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【復興支援活動報告】ずっと、被災地とともに歩み続けます

東日本大震災から12年目。住宅やインフラなどの整備はすすんでいますが、暮らしの再建、子どもたちの健康や安全を守るにはまだ十分ではありません。
2022年度は、組合員のカンパをもとに、福島・宮城での活動や甲状腺検査活動、保養企画リフレッシュツアーのほか、地震や台風の被災地などへ支援を行なってきました。
これからも復興の途上にある方々に寄り添い、おおぜいの組合員と力を合わせて復興に向けた活動を続けていきます。

カンパをもとにさまざまな活動を行なっています

生活クラブでは組合員からのカンパをもとに、困難や不安を抱える人への息の長い支援として、2025年までを想定した活動を継続しています。
現在、カンパ募集は行なっていません。これまでのカンパ残金を「災害復興支援カンパ基金」として管理しています。また、今後想定を上回る支援の必要性が出てきた場合は、カンパを新たに呼びかけます。支援活動の状況と基金の収支については、年1回「復興支援ニュース」を発行、連合会公式WEBサイト上でも報告していきます。


●新型コロナウイルスの影響により、生活クラブ各地によるリフレッシュツアーや甲状腺検査活動など計画どおりに実施できませんでした。
●2022年度のカンパ基金実績は、2023年3月までの支援活動を計画どおり実施した場合の見込み金額となっています。(2022年11月末現在)
●「被災地視察」については、コロナ禍により宮城県エリアは中止となりましたが、福島県エリアは開催することができました。
●2023年度使途計画に基づき、継続した支援活動を行ないます。

「つながりは絶やさない」思いをより強くした被災地訪問

2022年は2回にわたり、NPO法人シャロームとの交流を図りました。施設の視察(10月29~30日)や、
「ひまわりプロジェクト」参加者との交流の場である「ひまわり感謝祭」(11月19日)に、組合員の代表が参加しました。
復興支援での交流を通して ともに支えあうことが大切


生活クラブ千葉 理事長 福住 洋美さん

「震災がなかったら交流はありませんでしたね」 「ひまわりプロジェクト」を企画しているNPO法人シャロームの大竹静子さんが、視察に来た私たちを昼食にもてなしてくれた時の挨拶の言葉でした。
震災は誰も望んではいないし、今なお苦しんでいる人はいます。シャロームさんも原発事故後10年経った今も復興に向けて活動をつづけています。そもそも震災なんて起こらなければよかったし、できれば受け入れたくない現実です。


しかし、大竹さんの言葉からは起こったことを受け止め、震災がきっかけで始まった生活クラブとの関係性を大事にして、ともによりよい社会をつくっていこうという強い気持ちが伝わってきました。
シャロームさんがめざしているのは、たすけあい、支えあって生きる社会、そして支援する側される側の関係性を超えた共生社会です。私たち生活クラブも「ひまわりプロジェクト」を通じて持続可能な社会をつくっていきましょう。


「ひまわりプロジェクト」について意見交換の様子
多くの組合員の共感がつながりをより強いものに


生活クラブ埼玉 理事 相沢 順子さん

 
コロナ禍のため、3年ぶりの開催となった「ひまわり感謝祭」に参加しました。
午前中に行なわれたフォーラムでは、震災以降NPO法人シャロームとひまわりの栽培を通してつながりをもってきたこと、昨年は「サステイナブルフェス!2022 」の一環で「ひまわりプロジェクト」に取り組み、多くの組合員が参加したこと、ひまわりの花に共感を持って参加した組合員が多かったことなどをお話ししました。会場では、福島の原発とウクライナに思いを重ねての発言もありました。

午後には、障がいをもった方々や支援を行なう方々によるコンサートが催されたのですが、出演された皆さんの力強い発表に勇気づけられるとともに、復興支援は同じ思いを持つ多くの人たちとの関係で成り立っていることを知り、胸が熱くなりました。ともに支えあう人たちのつながりをより強いものにしていきたいと感じています。


「ひまわり感謝祭」にて。登壇者や各団体メンバーと一緒に

子どもたちの未来のために甲状腺検査をしています

生活クラブでは、福島第一原発事故で放出された放射能の影響による子どもたちの甲状腺がんを懸念し、2012年から独自の甲状腺検査活動を続けています。2022年12月17日にオンラインで開催した2021年度の活動報告会には、組合員など83人が参加しました。

*詳しくはこちらから
子どもの甲状腺検査活動・保養活動(2021年度)の報告会を開催(2023年2月1日掲載活動レポート)
震災後から続ける独自の甲状腺検査活動
生活クラブでは、福島第一原発事故のときに福島県にいた子どもや、他地域の子どもにも甲状腺検査を実施。福島県と他地域との比較や、全国各地での実態を調査して、甲状腺がんの早期発見をめざしています。2019年度以降、コロナ禍で検査活動が計画通りにすすまないこともありましたが、希望者の声にできる限り応え、2021年度は17地域の生活クラブで甲状腺検査を実施。331人の子どもが受診し、活動には29ヶ所の医療機関が協力しました。
 
■甲状腺検査活動の受診者数の推移

地域と暮らしに寄り添い続けます

公益財団法人共生地域創造財団は、生活クラブ、グリーンコープ共同体とNPO法人ホームレス支援全国ネットワークが協力し、東日本大震災の支援活動のために設立。災害直後の緊急支援から復興後の地域づくりまで、現地の団体と連携して行なっています。
東日本大震災関連の支援活動
帰還困難区域の解除が進む福島県にて、現地職員により地域住民に必要な支援活動が行なわれています。自らの意思とは関係なく避難することになった方々が、さまざまな思いを抱え日々を暮らしています。その困難さの隣に居続け、その声を形にするサポートを行ないます。この活動は温かい支援により続けられています。
 
ぽかぽかプロジェクトでの食事の支度の様子
\全国各地の被災地も支援しています/
東日本大震災の経験をいかし、8月の豪雨災害では山形県・新潟県・福井県、9月の台風15号による災害では静岡県で在宅被災の方々を中心に支援を届けました。
新潟県村上市小岩内地区にて。協働の炊き出し支援の様子
静岡市葵区で、在宅被災者からの声を聞き取り、必要な支援をお届けしました

支援団体からのメッセージ
―みなさんの力で活動が支えられています―

東日本大震災後、生活クラブは共生地域創造財団を通じて、東北地方でさまざまな活動をしている団体を支援してきました。各団体から寄せられたメッセージを紹介します。



地域の困りごとを共有し“寄り添い”で人を元気に
代表 八木 純子さん

震災から11年が過ぎました。震災直後は、慣れない生活で不安を抱えたママたちにゆっくり休める時間を過ごしてほしいと、避難所での子守り活動を開始。絵本やおもちゃの提供、炊き出しなど、親子の気持ちに寄り添う活動をしてきました。現在は、津波で仕事を失った男性たちとつくった「いちじく茶葉」や「潮風とうがらし一味」、ガラス玉を使用した「ゆめ玉ストラップ」などの販売も行なっています。

今年度はサポートの新たな形として、石巻に合同会社を立ちあげ、11月にお総菜屋さんを開きました。
震災後、世帯数は増えたものの、コロナ禍で地域のお店が撤退し、買い物すら難しくなったからです。高齢者だけではなく子どもたちも「ここ癒されるー」といって集うなど、買い物難民の方の台所として動き出しています。もちろん、働くのも地域の方です。そこに住んでいる方に活気が出るよう、女川と石巻で“ 寄り添い”を続けていきます。


新しく借りた畑を、みんなで耕しています

人とのつながりを大切に活動を続けていきます
代表 高橋 真一さん

“生け花の里”と呼ばれ、多くの花木農家が集まる花見山で、里山の整備活動を応援し続けて18年。震災孤児支援など、福島の復興活動を始めてからは11年が過ぎました。
津波で両親を亡くした当時4歳の子どもたちは、現在は15歳・高校1年生となり元気に部活に励んでいます。また、「人とのつながりを大切にしたい」との思いで開設した、ふれあいサロンやバザー会場も、地域のコミュニティーの場としてたくさんの方に活用され喜ばれています。こうして、当会はみなさまのご支援で活動が続けられています。
 

年々、里山での活動が移り変わり、目に映る景色が気持ちをリセットしてくれます。3~5月までの花が美しい時期にはぜひ、福島にお越しください。
今年もボランティア活動に参加してくださった個人・団体のみなさま、心温まる支援を送ってくださった方々、心より感謝申しあげます。今後とも、心温まる支援、ご協力をよろしくお願いいたします。


子どもたちへクリスマスプレゼントを贈る活動


生まれ育った村で高齢者の暮らしを守りたい
代表 志田 篤さん

私たちは、原発事故の発生直後から現在まで、高齢者に食品を提供する活動を続けてきました。あれから12年が過ぎようとしていますが、原発の立地町村である双葉郡では、住民の帰還がすすまず、荒廃した地域が見て取れるなど、復興の歩みが遅く感じられます。なかでも、私の住む川内村では、事故の影響が大きすぎて未だに解決できていない課題もあります。

震災前は、人口約3000人、村の8割を森林が占める自然豊かな地域で、住民の多くが自給自足の生活を送っていました。しかし震災後、人口は約2000人に。
田の耕作面積も半減し、自給自足の生活も難しくなってきています。被災者の医療費、介護保険の免除の打ち切りも予定されています。年金に頼る高齢者の暮らしが心配されますが、私たちは生まれ育った川内村でたすけあいながら暮らしていきたいと思います。長期にわたり被災地に心を寄せていただいているみなさん、本当にありがとうございます。


毎週日曜日に開かれる市。地域の憩いの場にもなっている

サステイナブル フェス! ひまわりプロジェクト
復興へ向けてひまわりを育てませんか

被災地に代わって花を育て、障がいがある人の仕事の支えに
「ひまわりプロジェクト」はみなさんが育てたひまわりの種で、福島県のNPO法人シャロームで障がいのある人たちが加工品をつくり、地域の復興支援に役立てる活動です。東日本大震災前、シャロームは福島県内でひまわりを育てていましたが、福島第一原発事故により不可能に。生活クラブでは2014年度から一部の地域の組合員が栽培に参加しています。東日本大震災から12年目となる2023年度は、福島のことを忘れないために、「サステイナブルフェス!」を通じて支援の輪を広げます。ぜひ参加しませんか。
※今回のプロジェクト費用は、災害復興支援カンパ基金から拠出します

■申し込み締め切り 3月20日(金)
■参加方法はこちらから
サステイナブル フェス!サイト「ひまわりプロジェクト」

※応募多数の場合は、抽選となることがあります。
※福祉クラブ、エスコープ大阪では実施しません。

 

★『生活クラブOPINION 』 2023年3月3回(11週) 掲載記事を転載しました。
【2023年2月27日掲載】
 

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