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ほっけの産地“香深”へ行ってきました!北海道の生産者を訪ねる水産産地交流会~香深編~

2025年9月22日(月)~24日(水)に組合員の代表4名が、北海道の雄武おうむ漁業協同組合(以下:雄武漁協)と香深かふか漁業協同組合(以下:香深漁協)を訪問する水産産地交流会を実施しました。北海道の礼文れぶん島にある香深漁協は、生活クラブと35年以上提携している産地ながら組合員が訪れるのは初めて。主要な魚種であるほっけを中心に、水産物の生産現場を見学してきました。

ほっけを水揚げし終わった生産者と組合員
サイズごとに選別され、冷凍されたほっけ
 
産地では新鮮なほっけを煮付けやフライなどさまざまな料理に。漢字では「𩸽」と書くほっくりとした身質の白身魚

日本の最北端の離島にある香深漁協を初訪問

稚内市から約60㎞離れた礼文島は、晴れた日にはロシアの島々が見える日本最北端の離島です。暖流と寒流がぶつありあう海域でさまざまな魚介類が水揚げされ、香深漁協では主にほっけやたら、うに、利尻昆布などが主要な品目となっています。生活クラブとは「ほっけ開き」の供給をきっかけに35年以上提携する生産者です。今回は、ほっけの漁期に合わせて組合員による初めての訪問が叶いました。

限りある資源として大切にされている香深のほっけ

香深漁協では「刺し網漁」という漁法でほっけを漁獲。魚の通り道に帯状の網を仕掛け、魚をからめて獲ります。香深では、ほっけの漁期は春から10月20日まで。これ以降は産卵期になり浜に近づいてくるほっけが増えますが、資源管理のために獲らないようにしているといいます。そのためかつては親しまれていたほっけの卵などを使った料理を、今では見かけなくなったとの話がありました。そのほか漁網の網目を大きくし、小さいものは獲らないなど独自のルールをつくって資源を絶やさないように工夫し、水産エコラベル認証(※)を取得しています。

※水産資源や生態系などの環境にやさしい方法で行なわれている漁業や養殖業を認証する仕組みのこと。マリン・エコラベル・ジャパン協議会による認証。

組合員は香深漁協管内の元地漁港にて、水揚げ直後の網外しの様子を見学しました。当日の朝3時ごろに仕掛けた網を昼前に引き揚げて網ごと港に持ち帰り、陸上で網から魚を外す作業です。ほっけは鮮度が落ちやすい魚なので素早く仕分けをし、その日のうちに島内の加工場で冷凍しています。
香深の生産者はほっけの網を仕掛けた後うにを獲りに行き、漁港へ戻ってほっけを水揚げする…というように何役もこなすため、漁業者どうしの連携が欠かせません。仕分けの際にもチームワークが素晴らしく、コミュニケーションがよくとれていることが伝わってきました。
魚が網に刺さったようにかかるため「刺し網漁」と呼ばれます。水揚げしたら網から魚を外します
 
大きいほっけは主にメス。オスは卵が孵化するまで巣で守る性質がありエサを活発にとれないため、大きくなれないといいます

離島ならではの課題を知る機会にも

今回は組合員が礼文島を初訪問ということで、香深漁協の湯田博明専務が島内を案内してくれました。「花の浮島」と呼ばれる礼文島は緯度が高く、西からの季節風が年中吹き付けて気候が厳しいため、標高の低い土地でも高山植物が見られる希少な場所。また、漁業の歴史は長く縄文時代から続いているといいます。その一方で平地が限られていて魚介の加工場を建てられるスペースが少なく、冷凍施設などを充実させるのが難しいということが分かりました。また1950年代には9000人以上だった人口が、近年では約2200人まで減少。香深漁協では急激な過疎化のなかで、漁業を次世代につないでいくことが課題となっています。

漁業についてはもちろん、島の歴史や自然にも詳しい湯田博明専務

湯田専務からは「私たちは自然とともに生きている。ライフラインであるフェリーが天候の影響で欠航すれば孤立する可能性もあり便利とは言えませんが、自然豊かなこの島が好きだと言って暮らしている若い人もいます。漁業をつないでいくために水産資源を守りながら、みんなで今できることを今やります」という言葉があり、島で生きる人ならではの姿勢に一同感服しました。
色鮮やかでひときわ目を惹くハマナスの花。甘い芳香も印象的
 
磯では小舟でうにを獲る漁業者の姿も
国内外から浜に流れ着く海洋プラスチックごみは島民の悩みの種
 
かわいらしいアザラシですが、海産物を食べてしまう漁業者の天敵でもあります

実際に足を運んで深まる、産地や生産者への思い

生活クラブ京都エル・コープ組合員の滝西明子さんは今回の交流会を振り返り「香深では礼文島の雄大な自然にも触れ、この豊かな海がいつまでも続いてほしいと願わずにいられません。これからも生産者と心を通わせながら、安心してつくり食べ続けられる関係を育んでいきたいです」と話します。

組合員を迎えてくれた湯田専務は「実際に島に来て、礼文島の風景や漁業のあり方、漁業を中心とした地域の暮らしぶりを知ってほしいと思っていました。私たちが愛し、大切に思っているこの島のことを、もっと多くの生活クラブのみなさんにもぜひ知ってもらいたいです」と今後への思いをお話しくださいました。

ほっけの冷凍工場で、メモを取りながら熱心に説明を受ける組合員

組合員、生産者がお互いに待ち望んでやっと実現した香深漁協での水産産地交流会。産地を訪れて生産者と顔を合わせて話した組合員たちからは、産地や漁業の現状が他人事とは思えなくなった様子が伺えます。海の環境が変わりゆくなかで、今獲れるものを余さずに食べることの大切さを実感した交流会となりました。生活クラブではこれからも、生産者と一緒に持続可能な漁業をめざしていきます。
【2025年11月17日掲載】

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