インドで開催の「プラネット・ローカル・サミット2025」に生活クラブが参加しました

プラネット・ローカル・サミット全体会(プラネット・ローカル・サミット2025ウェブサイトより)
9月はじめ、ヒマラヤ山脈の高地にあるインドのラダックで、映画『幸せの経済学』の監督・ヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんらが主催する「プラネット・ローカル・サミット2025」が開催されました。ヘレナさんからの招待を受け、生活クラブの組合員と事務局が参加。世界中で地域から社会を変えようと活動する仲間たちと交流し、分科会では「つながるローカルSDGs」の活動を報告しました。
25か国から200人超が参加 地域から世界をつなぐサミット
開催地のラダックは、映画『幸せの経済学』の舞台となった場所です。この映画は、かつて自給的で幸福だったラダックの人びとの暮らしが、グローバリゼーションによって外来文化や消費経済の波にのまれて変化していく過程を描いています。この映画は、グローバリゼーションの対極にある「ローカリゼーション」こそが、人々と自然の調和を取り戻し、持続可能な社会をもたらす鍵であると主張しています。また、世界各地で広がる持続可能で自立した暮らしを目指すコミュニティの実践が紹介されています。

基調報告を行なうヘレナ・ノーバーグ・ホッジさん(プラネット・ローカル・サミット2025ウェブサイトより)
プラネット・ローカル・サミットには、まさにこのような実践に取り組む人びとが、25か国から200人以上参加しました。インド、ネパール、ミャンマー、ベトナム、タイ、台湾、日本、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、イギリス、フランス、スペイン、フィンランド、ベルギー、アメリカ、ブラジル、南アフリカなど、すべての大陸から参加があり、9月3日から7日までのイベントで、多様な地域の多様な実践に触れることができました。
「ローカルな食品協同組合」をテーマとした分科会で「つながるローカルSDGs」を報告
生活クラブは、「つながるローカルSDGs」を合言葉に、5つの産地で生産者らとともに地域協議会を作り、FEC(食べもの、エネルギー、ケア)の自給に取り組んでいます。世界中で取り組まれている「ローカリゼーション」の活動と通じるものがあると、イベントへの参加を決めました。参加したのは、生活クラブ都市生活の小谷里香さんと、生活クラブ千葉の福住洋美さんです。
2人は、イベント二日目、9月4日の分科会「ローカルな食品協同組合」で話題提供者を務めました。
まず小谷さんは、生活クラブの組合員と生産者の関係性について「都市の生活者と生産地の生活者、それぞれの地域コミュニティの持続性を高めることで、お互いの暮らしの持続可能性を支え合っています」と従来の「対等互恵」の提携関係から一歩踏み出したことを話しました。そして、みずからがメンバーを務める紀伊半島地域協議会の実践を紹介しました。「目標は次世代に向けた持続可能な産地づくりを進めることです。協議会には、消費者である生活クラブや果樹の提携生産者をはじめ、酒造メーカーや林業事業者なども参加し、異なる生産者間の新たなつながりが生まれています。林業残渣から作った木質チップを活用した有機イチゴ栽培の実証は、農林業連携の好例です。雑草対策に羊を活用する試みも行なっています。」
2人は、イベント二日目、9月4日の分科会「ローカルな食品協同組合」で話題提供者を務めました。
まず小谷さんは、生活クラブの組合員と生産者の関係性について「都市の生活者と生産地の生活者、それぞれの地域コミュニティの持続性を高めることで、お互いの暮らしの持続可能性を支え合っています」と従来の「対等互恵」の提携関係から一歩踏み出したことを話しました。そして、みずからがメンバーを務める紀伊半島地域協議会の実践を紹介しました。「目標は次世代に向けた持続可能な産地づくりを進めることです。協議会には、消費者である生活クラブや果樹の提携生産者をはじめ、酒造メーカーや林業事業者なども参加し、異なる生産者間の新たなつながりが生まれています。林業残渣から作った木質チップを活用した有機イチゴ栽培の実証は、農林業連携の好例です。雑草対策に羊を活用する試みも行なっています。」

分科会「ローカルな食品協同組合」の会場
次に福住さんは、千葉の構想について報告。「環境にやさしく持続可能な暮らしのしくみ、市民が主役となる居心地のよい地域、地域の人と協力して支え合う食と経済。地域にある資源を使ってこれらを作っていこうと、地域協議会を構想しています。虹と風のファームでは、ソーラーシェアリングでエネルギー自給に取り組んでいます。畑作業は主に障がいのある人たちが中心となって行ない、ユニバーサル農業を実践しています。」
分科会には20人ほどの参加がありました。ベトナムで生協を最近立ち上げたばかりのヴさんをファシリテーターに、インドで農村地域の有機農業への移行を支援するティムバク・コレクティブ(Timbaktu Collective)のバブルさん、フィンランドのオママ(Oma Maa)食品協同組合の生産者メンバーであるルビーさんの報告を聞き、参加者と一緒に意見交換しました。ルビーさんはRIPESS(社会的連帯経済推進のための国際ネットワーク)の委員も務めています。

分科会の報告者たちと(左から小谷さん、ルビーさん、福住さん、ヴさん、バブルさん)
生活クラブの活動の意義を実感
「生活クラブのプレゼンが終わった後に、ルビーさんから『あなたたちの実践には励まされるわ』と言われたり、インドの参加者からは『自分たちも規模や活動内容など、生活クラブのようになっていきたいので、もっと詳しく知りたい』と言われたりしました」と小谷さんは言います。「生活クラブの歴史や活動などを外に向けて発信し、その反応を見ることで、ローカルSDGsの方向性が共感を得られるものであると再認識できました。」
福住さんはこのイベントへの参加を振り返り、「千葉県構想の実践はこれからですが、『これから取り組むべきは食やエネルギーを私たちの手に取り戻すローカリゼーションだ』というヘレナさんの言葉を励みに前に進んでいきたい」と今後の抱負を語りました。
小谷さんは、「私たちだけでなく、地域を大事にしていこうという考え方の人たちが世界のいろいろな国にいることがわかりました。世界でも日本でも、どんな地域にしていきたいのかは、都市住民と、農山漁村など地域に住む人たちがface to faceで(実際に会って)お互いを知り、語り合いながら、納得できる形で進めていくことが重要だ」と感じたと言います。
プラネット・ローカル・サミットで出会った仲間たちと、今後も交流を続けます。
福住さんはこのイベントへの参加を振り返り、「千葉県構想の実践はこれからですが、『これから取り組むべきは食やエネルギーを私たちの手に取り戻すローカリゼーションだ』というヘレナさんの言葉を励みに前に進んでいきたい」と今後の抱負を語りました。
小谷さんは、「私たちだけでなく、地域を大事にしていこうという考え方の人たちが世界のいろいろな国にいることがわかりました。世界でも日本でも、どんな地域にしていきたいのかは、都市住民と、農山漁村など地域に住む人たちがface to faceで(実際に会って)お互いを知り、語り合いながら、納得できる形で進めていくことが重要だ」と感じたと言います。
プラネット・ローカル・サミットで出会った仲間たちと、今後も交流を続けます。

ヘレナさん(中央)と小谷さん(左)、福住さん(右)
【2025年10月21日掲載】