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組合員とともに歩んできた醤油づくり~40年の経験を次世代へ《食をつむぐ人たち・醤油篇②》

タイヘイ株式会社 食品事業部 第一工場
工場長 高山 薫さん(47歳)
嘱託(元工場長) 伊橋  弘二さん(66歳)

▼動画(約5分、音声・字幕つき)
生活クラブの醤油を生産しているタイヘイ株式会社は、杉の木桶を使った伝統的な製法を続けています。巨大な木桶の中で約1年かけて発酵・熟成させる『丸大豆醤油』はまろやかで木桶による深い香りを特徴とし、多くの組合員に親しまれています。1880年から約140年間続けてきた伝統的な醤油づくりを続けるために、40年間以上試行錯誤を重ねてきた伊橋弘二さんから、新たに醤油づくりに携わることになった高山薫さんへとバトンをつないでいます。脱脂加工大豆を使った醤油からスタートした生活クラブとの提携。伊橋さんの40数年の醤油づくり人生は、組合員とともにつくってきた醤油の歴史そのものでもあります。

五感で確かめる醤油づくり


「数字ではなく、直に感じてほしい」と40年以上前に当時の上司にいわれた言葉を今も大切にしている伊橋さん。現工場長の高山さんをはじめとしたスタッフにもその大切さを伝えています。
「麹を仕込んだら、どんな味、香りがするだろうと食べてみる。握った感触を確かめてみる。酸味やうま味や水分など五感を使ってみるといろいろわかります」。

今でも毎朝、蔵でもろみの発酵状態を確かめるのが日課となっています。誰もいない静かな蔵で「プツプツ…」という発酵の音を聞きながら、「この桶は発酵が足りないかな」「元気かな」と確かめていきます。伊橋さんの一番好きな場所は蔵だと言います。


「最後は木桶を直して終わりたい。木桶職人ではないけれど、木桶に最後までつきあいたい」
伝統的な醤油づくりに欠かせない木桶を、長年の盟友のように感じているのでしょう。

組合員からの質問に答えられず研究心に火がつく


学生時代は化学を専攻し、卒業後は繊維会社で染色の研究をしていたという伊橋さん。その後、地元近くのタイヘイへ転職をしました。

「ちょうどタイヘイが工場の近代化を進めて事業が大きくなる時期に入社しました。麹づくり、圧搾、加工など7年くらいかけて全工程を経験し、醤油の基本を覚えました」と当時を振り返ります。それ以来、66歳となった現在まで携わっている醤油づくり。その原動力を聞いてみると、「もともと研究が好きでした。ただ、もっとがんばろうと思わせてくれたのは、組合員との交流がきっかけでした」とのこと。

見学に来た組合員を案内したときに、受けた質問に衝撃が走ったと当時を振り返ります。
「醸造をやっている私が即答できない難しい質問を組合員さんがしてきたんです。下手なことは答えられないので、調べて後日答えることにしました。組合員さんは“自分たちの醤油だ”という責任と思いから、詳しく知っているんですよね」。それ以来、伊橋さんはますます勉強に励むようになりました。

「40年以上経験してきた今も日々勉強です。アドバイスをする立場ですが、それでも、まだまだ勉強することがいっぱいあります」。
 

生活クラブの存在が醤油づくりを発展させてきた

1974年から生活クラブと提携し、醤油の供給を始めたタイヘイ。提携開始時こそまだ入社していなかったものの、伊橋さんの醤油づくりは生活クラブとともに歩んだものともいえます。

「微生物など自然の力を多く借りる醤油づくりは、常に変化の連続で、細かな要因の影響を受けます。原材料、加工方法、工程など数えきれない検証を繰り返し、安定した均一の品質でつくれるようにしてきました。だから、何かを変えるのはとても大変です。よほどのことがないと変えたくないと思ってしまうのだけど、生活クラブは違う。いろいろなリクエストのおかげで勉強し、技術力がつきました」。
 
 
900㎖1本の丸大豆醤油の製造に使われる原材料

当時、醤油づくりでは当たり前の原材料だった脱脂加工大豆(※)も、加工の際にノルマルヘキサンという薬品を使うため、薬品を使わないでつくる醤油の要望が組合員より出ました。完成品を分析してもノルマヘキサンは抽出されませんでしたが、それでも「作り方がわからないものは使いたくない」という組合員の姿勢に応え、研究を重ねた末に、1996年に大豆を丸ごと使用した『丸大豆醤油』の供給を開始しました。今でこそ丸大豆を原料とした醤油を見かけることも増えましたが、当時は脱脂加工大豆を使わないことはまさに画期的でした。

※脱脂加工大豆…大豆から油脂を抽出した後、タンパク質などの成分を調整したもの。今でも約8割の醤油の原材料となっている。油脂を絞る工程でノルマルヘキサンという薬品を使用する。
 
品質にこだわった丸大豆

また、丸大豆の調達が困難になったこともありました。山形県遊佐町の丸大豆とブレンドして、かつてはアメリカ産輸入丸大豆を使用していましたが、多くのアメリカの農家が遺伝子組み換え大豆の栽培にシフトしていく中、遺伝子組み換えでない大豆の確保が難しくなりました。そのとき、同じく生活クラブの提携生産者であるマルモ青木味噌醤油醸造場の紹介を受けて中国の有機丸大豆を原料に使う決断をしたのです。

「当時生活クラブと一緒に、中国の農場までお邪魔して畑や選別工場などを視察しました。印象に残ったのは、有機ですので当然ですが、きちんと雑草抜きも手作業でおこなわれていたことでした。それくらい大事につくられている大豆だから、私たちも安心して使わせてもらっています」(伊橋さん)
 
2005年に生活クラブが寄贈した木桶

2005年には、提携30年を記念して「末永く木桶で醤油を醸造してほしい」との願いもこめ、生活クラブより杉の木桶を寄贈しました。既存の木桶よりサイズは小さいものの、竹の箍で締められた本格的な木桶です。

国産小麦100%に向けて

2021年10月の仕込みより原材料の小麦は国産100%に切り替わる。

2021年10月の仕込みから組合員の要望を受けて、原材料の小麦を100%国産に変更します。
「国産ならどれでもいいというわけではなく、タンパク質をある程度含む、醤油に適した国産小麦の安定的な確保に奔走しました。栃木の『タマイズミ』という品種を確保できそうな見通しが立ち、約6週間のテストを経て、使うことを決断しました」(高山さん)。

とはいうものの1年間に使う小麦の調達量はその前年に決定するのが一般的。「このとき確保できたのは、半年分まで。あとは何とかするという見切り発車」と思い切って判断した内情を明かします。

結果的に、さまざまな製粉メーカーから少しずつ譲ってもらう形でなんとか1年分の確保の見通しが立ったものの、原材料の変更一つでも調達や安定した品質のために、大きな労力が伴う舞台裏が垣間見られました。
※国産小麦100%の丸大豆醤油は、2022年末頃から供給開始の予定です。

もともと一升瓶などをリユースしていたタイヘイは、Rびん(*)も即導入
*Rびん…Rマークの刻印があるリユースびん。形(規格)を統一しており、回収し洗浄工場で洗い、繰り返し再利用している。

組合員とともに歩んだ約半世紀。そしてこれから

蔵の隣にある充填工場で丸大豆醤油がRびんに充填される。
 

最後に組合員へのメッセージを高山さんに伺いました。

「1974年の提携から、あと数年で半世紀になります。組合員のみなさんたちはこの長い間利用し続けてくれています。私たちは、醤油をつくり食べ続けてもらうことで、原材料をつくっている農家さんたちを支えられる。農家さんたちの思いも受けて私たちも一生懸命醤油をつくっているので、ぜひ食べ続けていただきたい」。

長い年月をかけて醤油蔵に棲みついた微生物と熟練職人の共同作業で生まれる『丸大豆醤油』。食卓に届く1本の醤油の中に、じっくりと醤油蔵で醸造させる1年間という時間、140年の醤油製造で培われた無数の微生物、そして数々の試行錯誤を繰り返して育まれた技術が詰まっていました。
 
●丸大豆醤油

時間をかけてつくりだす風味豊かな味わい
原料の大豆には国産大豆を30%使用。外国産大豆についても遺伝子組み換えの疑いのない原料を使用しています。丸大豆を原料に木桶で1年間天然醸造しています。

「生活クラブの丸大豆醤油」の紹介ページはこちら

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