衛門(会津電力特別顧問)
「福島原発事故から会津電力の設立へ~地域資源を活かす「エネルギーの地産地消」と地域循環型社会に向けた展望~」
・近藤恵(二本松営農ソーラー代表)
「福島原発事故による二本松市の被害状況と営農型ソーラーの実践と今後の展望」
・小原浩靖(映画監督)
「「原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち」「陽なたのファーマーズ フクシマと希望」に込めた思いと脱原発社会への想い」
<自治体の首長・国会議員からのメッセージ(書面)>
小田原市長 加藤憲一、世田谷区長 保坂展人、東京都杉並区長 岸本聡子
立憲民主党代表 水岡俊一、社会民主党党首 福島みずほ
衆議院議員 田嶋要、参議院議員 岩渕友
●集会宣言 竹原久美子(実行委員・生活クラブ千葉理事)
●音楽ライブ シンガーソングライター Yae
【2026年10月2日掲載】
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