被災地の復興を応援 「第二回きたかみ春まつり」に参加しました
5月3日(日)、宮城県石巻市北上町十三浜(*1)で「第二回きたかみ春まつり」が開催されました。生活クラブは、震災直後に緊急支援物資を届けたことから十三浜のみなさんと出会い、「共生地域創造財団」(*2)とともに復興支援を続けています。
被災地の「心のよりどころ」として
十三浜・大室地区の伝統芸能として大切にされてきた「大室南部神楽」(石巻市指定無形民俗文化財)は、震災時の津波で舞台や太鼓、鐘をはじめ一切が失われてしまいました。
被災後の地域の人々の「心のよりどころ」として、復活に向けた努力がなされ、2013年5月、「復活祭」が見事成功、その後さらに北上地域全体をまきこみ「きたかみ春まつり」として広がっています。
JF大室小室共同作業所で開催された第二回目となる今回も天候に恵まれ、「大室南部神楽保存会」のお神楽をメインに、歌や音楽が集う春まつりとなりました。
移動式の組立舞台も昨年は借り物でしたが、今年は生活クラブ東京が住宅事業で提携している建築士・工務店のみなさんが新しく製作して寄贈したものです。桧が香る晴れやかな舞台でのお神楽になりました。オープニングでは、舞台寄贈の感謝状が「生活クラブ東京住宅事業業者会」に手渡されました。
会場では、地元漁協の方たちをはじめ、模擬店がたくさん出店し、十三浜の名産であるわかめ・こんぶ・ほたて・ほや・あわびなどを中心に、販売や試食が振る舞われました。
生活クラブのつながりから広がる支援の輪
「大室南部神楽」の源流は岩手県一関にあるということです。その縁もあり、被災地の苦労も知る生活クラブ岩手から、組合員11人とそのご家族がまつりに参加、春えびがんもや温州みかんジュースなどを販売しました。さらに一関市の「祝い餅つき振舞隊」が餅つきを実演し、しょうが餅、あんこ餅にして販売、見事に完売となりました。
生活クラブ岩手・理事長の豊川さんは、「これまで被災した提携生産者への支援を中心に行なってきましたが、昨年からは生産者だけでなく、周辺地域の人たちにも支援を広げています。被災地は未だ復興への道半ばであることを忘れず、今後も支援を続けていきたいです」と語りました。
また、おまつりを盛り上げるため、生活クラブ提携生産者の団体「生活クラブ親生会」のメンバーや、「共生地域創造財団」のスタッフ、さらに生活クラブ連合会の職員も一緒に、生活クラブの消費材を使ったオリジナルおでん、おいしい干物やていねいに淹れたコーヒーを販売しました。
会場では、生活クラブの練り物の生産者としてお馴染みの、石巻市・㈱高橋徳治商店の高橋さんや、関東地方から駆けつけた組合員のみなさんも集まっていて「また来年もこの会場でお会いしたい」と大いに盛り上がりました。
震災から4年、ひとりひとりに苦渋の判断が迫られた「防災集団移転事業」(高台移転)も動きはじめました。当地に住み続ける人も、心ならずも遠く離れざるを得ない人も、共に生きてきた心のよりどころを求めつつ、新たな歩みが始まっており、次のステージづくりに向けて動き出しています。
参加した地元のみなさんの笑顔を見ていると、北上町にも少しずつ復興への道筋が見えていることが分かりました。私たちも春まつりの参加を通じて、応援をしていきたいと思います。
(*1) 十三浜…十三の集落(浜)が並ぶことに由来する地名です。
(*2) 共生地域創造財団については、過去の記事もごらんください。
・共生地域創造財団の地道な支援活動 (2014年3月)
・共生地域創造財団としての支援活動 (2015年3月)
※生活クラブの被災地支援と十三浜のみなさんとの出会いについては、こちらの記事もごらんください
【大震災から2年】vol.4 共生地域創造財団「財団と出会わなければまだウロウロしていた」 (2013年3月)
(2015年6月8日掲載)