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生協の食材宅配【生活クラブ】
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「ベトナム産ブラックペッパー」と「ファーマーズカットマンゴー」の生産現場を組合員が視察・交流しました

生活クラブ用のマンゴーが入ったコンテナ(SEIKATSU CLUB west Japanese farmers union)
 
2025年4月25日(金)~30日(水)に東京と愛知の生活クラブの組合員2名がベトナムを訪問し、「ファーマーズカットマンゴー」(提携生産者:㈱西日本ファーマーズユニオン)と「ベトナム産ブラックペッパー」(提携生産者:和高スパイス㈱)の産地交流を実施しました。「ファーマーズカットマンゴー」は取組み開始から約3年が経ちますが、コロナ渦を経て、生産者と消費者である組合員が直接顔を合わせて交流することがようやく実現しました。

ファーマーズカットマンゴーとベトナム産ブラックペッパーの包材写真です

できるだけ農薬や殺虫剤を使わないで育てるマンゴー


写真中央右がローさん、左が息子さん、 両脇が組合員の牧野さん(左)と市野さん(右)

ホーチミンの西約150kmにあるドンタップ省は大きな川がいくつも流れており、水に恵まれた土地です。この特性をいかし、ドンタップ省はマンゴーの生産が盛んな場所となっています。

生活クラブ向けに出荷している提携生産者が所属する「ユイ・タン・ホイ・クアン生産協同組合」では収穫45日前 に専門のアルバイトが高い木に登って袋かけをします。この袋かけ効果により、一般的な栽培に比べ農薬の使用量を削減しています。また、生活クラブの向けのマンゴーを栽培している指定生産者は、硝酸カリウムを使用せず自然の気候条件のもとでマンゴーを育てています。

日本のりんご畑や桃畑のように袋がかかっています。この袋はリユースするそうです。
 
集荷場の管理者でもあるローさんの圃場では、組合員も実際の収穫作業を視察・体験させてもらいました。高いところのマンゴーの収穫には、物干し竿のように長いカッター付専用収穫網を使います。持ってみると、棒が長い分とても重たく感じられます。
 
カッター付 専用収穫網
組合員の市野さんも長い柄の収穫網で収穫にチャレンジ
 
生産者は高い木の上でもこの網を軽々と操作していました

収穫後も管理される「SEIKATSU CLUB」のマンゴー

マンゴーの実は緑色のうちに収穫され、40㎏ずつコンテナに入れられます。このコンテナに「SEIKATSU CLUB west Japanese farmers union」と表示がつけられており、他の原料と混ざらない工夫をしていることが確認できました。

収獲後、マンゴーは提携生産者の倉庫のテント内でエチレンガスを使って追熟されます。バナナの追熟のためにリンゴを一緒に置いておく効果と同じく、この作業はマンゴー加工では一般的です。このテントにも「SEIKATSU  CLUB 」の表記があり、ここでもきちんとした管理を徹底していることが分かりました。
  
テントにも「SEIKATSU  CLUB 」の表記があります

黄色くなったマンゴーは、作業員がひとつひとつ熟度を確認、さらに定期的な抜き取り検査を行ない、糖度計で糖度を調べます。選別されたマンゴーは屋外洗浄、屋内洗浄と2段階洗浄を経て、手作業での皮むき、種取りが行なわれます。

その後、機械で2cm角にカットし、オゾン水洗浄をしてから凍結、袋詰め(10㎏)後に金属検査を経て、冷凍保管されます。端材や形の悪いマンゴーはピューレにし、マンゴープリンなどの消費材になります。
マンゴーの屋内洗浄の様子
 
マンゴーの手作業による皮むきの様子
 
マンゴーの手作業による皮むき、種取りの様子
マンゴーの手作業による皮むき、種取りの様子
 
マンゴーを機械でカットしている様子
 
端材や形の悪いマンゴーをピューレにしているのを視察する組合員
集荷場から加工場までも見学し、生産工程がきちんとトレースできることを確認しました。

最後に生産農家8名の方と交流し、安心して食べられるマンゴー栽培に対する感謝と、今後も生活クラブの組合員へ美味しいマンゴーをつくり続けてほしいという思いを伝えることができました。

生産者のみなさんとおいしいベトナム料理を囲んで交流しました

日本での技能実習を終えた胡椒生産者たち

ホーチミンの北東340kmにあるダクラク省バンメトートは、少数民族が多く暮らし、まだ手付かずの自然も残る、のどかな場所です。
ここでは生活クラブが取り組んでいる和高スパイスのブラックペッパーが生産されています。5名の生産者全員が日本での技能実習を終えてベトナムに戻った方たちで、帰国後も生活クラブの胡椒の生産者として提携関係が続いています。

また生活クラブの消費材の生産者である王隠堂農園と無茶々園が実習生の農業技術指導のために出資して設立したFUV(farmers union venture)が、胡椒の生産指導や管理、原料集荷、従業員雇用をすることによって、生産者の支援をしています。

さて、胡椒の実はどのようになっているのでしょう?ブラックペッパーは、まっすぐ伸びるマメ科等の木の根元につる性の胡椒を植えると、木に巻き付いて4~7mほどに成長します。そしてそこに白い花が咲き、山椒や山ぶどうのような実がなるのです。
もじゃもじゃと茂る胡椒のつる
 
近づくと実がありました!
 
緑色の未熟果で摘んだ胡椒は乾燥後にブラックペッパーになり、完熟した赤い実の皮を剥いだものはホワイトペッパーになります。

乾燥させると黒くなる胡椒の実

胡椒の実は緑色のうちに収獲し、スコールに気をつけながら農家の玄関先や庭先のコンクリート部分にシートを敷いて干します。そしてしっかり乾燥させた胡椒の実は風力によって重さが選別され、サイズ別に分けられます。

集荷場では生産者ごとに袋が分けられていたり、袋を切るときに袋の切りくずが胡椒に入るのを防ぐため袋の口は縫合わせ、丁寧にほどいて開けたりと、きちんと管理できていることが確認できました。
胡椒の実が入った袋には生産者の名前が書かれています
 
袋に名前のあった生産者のイ・ヒェムさん
 
胡椒生産者のクーさん・ターさん姉妹は日本の技能研修性でした
風力で胡椒のサイズを分ける機械
 
実の重さによって選別されます

ベトナム産カカオの生産現場も視察

カカオの実
生活クラブの消費材としての供給はありませんが、FUVが胡椒で培った圃場管理や生産者支援を行なっているダクラク省最南部ラック県ブンホック村のカカオ圃場の視察をしました。

村では多くの村民が自宅周辺でカカオを栽培しています。訪問したミーさんも日本で働いていた技能実習生で、現在は村でカカオ生産に携わっています。

今後はFUVのノウハウをもとにカカオの栽培支援を行ない、持続可能な産地を形成する計画であることを確認しました。
 
カカオ生産に携わる ミーさん
生活クラブ【2030行動宣言】の重要目標1では、「種子から生産・出荷・廃棄に至るまでの情報を開示し、取り扱い品目の「見える化」を推進します。国内生産が難しく輸入に頼らざるを得ない品目についても、公正で責任ある調達を実行します。」と記しています。そのために「ベトナム産ブラックペッパー」についても、生活クラブが「共生と連帯を基本としたフェアトレード」として取り組む意義を伝えながら、引き続き生産者とも交流していきます。

参加した組合員の感想

生活クラブ愛知 組合員 市野正枝さん

「今回の視察交流会の一番の目的であるベトナム産マンゴーの取組みを組合員が確認することができました。生産組合の生産者の栽培の様子と加工工場を見て、作っている人たちと交流し、私たちが美味しく食べていること、これからも作り続けて欲しいと伝えることができました。作ってもらうためには、私たちには食べる責任があると改めて感じました。胡椒の生産者でもある帰国実習生との交流で、西日本ファーマーズユニオンと西日本ファーマーズベンチャーの取組みを応援したいと思いました。生産のトレースができることは当たり前ではありませんが、海外のものでも消費材の持つストーリーとともに伝え、利用につなげたいです。」
 
多摩南生活クラブ 組合員 牧野明美さん

「日本に技能実習生として来ていたベトナムの小数民族出身者の若者の中には、早く収益をあげようと、マメ料の木でなくコンクリートの棒に胡椒のつるを巻き付けて栽培する人も。生木でないとうまく栽培できないことを時間をかけて丁寧に指導するのが、無茶々園から生まれたFUV。現地に住んで信類関係を築き、農業指導にとどまらず、元技能実習生の暮らしを良くしようと努力する熱い思いとパワフルな行動力に感心するばかりでした。いち組合員が注文書の「ベトナム産ブラックペッパー」に「1」と記入することで、元技能実習生に還元できることはごくごくわずかですが、それで彼らの暮らしが少し良くなることを思うと、生活クラブの共同購入の持つ力や影響力を改めて認識しました。生活クラブのフェアトレードは、単なる公正取引でなく、直接現地の暮らしをも良くするんですね。」

【2025年7月2日掲載】

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