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生協の食材宅配【生活クラブ】
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身近な食品の価格が上がっています 穀物をめぐる世界の動きと生活クラブのGM対策

近年、牛肉や豚肉などの肉類をはじめ、日常に欠かせない食パンやマーガリンなどの食品価格の上昇が続いています。これらは、世界のあらゆる国々での天候不順や経済対策などと深い関わりがあります。

穀物をめぐる世界の動き
食パンやマーガリン、パスタ、牛丼など身近な食品の価格が上がっています


毎日の生活に欠かせない食品の値上げは世界の穀物情勢と密接に結びついています。
穀物価格の高騰が暮らしに与える影響は大きく、この状態が長引けば、私たちが求める、遺伝子組み換えでないトウモロコシを手に入れることができなくなるかもしれません。
 

穀物価格の高騰が暮らしに与える影響

いま、世界では、私たちの生活に欠かせない穀物をめぐって、大きな変化が起こっています。

まず需要面では、開発途上国の人口増加や所得の向上を背景に、畜産物や油脂類のニーズが高まり、トウモロコシや大豆、ナタネ等の需要が増えています。とりわけ中国では、コロナ禍により一旦停滞した経済活動が再開した結果、豚肉の需要が拡大。それにともない飼料となるトウモロコシの需要が増え、同国の輸入量は2017年から2021年までの4年間で約4倍にまで膨れ上がっています。また、原油価格の高騰から代替品となるバイオ燃料の生産も増加。トウモロコシの最大輸出国であるアメリカでは、バイオ燃料向けが飼料向けに匹敵する割合にまで拡大しています。

一方、供給面では、オーストラリアの干ばつによる小麦の減産等で、ニーズの高まりに対し生産が追いつけない状況となっています。このため、穀物の国際価格は過去最高の水準にまで上昇、トウモロコシ価格に至っては2017年から2021年までの4年間で約2倍に跳ね上がっています。

また、原油価格の高止まりは海上輸送費の高騰にも及び、食料の6割を輸入に依存している日本では、食料品価格の値上げにもつながっています。現に、2021年9月に国が製粉業者などに売り渡す輸入小麦の価格を19%引き上げることを決定すると、食品メーカー等から、食パンや菓子、牛丼等の小売価格の値上げが相次いで発表されました。国内農業についても、主に輸入トウモロコシから製造される飼料の価格が高騰し、畜産経営に大きな打撃を与えています。

■ 世界の穀物価格動向
※:参考:農林水産省「米国農務省穀物等需給報告(2021年9月10日発表のポイント)」より、シカゴ商品取引所における2021年9月第1週末の期近価格と前年同時期の価格を比較。


■ 平均輸入原料価格の推移
資料:農林水産省 畜産局飼料課「飼料をめぐる情勢」(2021年11月)
※輸入原料価格は、トウモロコシ、こうりゃん、大豆油かす、大麦、小麦の5原料の平均価格。


■ 2021年秋以降に値上げが発表された主な食品
マーガリン 大豆やナタネの産地である北米の天候不順や、中国を中心とした世界的な需要増による油脂価格の高騰により、12%程度の値上げ
食パン 世界的な需要拡大や天候不順などにより、政府が輸入小麦を民間に売り渡す価格を19%引き上げたことから、食パン1斤の価格は8%程度の値上げ
和菓子・洋菓子 穀物価格の高騰により、油脂類、糖類の価格が上昇するとともに、鳥インフルエンザの感染拡大により鶏卵価格が高騰。さらに燃料価格の上昇もあり、和菓子・洋菓子は7%程度の値上げ
牛丼 輸入牛肉の高騰や原油高により、10~18%程度の値上げ

このまま穀物価格が上がり続けると…

私たちの食卓では
今後も値上げするものが増えてくる可能性があります

 

生産地での天候不順や各国が新型コロナ対策として行なった金融緩和の影響などもあり、穀物価格の高騰は今後もしばらく続く可能性があります。

アメリカの穀物栽培農家では
遺伝子組み換えトウモロコシの作付けを増やすかも…


トウモロコシの価格上昇を受け、更なる経営安定のためアメリカの穀物栽培農家は、GMまたは、Non-GMのどちらにするか、その判断に迷います。

日本の畜産生産者では
飼料の価格高騰により経営に影響が…

 

日本の畜産生産者は、値上げによる消費の減少と生産コストの上昇のせめぎあいの中にいます。

遺伝子組み換えでないトウモロコシを安定的に確保するために
アメリカの穀物生産者と取り組む独自のプロジェクト

生活クラブでは、2008年から組合員の代表がアメリカを訪問し、生産現場での点検や生産者との交流を図ってきました。2019年も組合員の代表4人がトウモロコシ農家や集荷会社のスタッフを訪ね、現地での視察を行ないました。

生活クラブでは「生活クラブの消費材10原則」に基づき、“食べ物の遺伝子操作” に反対する立場をとっています。原材料だけでなく、飼料などにおいても遺伝子組み換えのものは使わないことを基本としており、畜産の飼料となるトウモロコシにはアメリカ産のNon-GMを指定して調達しています。

種子の供給協定の後押しや分別管理でNon-GMトウモロコシを確保しています

生活クラブでは、牛や豚などの飼料のトウモロコシなども遺伝子組み換えでないものを選んでいます。

現在、世界有数の大産地であるアメリカで栽培されているNon-GMトウモロコシは全体の約8%で、そのうち分別されたものは2%ほどに過ぎません。このトウモロコシを安定して入手するため、組合員の代表はこれまで毎年、産地のアメリカを訪問し(2020年と2021年はコロナ禍の影響によりオンライン交流会を開催)、Non-GMトウモロコシの需要を示すとともに、生産性(収量)を高めた種子開発の継続についても依頼し続けてきました。現在は、米国の種子会社及び集荷会社が種子の供給協定を結び、生活クラブの畜産生産者へ飼料を供給するJA全農などへの供給分として、2026年に生産する分まで確保しています。

また、Non-GMトウモロコシを安心して利用するためには分別管理も大切です。
トレーサビリティ(生産から消費までの流通経路が把握できること)を確保するため、集荷時と倉庫での保管時、さらに輸出時に1回ずつ合計3回の検査を行ない、しっかりと分別されたものを日本へ届け、牛や豚などに与えています。
 

参考: 2019年 農林水産省 遺伝子組み換え農作物の管理について
 

毎日のことだから安心と安全を第一に考えたい
生活クラブは遺伝子組み換え作物にNO!

生活クラブでは「疑わしいものは使用しない」という考えから、遺伝子組み換え作物・食品は取り扱わないことを基本にしています。
そして、提携生産者と協力し調味料や加工食品の原材料、畜産物の飼料からも遺伝子組み換え作物を取り除いてきました。
消費者の立場から身体や環境のことを考え、食の安心や安全を子どもや孫の世代にもつないでいきます。

私たちに今できること
このような状況だからこそ食べ続けていくことが必要です

生活クラブでNon-GM飼料を使用した畜産物を利用し続けることが、Non-GM作物の生産の維持につながります。


 
Non-GM飼料を使用した畜産物をこれからも食べ続けていきます
生活クラブ東京 加瀬 和美さん

2019年にアメリカを訪問した時と比べ、「少ない労力で収穫量を増やす」ための種子開発がさらに進んでいると感じました。なんのために食料生産するのかを問い、消費者側がどんな食べ物を求めているのかを発信し続ける必要があります。これからも安心して食べられる食肉・卵・牛乳を得るために、飼料もNon-GM 作物を選ぶという姿勢を示し、Non-GM 飼料を使用した畜産物を食べ続けることが大切だと感じました。

★『生活クラブOPINION』 2022年2月3回 を転載しました。
【2022年2月4日掲載】
 

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