みんなの協力が欠かせないびんのリユース 環境にやさしい循環型社会を実現するために
生活クラブは、使い終わった消費材の空きびんを回収・洗浄し、繰り返し使う「リユース」の活動をしている。ラベルをはがして返却するのが基本だが、加入したばかりでリユースに慣れない組合員からは、「はがすのが大変で……」といった声が届く(※)。そこで、生活クラブのびんの洗浄を担ってきた「トベ商事」(本社:東京都北区)の工場を取材。改めて、びんのリユースについて考える。
※びんを水に浸してもはがしにくい場合は、お湯に浸すとよい。無理にはがそうとしてびんに傷がつくと、リユースできなくなるので、その場合は、そのまま返却する。
※びんを水に浸してもはがしにくい場合は、お湯に浸すとよい。無理にはがそうとしてびんに傷がつくと、リユースできなくなるので、その場合は、そのまま返却する。
蒸し暑い中での洗浄作業

「トベ商事」代表取締役会長の戸部昇さん
東京都足立区入谷にあるトベ商事の洗びん工場に足を踏み入れた瞬間、その蒸し暑さに驚く。
「スポットクーラーで対策していますが、夏場の工場内は40度ほどになります」とトベ商事代表取締役会長の戸部昇さんは説明する。
この日、洗浄されていたのは、「丸大豆醤油」や「温州みかんジュース」などが入っていたびんだ。次々と洗びん機に投入されていくびんを見ていると、ラベルがはがされていないものが混ざっている。戸部さんによれば、ラベルは、約65度の洗浄液で落ちるものから、約80度まで上げないと落ちないものまであるという。
「洗浄液の温度を約80度まで上げるには、かなりのエネルギーが必要で、温度が高ければ高いほど、二酸化炭素(以下、CO2)の発生も増えます」
「スポットクーラーで対策していますが、夏場の工場内は40度ほどになります」とトベ商事代表取締役会長の戸部昇さんは説明する。
この日、洗浄されていたのは、「丸大豆醤油」や「温州みかんジュース」などが入っていたびんだ。次々と洗びん機に投入されていくびんを見ていると、ラベルがはがされていないものが混ざっている。戸部さんによれば、ラベルは、約65度の洗浄液で落ちるものから、約80度まで上げないと落ちないものまであるという。
「洗浄液の温度を約80度まで上げるには、かなりのエネルギーが必要で、温度が高ければ高いほど、二酸化炭素(以下、CO2)の発生も増えます」
仮にすべてのラベルがはがされた状態でトベ商事に届くとすれば、エネルギーの節約と二酸化炭素の削減は相当なものだ。
洗浄したびんは、目視検査から、水滴除去、滅菌、乾燥、全面検査、口部(飲み口)目視検査まで、多くの工程を経て、再び使えるきれいなびんになる。蒸し暑い中、どの工程でも、トベ商事の従業員は、懸命に作業をしていた。
洗浄したびんは、目視検査から、水滴除去、滅菌、乾燥、全面検査、口部(飲み口)目視検査まで、多くの工程を経て、再び使えるきれいなびんになる。蒸し暑い中、どの工程でも、トベ商事の従業員は、懸命に作業をしていた。

洗びん機に投入されていく900mlのRびん。この日は、ラベルがそのままのものが目立った
環境負荷を軽減する努力
ごみを減らし、使えるものは繰り返し使うサイクルを広げることが、持続可能な循環型社会の実現につながる。そのために必要なのが、「3R」の行動だ。「3R」とは、重要度の高い順に①リデュース(Reduce=ごみを減らす、出さない)②リユース(Reuse=繰り返し使う)③リサイクル(Recycle=新しいものに作り替え、再利用する)の三つを意味する。ごみを出さないことがもっとも重要なのは理解しやすいが、リサイクルよりもリユースが望ましいのはなぜか。例えばびんのリサイクルでは、回収したびんを砕き、溶かして新たなびんなどに再製造する必要があるため、多くのエネルギーやコストがかかるうえ、その過程でCO2も排出される。一方、リユースは回収したびんを洗浄して再び使用するため、リサイクルよりも資源の消費とエネルギー使用を抑えられ、CO2排出量の削減にもつながる。
1994年、生活クラブは、他の生協とも連携して、びんのリユースを始めた。その際、新たなびんの規格として誕生したのが、リユースの頭文字をとった「Rびん」だ。生産者からは、容器の変更と統一に大きな抵抗があったが、生活クラブは環境負荷を減らすために合意をとった。以来、30年以上、リユースを続けている。2025年9月からは、料理酒丸正びんの回収が始まり、リユースするびんは、5種類のRびんと合わせて6種類となった。だが、ここで新たな問題が生じている。「丸正びんと色や形、口の形状などが異なる他びん種の混入が多く、それを仕分ける作業の負担が大きくなっています」と戸部さんは言う。
1994年、生活クラブは、他の生協とも連携して、びんのリユースを始めた。その際、新たなびんの規格として誕生したのが、リユースの頭文字をとった「Rびん」だ。生産者からは、容器の変更と統一に大きな抵抗があったが、生活クラブは環境負荷を減らすために合意をとった。以来、30年以上、リユースを続けている。2025年9月からは、料理酒丸正びんの回収が始まり、リユースするびんは、5種類のRびんと合わせて6種類となった。だが、ここで新たな問題が生じている。「丸正びんと色や形、口の形状などが異なる他びん種の混入が多く、それを仕分ける作業の負担が大きくなっています」と戸部さんは言う。
「Rびん」と「丸正びん」のリユースの循環

「3R」に取り組む企業・組織は、「拡大生産者責任(=EPR: Extended Producer Responsibility)」が問われる。すなわち、「商品を作って売った企業は、使用後の製品や容器の回収・再利用・再資源化にも責任を持つべきだ」という考え方だ。例えば、びんのリユースでは、①消費者が返しやすい仕組みを作る②自治体が費用を負担するごみ回収と異なり、回収費用を企業が負担する③洗浄して再利用する仕組みを維持する④小売店や回収業者と連携するなどの対応を指す。図は取材をもとに編集室が作成
上の図でリユースの循環を見ながら、そのことを確認しよう。まず、びんの必要本数を調整・管理している生活クラブ・スピリッツが、生産者からの注文を受け、洗いびんをトベ商事に、新びんをびんメーカーに発注し、必要本数が生産者に納品される。青い矢印が示すびんの循環で、返却の際に他びん種が混入すると、仕分けを行う飯能DCと協和硝子の作業が増えるとわかる。組合員がリユースびんの消費材を利用し、返却することで、生活クラブは、2025年度でCO2の排出量を約727トン削減できた。生産、回収、仕分け、洗浄と、リユースには多くの人の協力が必要だ。その一環を組合員が支えている。
生活クラブは、Rびんと丸正びんの他に、牛乳びんのリユース、牛乳キャップとピッキング袋のリサイクルを行っている。
グリーンシステム(Garbage Reduction for Ecology and Earth's Necessity=地球生態系のためのごみ減量)と名付けられたこの取り組みについて、詳しい解説と動画はこちら▼
上の図でリユースの循環を見ながら、そのことを確認しよう。まず、びんの必要本数を調整・管理している生活クラブ・スピリッツが、生産者からの注文を受け、洗いびんをトベ商事に、新びんをびんメーカーに発注し、必要本数が生産者に納品される。青い矢印が示すびんの循環で、返却の際に他びん種が混入すると、仕分けを行う飯能DCと協和硝子の作業が増えるとわかる。組合員がリユースびんの消費材を利用し、返却することで、生活クラブは、2025年度でCO2の排出量を約727トン削減できた。生産、回収、仕分け、洗浄と、リユースには多くの人の協力が必要だ。その一環を組合員が支えている。
生活クラブは、Rびんと丸正びんの他に、牛乳びんのリユース、牛乳キャップとピッキング袋のリサイクルを行っている。
グリーンシステム(Garbage Reduction for Ecology and Earth's Necessity=地球生態系のためのごみ減量)と名付けられたこの取り組みについて、詳しい解説と動画はこちら▼
★『生活と自治』2026年10月号 「生活クラブ 夢の素描(デッサン)」を転載しました。
【2026年10月30日掲載】
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