山形県遊佐町が表彰されました! 生活クラブ、JA庄内みどりと進める持続可能な地域社会づくり
左から:JA庄内みどり組合長の阿部茂昭さん、生活クラブ連合会会長の加藤好一、遊佐町町長の時田博機さん
生活クラブとその庄内地域の提携生産者などで遊佐町に作った「庄内・遊佐太陽光発電所」。2019年2月に稼働。そのプロジェクトは「共同宣言」と連携して行なわれた。稼働した現在、当発電所は庄内地域のエネルギー地域循環の起点と位置づけられている
生活クラブにとって重要な産地である山形県の遊佐町。生活クラブでは遊佐町と当地の提携生産者であるJA庄内みどりの3者で、食の問題だけでなく、地域社会が抱える問題を解決しようと様々な取組みを進めてきました。
三者で進めてきた持続可能な地域社会づくりの取組みで、このたび遊佐町が第2回自治体政策評価オリンピックの「環境を大切にした持続可能な地域産業」の分野で先進事例表彰を受けました。
三者で進めてきた持続可能な地域社会づくりの取組みで、このたび遊佐町が第2回自治体政策評価オリンピックの「環境を大切にした持続可能な地域産業」の分野で先進事例表彰を受けました。
生活クラブの「食のふるさと」遊佐町
山形県の遊佐町は生活クラブのお米や農産物の主要な産地です。当地の生産者、JA庄内みどりとの提携は40年以上に渡ります。その間、お米などの提携だけに留まらず、飼料用米の生産や地域循環型農業への取組みなど、生産者と消費者で協力して地域資源の活用や自給力向上に向けた先駆的な取り組みを進めてきました。生活クラブにとって重要な産地である遊佐町は、一方で人口減少や高齢化などの問題を抱えています。そのために今、基幹産業である農業や地域社会の持続性が課題となっています。生活クラブの主要な食料生産を担う遊佐町の地域社会の縮小は、生活クラブにとっても解決すべき課題です。課題の解決に向け2013年1月、遊佐町、JA庄内みどり、生活クラブの三者で「地域農業と日本の食料を守り、持続可能な社会と地域を発展させる共同宣言」(以下、「共同宣言」※1)を締結しました。
「共同宣言」に基づき、以後、生活クラブ組合員の遊佐町への移住の推進、夢都里路(ゆとりろ)くらぶ(※2)による援農などへの労働参加、鳥海山での岩石採掘に反対する署名活動、集落営農の法人化による生産基盤の強化などを3者で協力して行なってきました。
このたび「共同宣言」の活動が評価され、遊佐町が第2回自治体政策評価オリンピックの「環境を大切にした持続可能な地域産業」の分野で先進事例表彰を受けました。
※1 山形県遊佐町、JA庄内みどり、生活クラブ連合会が「共同宣言」(2013年2月掲載)
※2 夢都里路くらぶ
生活クラブで扱っている品物を生産する産地での農業や漁業を応援する取り組み。後継者不足や人手が足りない産地に行って農業、漁業等の手伝いをする企画や、農業を始めたい人のための就農研修などを実施しています。
自治体政策評価オリンピックとは
「自治体政策評価オリンピック」は、環境首都創造NGO全国ネットワークが主催するプロジェクトです。対象は日本全国の市区町村。気候変動による自然災害多発への対応、脱炭素社会への推進など、主に環境保護の視点に立った持続可能で豊かな地域社会をつくる自治体の政策を募集し、その先進的な取組みを表彰するものです。このプロジェクトへのエントリーによって、市民や自治体、NGO、専門家が情報交換を行ない、施策を評価、実行するためのツールになることを目的に2017年から開催されています。2018年度の第2回では、全国26自治体が参加し、7分野で17事例が表彰されました。
先進事例表彰の選考基準は、「先進性、独創性が高いこと」「持続可能な地域社会を形成するために積極的に取り組まれていること」、「多様なセクターの参加、参画を実体化していること」など。このたびの遊佐町の表彰は、従来の生産者-消費者との関係を超え、遊佐町という行政を巻き込んで地域社会づくりへ取り組んでいる点が評価されました。
環境首都創造NGO全国ネットワークのWEBサイト
http://www.eco-capital.net/
自治体政策オリンピック第2回結果
生活クラブとその庄内地域の提携生産者などで遊佐町に作った「庄内・遊佐太陽光発電所」。2019年2月に稼働。そのプロジェクトは「共同宣言」と連携して行なわれた。稼働した現在、当発電所は庄内地域のエネルギー地域循環の起点と位置づけられている
今後も「共生」による持続可能な地域社会づくりを進めます
生活クラブと庄内における地域社会づくりは、その近隣の酒田市の行政や提携生産者との連携にまで広げています。今後も地方と都市との連携によって、両者が安心して幸せに暮らせる持続可能な地域社会づくりを進めていきます。【2019年3月7日掲載】