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生協の食材宅配【生活クラブ】
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食べてつなぐ重茂のわかめとサステイナブルな未来(1)

海に囲まれた日本にとって、海は身近な存在です。それが今、魚や貝といった天然資源の枯渇や海洋プラスチック汚染など、様々な問題を抱えています。

たとえば、地球温暖化による海水温の上昇。生活クラブのわかめの産地・岩手県重茂を含む三陸産で大幅な減産を引き起こすなど、私たちの食にも影響を及ぼしはじめています。

これまで私たちが海から受けてきた恵みを10年先、20年先の未来につないでいくために、今、何をすればよいか。かつてない減産といわれる重茂産わかめの状況を通して、消費者である生活クラブ組合員と漁業生産者とともに培ってきた、持続可能な生産と消費について全2回で紹介します。

三陸産わかめの減産と高騰 ―気候変動が与える食と食文化への影響―

昔から日本では、米を主食に、野菜や魚介、海藻、豆などの汁物や副菜を添える一汁一菜の食事が食べ継がれてきました。なかでも海藻は、海に囲まれた日本の食文化を象徴する食材ともいえ、わかめはその代表的な存在です。生食以外にも乾燥や塩蔵などの加工ができ、保存食としても優れたわかめは、使い勝手がよく、定番食材として馴染みの深いものです。

そんなわかめですが、現在は国内で流通するものの多くが中国や韓国からの輸入に頼っており、国内流通量のうち国産品はわずか17%程度。いまや貴重ともいえる国産わかめの生産に、ここ数年、異変が起きています。

出典:2019年4月19日付 日刊水産経済新聞掲載 JF全漁連まとめ「三陸わかめ共販実績」より

上の図は、国産わかめの主産地である三陸産(岩手県・宮城県)わかめの収穫量と原料価格の推移です。年々減産が続いていることがわかります。

産地の漁業関係者によると、減産の主な理由はここ数年続いている海水温の上昇でわかめの芽がなかなか根付かないことにあるそう。さらに、シケが少ないせいで増えた海洋生物の食害も加わり、2019年の収穫量は前年の7割にとどまりました。

この大幅な減産にもかかわらず、日本国内におけるわかめの需要が増加。また、わかめの主な輸入先である中国や韓国でも消費が高まっており、日本への輸出量を今以上に増やせない状況です。これらの理由からわかめ全体が品薄となり、特に三陸産わかめにおいては市場価格が前年の約3割高騰する地域もありました。

このまま減産と高騰が進むと、わかめは一部の人しか食べられない高級食材になるかもしれません。

重茂産肉厚わかめの状況と、私たちにできること

生活クラブで扱うわかめの産地は岩手県の東部、三陸復興公園の中央部に位置する重茂半島。国内トップクラスの収穫量を誇る産地です。


暖流と寒流が交わる沖合で、激しい潮流に揉まれて育った重茂産わかめは、肉厚ながらもやわらかく、もっちりとした弾力が持ち味。三陸産わかめの中でも、とくに美味しさと品質に定評があるブランド力の高いわかめです。

生活クラブの提携生産者、重茂漁業協同組合(以下、重茂漁協)では、管轄区域内で採れたわかめを「肉厚わかめ」として生活クラブに出荷しています。
生活クラブの組合員は、この肉厚わかめを40年にわたり食べ続けてきました。今では、重茂漁協が加工製造するわかめの6割は生活クラブに出荷されています。

養殖わかめの収穫

海水温の上昇が引き起こした、わかめの減産と市場価格の高騰という問題は、重茂でも例外ではありません。重茂漁協では価格を据え置く努力を続けてきましたが、極端な価格上昇に力が及ばない状況になりました。そのため、重茂漁協と生活クラブは話し合いを重ね、2019年8月から重茂産肉厚わかめと関連消費材の価格を見直し、値上げを行なうことになりました。

今回の値上げについて、重茂漁協の山崎義広組合長はその懸念を以下のように話します。
「生活クラブの組合員の皆さんとは40年以上もの長い提携関係があります。それは、作る・食べる関係性だけにとどまらず、石けん運動や植樹活動などもともに進めてきました。なかでも、東日本大震災の際には、被災直後から物心両面の多大な支援をしていただきました。そんな中、ここ数年のわかめの減産による市場価格高騰を受け、わかめも価格を上げざるをえなくなりました。漁協管内では一人当たりの栽培量を増やし収穫量を確保すべく努力しています。またコスト削減のために加工作業の効率化をはかっています。私たちが増産やコスト削減に取り組むのは、何よりわかめが普段の食卓から消えてほしくないとの思いからです。減産・価格高騰で消費が先細ってしまえば、持続可能な漁業をすることが難しくなってしまいます。この先もずっと良質なわかめをお届けできるよう、みんなで力を合わせてがんばりますので、これからも重茂のわかめを皆さんの食卓にのせていただければと思っています」

山崎義広重茂漁業協同組合組合長
 
生活クラブが運営するレシピコミュニティサイト「ビオサポレシピ」では、わかめを美味しく食べる多彩なレシピを掲載しています。現在、皆様からわかめのレシピを募集中です。ぜひご覧ください。

ビオサポレシピはこちら


※次回は重茂漁協の持続可能な生産への取組みと、40年間継続してきた生活クラブとの提携関係について紹介します。



【2019年7月22日掲載】
 

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