【日藝×生活クラブ】学生たちが取材の成果を 組合員や提携生産者にプレゼンしました
学生たちが考えた国内自給とは「情熱×つながり×想像力」
制作したポスターを持つ日本大学芸術学部の学生たちと、会場に集まった組合員や提携生産者
生活クラブでは、2023年に続いて2024年も日本大学芸術学部(以下:日藝)と産学連携プロジェクトを実施しました。今年度のテーマは、生活クラブが提携生産者と一緒にすすめている「国内自給」。国内で食べ物をつくり食べ続けるための活動を学生たちが体験しながら取材し、国内自給力アップのためにできることを考え、文章や写真などを用いて表現します。
11月6日、学生たちによる制作発表が行なわれました。会場とオンラインで参加した組合員をはじめ、生活クラブの提携生産者など150名以上が集まり、冊子やポスター、動画などがお披露目されました。
プロジェクトの概要はこちら
「つくる」と「食べる」がつながって豊かな未来を育む
プロジェクトに参加したのは、文芸学科を中心とする学生17名。これまで「国内自給」についてあまり考えたことのなかったというメンバーも多く、冊子のタイトルなどをどのような言葉で表現するか悩んだといいます。彼らが日藝の学生186人を対象に行なったアンケートで「国内自給に関心がある」と答えた人は約半数。「国内自給力を高めるために具体的な行動をとったことはない」という回答は94.1%でした。
そんな学生たちの意識を変えたきっかけは、長野県塩尻市での取材でした。生活クラブの餃子に使われるニラを栽培している女性が、自分の野菜を食べてくれる人の姿を想像しながら農業を楽しんでいる姿を知りました。彼女と一緒に収穫したニラを食べ、「生産者のつくったものを食べることは、その人の想いも受け取っているんだ」と肌で感じたといいます。
取材をすすめるなかで、学生たちは生産者どうしにつながりがあることを学びました。長野県山形村の酪農家・佐藤さんは、近所の米農家から出る稲わらと、自身の牧場から出るたい肥を交換しています。生産者どうしで資源を循環させれば、地域全体を豊かにすることができる。国内で食べ物をつくることは、土地や暮らしを未来につないでいく力にもなることを知り、冊子に「未来を耕す旅」というタイトルをつけました。そのほかにも、動画、ポスター、ポストカード、フライヤーが制作されています。
登壇した学生たちは、取材を通して発見したことを口にしています。「食べ物の価値というのはおいしさや栄養だと考えていたけれど、つく手の愛情や熱意なども含まれていることを知りました」「国産の食材を食べることが、その食材をつくる方々の居場所を守ることにつながると実感しました」。生産現場に足を運んだ経験が、食の向こう側へ思いを馳せるきっかけとなりました。
長野での取材のレポートはこちらから
そんな学生たちの意識を変えたきっかけは、長野県塩尻市での取材でした。生活クラブの餃子に使われるニラを栽培している女性が、自分の野菜を食べてくれる人の姿を想像しながら農業を楽しんでいる姿を知りました。彼女と一緒に収穫したニラを食べ、「生産者のつくったものを食べることは、その人の想いも受け取っているんだ」と肌で感じたといいます。
取材をすすめるなかで、学生たちは生産者どうしにつながりがあることを学びました。長野県山形村の酪農家・佐藤さんは、近所の米農家から出る稲わらと、自身の牧場から出るたい肥を交換しています。生産者どうしで資源を循環させれば、地域全体を豊かにすることができる。国内で食べ物をつくることは、土地や暮らしを未来につないでいく力にもなることを知り、冊子に「未来を耕す旅」というタイトルをつけました。そのほかにも、動画、ポスター、ポストカード、フライヤーが制作されています。
登壇した学生たちは、取材を通して発見したことを口にしています。「食べ物の価値というのはおいしさや栄養だと考えていたけれど、つく手の愛情や熱意なども含まれていることを知りました」「国産の食材を食べることが、その食材をつくる方々の居場所を守ることにつながると実感しました」。生産現場に足を運んだ経験が、食の向こう側へ思いを馳せるきっかけとなりました。
長野での取材のレポートはこちらから
国内自給力アップに取り組む生産者の想いや、自分たちの感じたことをつづった冊子「未来を耕す旅」。画像をクリックしてご覧ください
学生たちが撮影した写真と、取材を通じて導き出した言葉が印象的なフライヤー
消費する人たちも生産に参加できるのが理想的
国内自給力を高めるために必要なのは、消費者の「想像力」。学生たちが生活クラブの提携生産者たちを取材して見つけたひとつの答えです。自分の手元にある食べ物がどのように育てられ、どんな思いが込められているか、想像しながら食べること。国内自給は生産者だけでなく、消費者も一緒に考える未来への課題だと気付きました。
さらに学生たちが、国内自給力を高めるきっかけになるのではないかと感じたのが、生活クラブの「計画的労働参加」という活動です。生活クラブのトマトジュースに使用する加工用トマトは、生産者の高齢化や人手不足が課題となっています。そこで、生活クラブでは消費者である組合員が定植や収穫などに参加して生産に携わってきました。
ふだん食べているものがどんな風に生産されているか自分の目で見て、体験する。このような機会が自分たちのような若い世代にもっと広がれば、きっと国内自給力アップにつながると学生たちはプレゼンを通じて発信しました。
さらに学生たちが、国内自給力を高めるきっかけになるのではないかと感じたのが、生活クラブの「計画的労働参加」という活動です。生活クラブのトマトジュースに使用する加工用トマトは、生産者の高齢化や人手不足が課題となっています。そこで、生活クラブでは消費者である組合員が定植や収穫などに参加して生産に携わってきました。
ふだん食べているものがどんな風に生産されているか自分の目で見て、体験する。このような機会が自分たちのような若い世代にもっと広がれば、きっと国内自給力アップにつながると学生たちはプレゼンを通じて発信しました。
会場でスライドや動画を交えながらプレゼンする、文芸学科の学生たち
自分で見て、触れる経験が国内自給力をアップさせる力に
学生たちのプレゼンを受けた組合員から「この取材をした後、自分の生活に変化はありましたか?」という質問があがりました。「国産」の表示を気にするようになった、スーパーに外国産の食材がたくさんあることに気づいた、八百屋で国産の野菜を買ってみた、など学生からはさまざまな答えが返ってきました。畑や牧場、加工場など食べ物がつくられる現場を訪れ生産者の想いにふれた経験が、自分たちの行動の変化にもつながったと語りました。
組合員からの質問に、学生たちは自分なりの考えを伝えていました。
学生たちから取材を受けた生産者からは、今後もこのような機会がひろがっていくことへの期待が寄せられました。
学生たちから取材を受けた生産者からは、今後もこのような機会がひろがっていくことへの期待が寄せられました。
美勢商事(株)代表取締役 社長/きららリンク CEO 小松 直さん
「皆さんにとっても私たちにとっても、新しい発見のある取材でした。この発見をもとに、これから皆さんが豊かに楽しく暮らすためにどんな行動をとるのか、楽しみにしています。」
「皆さんにとっても私たちにとっても、新しい発見のある取材でした。この発見をもとに、これから皆さんが豊かに楽しく暮らすためにどんな行動をとるのか、楽しみにしています。」
ながの農業協同組合 飯綱トマト部会 部会長 池田 繁則さん
「若い人に訪ねてもらい、意見を直接聞くことができた貴重な体験でした。今後も若者ならではのネットワークや表現をいかして、農業に触れる機会をひろげてもらえたらうれしいです。」
「若い人に訪ねてもらい、意見を直接聞くことができた貴重な体験でした。今後も若者ならではのネットワークや表現をいかして、農業に触れる機会をひろげてもらえたらうれしいです。」
オンラインで参加した南信酪農業協同組合 酪農家 佐藤 勝彦さん
「皆さんが牧場を訪れ、感じたことや学んだことがとてもよくまとめられている発表でした。スタッフ達と続けてきたことを素敵な言葉や写真で表現してもらい、これからもがんばろうと思いました。」
生活クラブでは、組合員が産地へ赴いたり生産者が学習会を開いたりして交流する機会を大切にしています。食材の産地や生産者を知ってつながると、私たちの食生活や暮らしが一層豊かになることが改めて分かりました。これからも幅広い世代へ向けて、食べ物がつくられる背景や国内自給力を高める大切さについて発信していきます。
「皆さんが牧場を訪れ、感じたことや学んだことがとてもよくまとめられている発表でした。スタッフ達と続けてきたことを素敵な言葉や写真で表現してもらい、これからもがんばろうと思いました。」
生活クラブでは、組合員が産地へ赴いたり生産者が学習会を開いたりして交流する機会を大切にしています。食材の産地や生産者を知ってつながると、私たちの食生活や暮らしが一層豊かになることが改めて分かりました。これからも幅広い世代へ向けて、食べ物がつくられる背景や国内自給力を高める大切さについて発信していきます。
「皆さんのプレゼンや言葉から”知る”ということの楽しさをあらためて感じました」と、感動を伝えながら学生へ質問する生活クラブ連合会 連合消費委員会 副委員長 豊崎千津子さん。
★学生が制作した動画は生活クラブ連合会公式YouTubeチャンネルで公開中!ぜひご覧ください。
★学生が制作した動画は生活クラブ連合会公式YouTubeチャンネルで公開中!ぜひご覧ください。
★日藝との産学連携プロジェクトについて、生活クラブ連合会公式SNS各種でも情報を発信中です。各SNSよりご覧ください。
【2024年11月29日掲載】