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“好き” がつながる、広がる 6+cafeが生み出す参加と協力の輪(湘南)【後編】

【連載】つながりづくり助成

地域のつながりや支え合いをつくるための「つながりづくり助成」。各地で元気に展開している団体の活動をレポートします。

地域の空き家を活用し、多世代が集える居場所として再出発した6+cafe。後編では人と人とのつながりを育みながら、地域の協力で広がる活動の輪に注目します。

声をかけたらいろんな人の協力につながり、気づかなかった魅力や得意なことがどんどん出てきて面白い

多世代交流がコンセプトの「6+cafe」ですが、いろんなことをやるたびに、多世代のいろんな才能や得意なこと、好きなことがある人との出会いと協力があります。居場所のオープンの際も、築45年の空き家になった民家を、ペンキ塗りや壁紙貼りなど、建物のリノベーションを自分たちでやったそうです。

代表の関口裕子さんは、「6+cafe」の立ち上げを機に新代表になりましたが、メンバーは町内会の役員つながり、「今泉台すけっと会」という近所のお助けサークルに勧誘されて先輩世代とつながったり、そこに面白そうだと行ってみたら赤ちゃんステーションでお世話になった方がいらっしゃったり。「こんなところにこんな方がいていつの間にかつながっていた」ように、生活クラブや組合員を超えていろんなつながりが活動を支えています。巣箱づくりの指南をしてくれた方も町内会の役員つながりだそうです。

上の世代は、地域住民のつながりや、子どもの学校つながりで、主婦がたくさん活動に参加している時代だった。でも、今は働きに行っているから横のつながりが難しい。関口さんは、地域のつながりが強かったわけでも、友達がたくさんいるというわけでもなかったそうです。「今泉台すけっと会」に参加した際に声をかけた同世代の仲間も、ママ友で近所の友達だったそうですが、声をかけたら「いいよ、一緒にやろう」となったそうです。「そういう人は他にもいっぱいいるんじゃないか」「ネットワークに入れない人が、自分の家の近所で集まれる。何となく知り合いになれる場所になれる」んだったら、自分がそうだったのもあるけどそういうのもいいのかなと思って。「ここがあって良かった」という場所になったらと話します。

いろんな企画を考え、実現させていくのは楽しい。やろうと思いついた企画に、みんなが巻き込まれてくれる。私はすぐに突っ走ってしまうけど、みんなが巻き込まれてくれる。気づいたら巻き込まれて「あれ?」と思っているかもしれないけど、いつの間にか巻き込まれて手伝ってくれる。

巣箱づくりを手伝ってくれた地域の方もそうだけど、巣箱だけでなく、外に置いてある本箱も、いろんなものをつくってくれる。何かを企画した時に、いろんな人がこんなことができたり、アイデアを出してくれたり。「手伝ってくれるかな」と声をかけたら、気づかなかった魅力や得意なことがどんどん出てきて面白い。「やっていて面白いかどうか」につながっている。

「6+cafe」でも、普段は関わりが少ない世代も、いろんな年齢の人が、年齢が上だからとか代表だからではなく、みんないろんな世代が横に並んでできるのは良いなと語ります。

みんなが好きなこと、得意なことが集まって実現した「今泉台ほんのえき」

地域のいくつかの場所に本を置いておくことができる場所を設置し、貸し出しカードなしでどこでも自由に借りることができ、読み終わったらお好きな設置場所に返すことができる「ほんのえき」という仕組みも、やろうと思いついた企画に、いろんな人を巻き込んで、みんなの好きなこと、得意なことの協力を得て実現したものの一つです。

もともとは、町内会の役員会終わりで話していたときに、「本は好きだけど、本屋さんは減ってるし、本を好きなところで借りて返すことができる駅のようなものができたらいいよね」という話になり、「この企画、あの人好きそうだな」と思い声をかけたら、「関口さん、私もそういうことをしたくて相談しようと思ってたんです。ミニライブラリーみたいなことをやるのに一緒にやってもらえないか相談しようと思っていたんです。だから一緒にやりたい!」と言ってくれたそうです。

借りた本をどこで返しても良いシステムでやりたいので何ヵ所かないとできない。しかも、今泉台は広いので、一つの町内に一つずつ「えき」があればお散歩も楽しくなるかなと思い募集したところ、お便りを出した翌日に「たいへんいい企画だと思うので参加させてください」との連絡がきたり、「本棚を置くえきになってくれる?」と聞いたら「そういうの好きだしいいよ」と快く引き受けてくれたそうです。こうして、個人宅の敷地内、商店街の中にあるデイサービス、第二町内会館の場所など8ヵ所に置いてもらうことができたのですが、置いている本箱は、メンバーの一人が本箱作製を担ってくれたり、「ほんのえき駅長」の役割を担うメンバーがいたり、企画・運営やいろんな役割をみんなで協力して担い、関口さんを含め5人のメンバーが中心となって活動しながら、本箱設置箇所の方々のご厚意やご協力で成り立っています。メンバーには、大人だけでなく若者や子どももいます。大人のメンバーのお子さんが消しゴムスタンプを彫るのがとても上手で、1番から8番までのスタンプをつくってくれたり、その他賞品などのアイデアを出したりつくるのを手伝ってくれています。マップをつくって、簡単なルールをつくり、「ほんのえき」がどこにあるかわかるようにしているのですが、マップづくりは、絵が好きな若者のメンバーが、関口さんがウェブサイトの地図をそのまま写したものをもとに「マップを可愛くして」との声にこたえて描いてくれたそうです。

マップを描いてくれた若者は、「本が好きなので、何かお手伝いできることありませんか」と町内会館にある子ども文庫に来たのをきっかけに文庫の方から関口さんに相談があって「6+cafe」に来るようになった経緯があります。「何か手伝ってもらうというより、まずは来てもらってここを好きになってもらって、自分がやりたいことやできることを自分で見つけてもらって、それが見つけられるのであれば、いくらでもここにきて好きなことをやってね」と言ったら、すぐにやってきたそうです。「子どもの落語教室」をしている時に来たのですが、子どもに関わったり、本を読んだり絵をかいたりするのが好きだということで、そういうことでだったら何かお手伝いができるかも、ということで、「じゃぁこれ書いて、あれ描いて、これつくって、あれやって」という感じに、子どもの落語教室のチラシの絵を描いてもらったり、本を小学生と一緒に読んだり、放課後イベントの企画やものづくりをサポートしてくれています。「ほんのえき」のロゴも素敵な感じにつくってくれました。
「ほんのえき」の手作りのロゴとマップ
 
この本のデザインのスタンプも子どもがつくってくれたそうです
6+cafeの入口にも「ほんのえき」が設置されています
 
建物の外側の掲示。子どもが絵を描いてくれた落語教室のチラシ

1年間を振り返っての課題と今後に向けて

「ここがあって良かった」と思ってもらえ、みんなが「自分の好きなこと」をしながら、いろんな人が参加できる仕掛けをどうつくるか、「自分の居場所にならないと他の人の居場所にならない」をコンセプトに関口さんはいつも面白い企画を考えています。大切にしたいのは、多世代を「つなぐ」こと。取材で訪問した日も、大家さんやジュエリー鑑定の方など、たくさんの方が居場所に訪れ、メンバーに相談をしたり、おしゃべりをしたり、何かのついでに立ち寄ったり、と常に人に行き交う拠点となっているのを実感しました。年間2,000円のサポーターの制度がありますが、地域の方が40人くらいなってくれたそうです。

「1年間、走るな、焦るな、ゆっくり、と周りに言われながら始めたのに、結局暴走し、周りが巻き込まれてくれて、ブレーキになり、並走してくれたり、伴走してくれたり、追い風になってくれたり。長くて短くて濃い日々です。まだ土台作りの段階ですが、小さくても温かい居場所を、この土台の上に積み重ねられるよう、頑張っていきます」と関口さん。

1年間やってきて一番足りなかったことは、居場所は町内会が借りて運営を「6+cafe」がやっているのですが、町内会の防災拠点(ミニ避難所)にもなっているのに知られていないことだそうです。利用してくださっている人は知っていても、すぐ近くに住んでいるのに知らないという人もいます。「ミニ避難所」や町内会の機能としても使えることを周知していくことがまずやらないといけないことと関口さん。6丁目クラブがなくなるときに、居場所が必要ということで、居場所として確立するとともに、防災の拠点でもあることを理解してもらい、知ってもらうことが必要。何かにつけて町内会の行事で巻き込んでみたがまだ足りない。もう少しやりようがあるかなと課題も挙げています。

世代も多様、好きなことも多様ないろんな人が出入りし、企画を実施したり、自分のペースで過ごすことができたり、一つの建物・空間の中で、多様な過ごし方や関わり方が同居する居場所となっています。映画や落語、レコード鑑賞・オーディオ、手工芸、写真、編み物、雑貨づくり、などなど、それぞれが好きなことやこだわりに夢中になる空間にいると、自然と人の好きなことに自分の関心が向いたり、やってみるきっかけになったり、親が熱中する傍らで子どもも好きなことをして過ごしたり、誰もが参加でき、“ほどよい”距離感で楽しんだり、面白いこととの出会いやワクワク感と、そこに巻き込まれたりしながら一緒につくっていく役割と出番がある。豊かなつながりが「6+cafe 」にはあふれています。
6+cafeの紹介ボード
 
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