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わかめを作り、食べてもらうことが支援への恩返し。家族でわかめ漁を支え合う《食をつむぐ人たち・わかめ篇②》


岩手県宮古市 重茂漁業協同組合
佐々木宏樹さん(37歳) 佐々木知宏さん(67歳)

《わかめ篇①》の動画も合わせてご覧ください。
暗いうちから波の高い外海に船を出し、収穫の作業を開始する佐々木さん親子。

漁場にはそれぞれに自分の養殖場所がわかるブイが付けられていて、自分たちの育てたわかめを収穫します。船の巻き揚げ機でロープを引き揚げると、そこには見事な茶色いわかめが所狭しと大きく育っています。佐々木さん親子は、それをひと株ひと株、ていねいに鎌で刈り取り、網でできた袋に入れていきます。気温は1度。海の上は凍えるような寒さです。

船にはいつも、父と息子ふたりで乗船している。
凍える寒さの中、ロープを引き上げて、ひと株ずつ手作業で収穫する。
代替わりしても、父・知宏さんの力はかかせない。
まだ夜の明けきらない朝4時の音部漁港。
漁から戻る船を迎える宏樹さんの妻、直江さん。
日が昇り始め明るくなる頃、わかめの収穫を終えて船は戻ります。漁港では直江さん(宏樹さんの妻)と幸子さん(知宏さんの妻)が港に臨設されたボイル施設でお湯を沸かして準備していました。港のクレーンを使い、わかめの詰まった袋を手際よくトラックに積んでいきます。

収穫したばかりのわかめが詰まった袋を、船からクレーンで引き上げてトラックに積み込む。

トラックで茹で釜の前までわかめを運んだら、春休み中の宏樹さんの四人の息子さんたちも集まってきて、お手伝い。この日は一家総出でボイル作業を行います。茶色だったわかめは、お湯に入れると一瞬で鮮やかな緑色になります。
収穫したわかめをボイル釜に入れる知宏さん。
お湯に入れた瞬間から、茶色だったわかめの色が緑色へと変わってゆく。
鮮度と色を保つため、茹で上がったわかめは一気に冷水を張った水槽に移動。
袋に詰めるため、冷ましたわかめを引き揚げる幸子さん。

収穫したわかめを塩蔵し、出荷

このボイルしたわかめを自宅の設備で塩蔵します。大きな高速攪拌装置にわかめを入れ、水と塩を投入。ゆっくりとかき混ぜて、わかめに塩水を染み込ませたら、塩水を切って布袋に入れた状態で風通しの良い倉庫で数日間乾燥させ、箱に詰めて出荷します。

大きな高速攪拌装置で塩蔵加工を行っている。(2019年 春 撮影)
塩蔵したわかめは水を切り、袋に詰めてしばらく乾燥。箱に分けて漁協の集荷を待つ。
わかめの根元部分は切り落としてめかぶとして出荷する。わかめには無駄になる部分がほとんどない。
塩蔵設備を自宅に持たない漁師は、ボイルしたわかめを重茂漁協の塩蔵施設に出荷し、施設の職員がまとめて塩蔵し冷凍庫に保管します。そして、出荷する分をその都度自然解凍して、手作業で芯取りを行います。茎の根元にハサミで切れ込みを入れて硬い芯を取り除きやすくしますが、この芯取り作業は熟練の技。この丁寧な作業のおかげで、塩抜きしやすく、コシがあるのにしっかりした歯ごたえの「肉厚わかめ」の品質が保たれているのです。芯抜きをしたわかめは、クリーンルームのある袋詰め加工場に運ばれ、品質チェックをしながら、ひとつひとつ手作業で計量し、袋詰めが行われます。

わかめを48時間塩水につけるための大きな水槽。重茂漁協の施設では、このような昔ながらの方法で塩蔵している。

市販の湯通し塩蔵わかめは、塩分含有率が40%前後のものが多いなか、生活クラブの「肉厚わかめ」は30%以下に抑えられています。塩分含有率が高いということは塩が多く、同じ重量でもわかめの割合が少なくなってしまうということ。その点、塩分含有率の低い「肉厚わかめ」は水で戻すとわかめがしっかり詰まっているのが、よくわかります。そして塩抜きも手早く行うことができるのです。

わかめの芯。この部分は「茎わかめ」となる。

わかめの芯抜き作業。全て手作業で丁寧に抜いていく。
袋詰め後、丁寧に目視点検をしたら出荷。組合員のもとに。

受け継がれていくわかめ漁

「わかめ漁は養殖でも、種のできや、育成状態などその年ごとに変わり、微妙な調整を必要とします。また、海や気象条件などさまざまな要素にも左右され、収穫に適した時期に合わせて漁に出ようと思っても、予定通りにいくものではありません。体力の勝負でもあるし、体を壊したらもうできない。養殖を始めるにも元手がかかるから、移住して新たに始めるというのは、正直大変だと思います。でも、未経験から継いだ人もいる。就漁した若い世代同志で情報交換し、試行錯誤しながら良質なわかめがたくさん取れるようになれば嬉しいですよね」と宏樹さんは言います。

「自分には家業としてのわかめがあって、震災で一度はやられても、家もノウハウも残っていた。一緒にやっている同級生や先輩たちのような仲間もいます。」後継者不足と言われている漁業の世界ですが、重茂では8割近くが家業を継承するという、高い割合を保っています。

「高校生から小学生までの息子たちが一緒にわかめ漁をやることになるかどうかはまだわかりません。でも、僕が親父の背中を見て育ってきて、わかめ漁師になろうと思ったのと同じように、子どもたちが親の働く姿を見て、カッコいいと思ってもらえたら嬉しいですね」

宏樹さんと息子たち。よく漁港の近くで一緒に釣りを楽しむという。

おいしいわかめを作り、食べてもらうことが恩返し

重茂の海は栄養豊富で冷たい親潮と、暖かくてきれいな黒潮がぶつかりあう潮流の激しい海域。その厳しい環境と、地域全体で守ってきた水質が、肉厚でおいしいわかめを育んでいます。

「震災のときに生活クラブがしてくれた支援は、一生忘れられません。私たちはおいしいわかめを作り、食べてもらうこと、それが恩返しだと思ってこれからも頑張ります」と、お父さんの知宏さんはにっこりと笑いました。

「生産者はみんなそれぞれに思っていることだけど、僕も自信を持って、重茂のわかめが日本一おいしいと思っています。直接姿を見ることはなくても、わかめを食べて『おいしい』と思ってくれていると思うと、それが一番の励みになりますね」と息子の宏樹さんは言います。

宏樹さんは直江さんが作る、わかめの酢味噌和えにタコと玉ねぎを加えたものが大好物だそうです。お味噌汁に入れれば、温め直してもしっかりとした歯ごたえが残る「肉厚わかめ」。こうして佐々木さん家族をはじめ、重茂のたくさんの人々の手によって育てられ、出荷されているのだと思うと、普段何気なくいただいていたわかめが、より一層おいしく思えるのでした。

佐々木さん家族。みんなでわかめ漁を支え合っている。

肉厚わかめ

三陸のきれいな海で育った、おいしくて安心のわかめ
提携先の重茂(おもえ)漁協は、岩手県沿岸中央部の宮古市に位置し、本州最東端の地・重茂半島にあります。沖合は親潮と黒潮の寒暖流が交差する海域で、潮の流れが激しいため、わかめが肉厚に育ちます。もっちりとした歯ごたえが評判です。名前のとおり「肉厚」なのは、育つ環境のおかげです。

「肉厚わかめ」の紹介ページはこちら

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