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重要目標9:自分たちの働き方を自分たちで決める、ワーカーズ・コレクティブという働き方

生活クラブと関わるみんなでサステイナブルな実践:生活クラブ2030行動宣言

ヱスケー石鹸株式会社
メロディーが運営しているデイサービス「生活リハビリクラブ幸(さいわい)」。『自分が受けたい介護』が原点で、利用者一人ひとりに心をこめて接する
「生活クラブ2030行動宣言」は11の目標を掲げ、サステイナブルな未来の実現をめざしています。重要目標9ではジェンダー平等と多様な働き方の実現をめざし、誰もが働きやすい、公平で多様な職場づくりをすすめています。国の方針により、働き手の拡大が求められている一方で、女性やシルバー人材などの登用が進んでいないのが実態です。その要因のひとつとして、子育てや介護などとの両立や、それに伴うキャリアの離脱による再就職の難しさなどがあります。そんな中、自分らしい働き方や、仕事以外の時間の両方を大切にしたい、仕事を通して社会に貢献したいなどといったニーズの高まりと多様化から、ワーカーズ・コレクティブという働き方に注目が集まっています。

NPO法人ワーカーズ・コレクティブ メロディーでケアマネジャーとして働く岩切さんは、子育てをしながら、ワーカーズ・コレクティブでやりがいを持って働いている一人。そんな岩切さんに話を聞きました。

2030行動宣言「重要目標9」についての詳細はこちら

 ACTIONする人  
ワーカーズ・コレクティブ メロディー 岩切京子(いわきりきょうこ)さん

 

子育ても仕事も、自分らしさをもってやりきりたい


13歳と8歳、2人の子どもを育てながら、ケアマネジャーとして働く岩切さん

出産前から介護の仕事に従事し、やりがいを感じていた岩切さん。スキルアップのため、ケアマネジャーの資格を取得しましたが、出産を機に退職。子育てに取り組む中でも、いつかは復帰をしたいと考えていました。ですが、資格はあっても実務の経験がないことや、仕事を離れてしまい職歴にブランクがあること、また、育児しながらの就労となることから、「出産前にやっていたことが本当にできるだろうか」と仕事の復帰に対して不安を抱えていました。
そんな思いを抱える中、生活クラブの配送カタログといっしょに届いた、ワーカーズ・コレクティブのメンバー募集のイベントチラシがきっかけで、当時メロディーの代表だった木村満理子さんと話をすることに。
メロディー創設メンバーの一人でもある木村満理子さん(左)との出会いが再び働くきっかけに
 
子育てに専念している期間は、配送でカタログと一緒に届く生活クラブのチラシをよく見ていた岩切さん。今でもそのときのチラシは保管している。
岩切さんが自身の状況を相談したところ、「子どもと一緒でも大丈夫だから一度事務所に来てみない?」と木村さんから誘われ、実際にメロディーの仕事内容を見て話をする中でここで働くことを決めたといいます。

「子育てと両立しての仕事復帰は正直不安でしたが、子どもにおにぎりを食べさせながら面接を受けられたのが印象的でした。仕事を始めるタイミングも、子どもが幼稚園にあがるまで待つよと言ってもらえたこともあり、ここでならチャレンジしてみたいと思えました。」

翌年の春からメロディーで働き始めた岩切さん。働き方をメンバーと相談し、まずは業務を覚えるために短時間勤務からはじめることで、無理のないペースでリスタートすることができました。

「子どもがいても大丈夫なようにみんなが考えてくれたから、問題なく復帰できたんだと思います」と岩切さんは当時を振り返ります。夕方に利用者の病院受診に同行するあいだ、事務所で周囲のスタッフが子どもをみていてくれたこともあったそうです。

主にケアプラン作成の業務を担当する岩切さん。利用者のご自宅でご家族の相談に応じることも。担当する件数を少しずつ増やし、今では40件の担当をこなす
 

みんなが経営者、ワーカーズ・コレクティブとはどのような組織?

メロディーは、非営利で仲間と共同事業を行なう「ワーカーズ・コレクティブ」。ワーカーズ・コレクティブとは、今から40年以上前に、各地の生活クラブの組合員が自分たちが暮らす地域に必要なサービスをつくるために立ちあげた事業体です。雇う、雇われる形の働き方とは違い、必要な資金をみんなで出しあい、経営、労働を自分たちで行なっているのが特徴です。

メロディーが事業を担うことになった生活リハビリクラブ戸手は、「自分たちが入りたくなるような介護施設がほしい」という地域の組合員の声から、高齢者向けデイサービスを開始。その後、介護保険制度に参入し、ケアプラン作成やホームヘルパー派遣にも事業を拡充し、老朽化から拠点を南幸町に移し名称を変更。地域に必要なサービスとして、手助けが必要な人をサポートする生活支援サービスや、川崎市産前・産後家庭支援ヘルパー派遣事業、居場所カフェなど、今では6つの事業を運営しています。

メロディーの創設から関わってきた木村さんに、ワーカーズ・コレクティブとはどのような組織なのかを聞きました。

「『出資・労働・経営』が三位一体となっているのがワーカーズ・コレクティブです。必要な資金をみんなで出しあい、経営、労働にも誰もが平等に参加します。ワーカーズ・コレクティブに加入するには、まず最初に出資金を預かる必要があるのですが、一緒に働く仲間を集める中で説明するのが大変で…。『働くのに、なんでお金を出さなきゃいけないの?』って、聞かれるんです」。

ワーカーズ・コレクティブというしくみについて理解を得るのに苦労したという木村さん。ですが、集まった仲間たちと一緒に運営をしていくうちに、働くメンバーは増えていきました。
発足当初は26名だったメンバーは今では44名に。集まったメンバーは「自分たちで働き方を決めることができる」、「自分たちの意見が経営の方針となる」といった雇う、雇われるの関係にとどまらない働き方や、「自分たちや地域に必要なサービスを自分たちでつくる」という考え方に共感をもってメロディーの運営に携わっています。

「働くメンバーは女性が多いですが、中には男性も在籍しています。それこそ年齢も30代から上は80代のメンバーまでいますし、外国籍のメンバーもいます。日本語は得意じゃないけど、場を和ませるのが上手だったり、曜日限定で送迎に参加してくれたり、できることもできないことも違いますが、みんながそれぞれ自分のできることを持ち寄ってメロディーを運営しています。」

「こういう働き方もあったんだ」参加してみてわかった“互いの意見でつくられる働き方”

周囲のスタッフに、ときには相談のってもらいながら、未経験のケアマネジャーの仕事を身に付けていった

メロディーという組織をこれからどういう組織にしていきたいか?利益が出た分は何に使うか?といった運営の方針は、月に一度の「定例会」での意見交換を経て決定されます。
それぞれ違った価値観や事情をもったメンバーの意見をまとめるのは大変ですが、自分たちが暮らす地域や、メロディーという組織をよくしていきたいという思いは同じ。だからこそ、活発な意見交換がなされるそう。

また、定例会以外の普段のやりとりでも、その気風が表れています。誰かのわからないことを他の誰かが教えることで、お互いが成長していくという「共育」の考えを大事にコミュニケーションをしています。そのこともあり、メロディーでは新人、ベテランといった在籍年数に関わらず意見の言いやすいオープンな雰囲気で、それも働きやすさにつながっていると岩切さんは語ります。

「言いたいことを我慢せず言えるので、働きやすいと感じています。子育てのことも大切だけど、仕事の面でも、利用者の方に納得してもらえるまで一人ひとりとじっくり向きあいたいという私の希望を受け入れてもらえて、それが自分が暮らす地域をよりよくすることにつながっている。そういった実感をもって働けているのが大きいです。メロディーでなら、これからも長く働き続けたいと思います。」

利用者に「あなたに対応してもらってよかった」と言ってもらえることがやりがいだと語る岩切さん。利用者が住み慣れた地域で、最後までその人らしくいられることが大切だと考え、少しでもその助けになれるよう、今後は介護に関わる制度のこと、医療助成のこと、障害のことなど、プランの提案に必要な情報を学び、ケアマネジャーとしてもっとスキルアップしたいと話します。

「子育てしながら働く中で、周りのメンバーに支えてもらったから続けてこられました。だから、これから子どもが大きくなって手が離れてきたら、今後は自分が支える側になりたいと思っています。メロディーで働く前は、こういう働き方もあることを知りませんでした。私と同じように不安に感じている人がいたら、選択肢の一つとして、ワーカーズ・コレクティブについてもぜひ知ってほしいと思います」。

地域とつながる、ワーカーズ・コレクティブだからできること


「ココに来ると誰かと会える」「ココに来ると誰かとつながる」が名前の由来の「メロディーココ」
 

誰もがつながれる場所をめざしている、その温かい雰囲気は入口から伝わる。メロディーココで食事を提供するメンバーの中には、年齢により介護事業に携わることが難しくなったが、「働くことを通して地域に貢献したい」という思いから参加しているメンバーも。
地域で介護事業を運営する中で、地域の新たな課題もみえてきました。コロナ禍の影響もあり、人と人との関わりが希薄化したことから、利用者の認知症や体力の低下が急速に進んでいると木村さんは語ります。

「高齢者の支援は介護保険の範囲だけでは解決しきれないこともあります。でもご近所さん同士で声をかけあうとか、地域でのちょっとしたたすけあいがあることで大きく違ってくる。地域のつながりを絶やさないため、メロディーのみんなで話しあい、介護事業で出た利益から居場所カフェ・メロディーココを立ちあげました。高齢になってから新しい仲間をつくるのは難しいことですが、ここに来ると自然と仲間ができる、メロディーココが地域にとってそんな場所になっていることがうれしいです」。

メロディーココでは子ども食堂や高齢者の体力低下(フレイル)の予防のための運動教室なども定期的に開催。今後は他の地域団体と協力し、地域の子どもたちへの学習支援にも力を入れていきたいと語ります。

「メロディーだけでできることは限られています。ですが、自分たちだけの力ではなく、地域に暮らす人や生活クラブのみんなで力をあわせることで、自分たちの地域をよりよくしていくことができると思っています」。

自分らしく働くために、自分で決める働き方を選択し、自分たちが暮らしたい地域をつくっていく。生活クラブでは、誰もが働きやすく、参加できる社会づくりに向けて、働き方の多様性の実践を推進。その一つとして、自分たちで出資し、働き方や経営を自分たちで考え運営を行なう、ワーカーズ・コレクティブという働き方をこれからもひろげていきます。

2030行動宣言紹介動画公開中&「わたしのアクション」募集中!

重要目標9の達成のため、自分が取り組みたいアクションを宣言してくれたのは組合員の上田祐子さん。
「自分らしく働き続けたい女性が活躍するためには、地域での子育サポートが必要」と、アクションを発信してくれました。

現在、Instagramではみなさんが考えた「わたしのアクション」を募集中!
2030行動宣言の重要目標を達成するためにあなたが実践したい、もしくは今実践している取り組みをSNSで発信しませんか。あなたが考える普段の暮らしの中で実践できることや、これから実践してみたいことをぜひご投稿ください。
 
 



 
 
【2023年6月27日掲載】

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