エネルギー基本計画(案)へのパブリック・コメントを提出しました
再生可能エネルギーの普及と脱原発・脱石炭火力で気候危機を止め 持続可能な社会をつくるために
生活クラブ生協連合会(本部:東京都新宿区、会長伊藤由理子、組合員数約41万人、以下生活クラブ)では、2021年9月10日、現在公募中の「エネルギー基本計画(案)」へパブリック・コメントを提出しました。
大雨、干ばつなどの気候危機のニュースが絶えない中、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、今年8月に公表した報告書で「地球温暖化の原因は人間の活動によるもの」と断定しました。また、同報告書では産業革命前と比べた世界の気温上昇が2021~40年に1.5℃に達するとの予測を公表しています。
危機的状況が一向にとどまる気配を見せない今、この時にあって、国のエネルギー基本計画の改定はとても大切なものです。生活クラブでは、気候危機を止め、今も、この先も人が人らしく自然とともに生きられる社会の実現を見据え、当改定案に対しパブリック・コメントを提出しました。
生活クラブが提出した主な意見は以下の通りです。以下を含めた計15の意見を提出しました。
◆再生可能エネルギーを2050年における主力電源として最大限の導入に取り組むとしたことに賛同する。
◆しかし、原子力発電の目標を実現不可能な20~22%に据え置いたこと、火力発電を41%、特に石炭火力発電を19%と残したことは見直しが必要である。
◆気候危機を回避するために、世界で取り組む 2050 年カーボンニュートラルに向けて、バックキャスティングから再生可能エネルギー100%に向けた政策を提案すべき。
また、エネルギー政策は多くの市民にとって暮らしと密接に結びついた大きな関心事です。そのため、改定案の7番目「国民各層とのコミュニケーションの充実」に対しても、「情報公開と市民参加を促進する積極的な政策」を求めました。
生活クラブではこれまで、当会組合員自らがエネルギー問題を「じぶんごと」としてとらえ、その自給に取り組んでまいりました。それはチェルノブイリ原発事故で原発の巨大なリスクを目の当たりにしたことに端を発し、東京電力福島第一原子力発電所事故で明らかになった、原発の危険性を地方に押し付けてきたことへの深い反省を伴ってのことです。チェルノブイリ以来、35年の年月をかけ、現在では自前で太陽光、風力など再生可能エネルギーの発電所を建設し、そこで発電された電気を共同購入するまでに至りました。生活クラブでは今後も主張のみにとどまらず、再生可能エネルギーをつくり・使う輪を広めていきます。
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【2021年9月20日掲載】